渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2022年 12月9日(金)~14日(水)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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12月13日(火)17:30~18:30 三遊亭ごはんつぶ 柳家小せん

「思い出噺」

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プレビュー

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 一席には、忘れられない思い出がある。
 とある師匠から教わったときの記憶、自分の噺にするまでの苦労、どこかの場所でやったときの話……。
 そんな「思い出」話をまくらに、落語の「噺」を語っていただく「思い出噺」。
 初心者の方でも、落語にまつわるエピソードが聴けるので、非常にお得かつオススメの公演です。
 二つ目になりたてのごはんつぶさん、若手の落語に関する思い出話、そしていろんな師匠に稽古をつけてもらっている小せん師匠。どんな話が聴けるのか、いまからワクワクしています。

▽三遊亭ごはんつぶ さんゆうてい ごはんつぶ 落語協会
20歳で入門、芸歴6年目、2022年11月二つ目昇進。疲労回復のために、キレートレモンを飲んでクエン酸を摂取している。キャリーケースから鞄まで黄色を選びがち。

▽柳家小せん やなぎや こせん 落語協会
22歳で入門、芸歴24年目、2010年9月真打昇進。橘家文蔵師匠と入船亭扇辰師匠と音楽ユニット「三K辰文舎」としても活動中。先日、飛鳥Ⅱでの仕事をはじめて経験した。四日市の工業地帯の大きさに感動した。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@toyono2010 (ともちん。シンガポール育ち、帰国子女。落語、漫画、読書、映画が大好き!)

三遊亭ごはんつぶ-権助提灯
柳家小せん-動物園/女給の文

12月といえばクリスマス。 クリスマスの思い出といえば、映画「ラブアクチュアリー」の様なハッピーで暖かいものでしょうか? 今宵は新企画「思い出噺」。クリスマスや年末に向けて、思い出がテーマの会なんて素敵!今月スタートにピッタリですね。 初登場の三遊亭ごはんつぶさん。リラックスした優しい雰囲気が素敵な小せん師匠。どんなお噺を聴かせて下さるでしょう。

三遊亭ごはんつぶさん

前知識ナシで遭遇、初めましての「ごはんつぶ」さん。名前からしてオニギリ君みたいな感じかと思いきや、韓流スターにいそうなルックス!調べてみたら、演芸写真家・橘蓮二さん曰く「落語界トップクラスのイケメン」だそうです!おー。 まくらでは、二つ目昇進(今年11月だそうです、おめでとうございます!)やW杯(堂安選手の活躍に感動したそうです!)、そして古典落語を三三師匠にお稽古をつけていただいたという、割と最近の思い出噺。お稽古のお礼にスイーツ大好き三三師匠に焼き菓子をお渡しすると、お返しに師匠からお気に入りのスイーツをプレゼント、という女子会の様な状態だったとか。 というわけで、今日はそのお稽古で教わったお噺。旦那様とお供の権助が、奥様とお妾さんの間でオロオロする「権助提灯」です。 若々しいごはんつぶさんが演じると、(多分オジサンらしき)権助も少年ぽいやんちゃなイメージに。旦那様を悩ませ翻弄する奥様&お妾さんもワル可愛いらしい感じで、笑ってしまいました。女性の演技が上手な演者さんは大好きです。 天どん師匠のお弟子さんということは、普段は創作メイン?でも、古典もgood。さすがお稽古の成果です。 さて、ごはんつぶさんは、「(何々)師匠から教わった噺を披露する」と前置きすると、「(何々)師匠の(何々の)良さが出ていない!」と批判する人がいるので不安、とまくらで吐露。でも、楽しく聴くことが一番大事なのですよー!(そこまでツウではない者にとっては。。)

柳家小せん師匠

「今はいない人について話しましょう」。というわけで、先代の四代目小せん師匠との思い出噺です。寄席では15分の持ち時間のうち7〜10分ぐらいの軽いお噺をかけることが多かったとか。出囃子直前まで居眠りして、「パッと出てふわふわ」と終わらせる師匠だったとか。このあたりが、今の五代目小せん師匠のリラックスした雰囲気に通じるのでしょう。 今日は、その師匠に一番最初に教わったというお噺「動物園」。 楽で高給な就職先を探している怠け者の男が、一日中ぶらぶらしていられる希望の仕事を見つけます。それは珍獣動物園のライオン役!ブラックライオンの皮を被って寝ていれば良いのです。しかーし、実はホワイトタイガーの死闘ショーが待っている!男の運命はいかに!? 今日のバージョンは名古屋の動物園?リャーオン、タイギャー、という方言が混ざって、なんか可愛いらしい。「このお噺のレトロで気が抜けた雰囲気が好き」と小せん師匠。 そして今日は二本立て、短いお噺をもう一席。ちょっと珍しい「女給の文」は、芸術協会では「ラブレター」という題名でかけられることがあるそうです。 カフェの女給からラブレターをもらった男。得意げに友人に見せびらかし手紙を音読しますが、悪筆&間違いだらけで変な内容になってしまいます!なんか勘違いコントみたい。なるほど、軽ーく笑える! お稽古をつけて下さった師匠方のDNAは、脈々と受け継がれていくのですね。