渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2020年 11月13日(金)~18日(水)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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11月14日(土)14:00~16:00 三遊亭粋歌 笑福亭羽光 立川談吉 古今亭駒治

「創作大賞 受賞者の会」渋谷らくご創作大賞 受賞者の会

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プレビュー

 2015年玉川太福、立川志ら乃、2016年三遊亭粋歌、2017年古今亭駒治、2018年笑福亭羽光、2019年立川談吉。
 過去6年の創作大賞の歴史のなかでもエポックメイキングな四名の高座をご覧いただけるほかにない機会です。
 落語家の人数が史上最多の一途をたどる落語界、古典の数は限られています。いま、改めて創作に脚光があたっています。
 普段はお笑いやコントなどに親しんでいる、落語はじめての方にもオススメです。

▽三遊亭粋歌 さんゆうてい すいか
2005年8月入門、現在16年目、2009年6月二つ目昇進。「2016年創作大賞」受賞者。28歳で突如会社を辞めて落語家になった。落語を知るきっかけは、大江千里さん。2021年3月真打に昇進することが決定した、「弁財亭和泉」を襲名する予定。

▽笑福亭羽光 しょうふくてい うこう
34歳で入門、芸歴14年目。2011年5月二つ目昇進。「2018年創作大賞」受賞者。眼鏡を何種類も持っている。最近はフチが白い眼鏡をかけている。猫を可愛がる。可愛い猫のツイートにいいね!しがち。2020年NHK新人落語大賞で優勝をした。

▽立川談吉 たてかわ だんきち
26歳で入門、芸歴13年目、2011年6月二つ目昇進。「2019年創作大賞」受賞者。いまは「ドラクエ」を熱狂的にプレーしている。ドラクエシリーズの戦闘BGM中で、「ドラクエⅣ」のBGMが一番かっこいいと思っている。先日久々に天下一品のこってりを食べた。

▽古今亭駒治 ここんてい こまじ
24歳で入門。芸歴18年目、東京都渋谷区出身。「2017年創作大賞」受賞者。鉄道をこよなく愛し、鉄道に関するコラムを執筆するほど。先日の渋谷らくごの楽屋では、丸ノ内線について力説していた。背の高さが目立つ。ギターを弾く。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@toyono2010 (シンガポール育ち。落語、漫画、読書、映画が大好き。)

三遊亭粋歌(さんゆうてい すいか)-おじいせん
笑福亭羽光(しょうふくてい うこう)-拝啓15の君へ
立川談吉(たてかわ だんきち)-とり
古今亭駒治(ここんてい こまじ)-みんなの学芸会


本日ご登場の方々は「エポックメイキングな四名」とのこと。凄い!歴代の創作大賞受賞者が勢揃いとは、滅多にない機会です。 古典落語も素敵ですが、最近注目の創作落語をたっぷり堪能しましょうー。

三遊亭粋歌さん「おじいせん」

  • 三遊亭粋歌さん

「2016年創作大賞」受賞者。そして、2021年3月真打に昇進することが決定!おめでとうございます。「弁財亭和泉」を襲名する予定。泉で和む弁天様とは、なんて素敵なお名前でしょう。
創作のきっかけは「落語を知るには落語を創ってみること」というレジェンド・三遊亭円丈師匠のお言葉。今日は、10年前に初めて創ったお噺を披露。美人なのに変な男?とばかり付き合う元同僚から着想を得たそうです。
年下のダメ男と別れて新しい出会いを求める妙齢のOL・ミキコさん。二十歳のアイコちゃん&大学生のマミマミちゃんと参加したのは、なんと超老け専合コン!「イケオジィが集まるお葬式は出会いの宝庫」には爆笑してしまいました。
人の数だけ価値観があり、好みはホントに人それぞれですよねー。さすが元人事課OLの粋歌さん。人間観察のセンス抜群で感心してしまいます!

笑福亭羽光さん「拝啓15の君へ」

  • 笑福亭羽光さん

「2018年創作大賞」受賞者。そして、國村隼さんや片岡鶴太郎さんなど錚々たる有名人が審査員の、2020年NHK新人落語大賞で見事優勝!NHKなので内容に制約があって色々大変だったと、まくらで苦労話も。。
今日は、羽光さんの人生の全てが盛り込まれたというお噺。
久しぶりに実家に帰った中村くん(羽光さんの本名)は、少年時代の自分から未来の自分に宛てた手紙を発見。15歳の自分が小さなことで悩んでいると知り、少年時代の自分を安心させる為に返事を書きます。すると、その返事に返事が来て、時空を超えて過去の自分と文通することに!
未来からの手紙ならお金持ちになる方法など何でも伝えられるのに、真っ先に伝えたかったのはガンで亡くなってしまう母親のこと。ちょっと悲しいけれど、ほっこりする結末がお見事でした!
過去と手紙でやりとりする、という展開が映画「ナミヤ雑貨店の奇跡」を思わせる、笑って泣けるSFストーリーでした!

立川談吉さん「とり」

  • 立川談吉さん

「2019年創作大賞」受賞者。「自分語り」が下手なのが悩み、という談吉さん。(芸人にしては?)まともで慎重派の談吉さんは、コロナ禍なので飲み会も断ってしまう、自分がいわゆる「不思議ちゃん」なのでは?と心配しているそうです。
今日は、そんなコロナ禍中で作ったお噺。友達のいない転校生と街の不思議なおじさん。乗り心地良さそうなおじさんの背中に乗ると、なんとおじさんは鳥に変身!さて、おじさんが鳥になってしまう理由とは?
なんとも不思議な物語。「とり」だけに、2015年アカデミー賞受賞の映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を彷彿とさせる一席でした。ちょっとシュール。。

古今亭駒治師匠「みんなの学芸会」

  • 古今亭駒治師匠

「2017年創作大賞」受賞者。一度聴いたら忘れられない「鉄道落語」のパイオニア。受賞作品の「十時打ち」は好きな作品です!特にコアな鉄道ファンでなくても十分楽しめます。師匠の「乗り鉄」知識を参考にしてGotoにしたくなりますね。
今日は、学芸会をめぐる子供達のバトル噺。学芸会の出し物「ロミオとジュリエット」の顛末はいかに?一人一人のキャラが立っていて印象的でした。「頑張るキッズ系」のストーリーは大好きです!
鉄道以外にも、野球、ラジオ、学校などをテーマに、楽しい物語を次々と生み出す師匠の才能に驚き。最近運転免許証を取得されたので、次はドライブ落語?
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」11/14 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ
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