渋谷らくごプレビュー&レビュー
2016年 12月9日(金)~13日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
◎ニコニコ公式生放送「WOWOWぷらすと」中継あり(http://www.wowow.co.jp/plast/)
渋谷らくごを代表する4名。
古典、創作、なにが飛び出すかもわからない。
上方落語の春蝶師匠、一之輔師匠の対決に、講談の神田松之丞さん、二つ目の柳家わさびさんが爪痕を残しにくるでしょう。
これが「渋谷らくご」という番組になりました。
▽柳家わさび やなぎや わさび
23歳で入門、芸歴14年目、2008年二つ目昇進。古典落語だけでなく、創作落語という隠し刀をもつ実力派。イラストが可愛い。WOWOWの密着取材動画が2ヶ月経った今でも話題になっている。このドキュメンタリー動画は「Find7」で公開中。ダメ人間っぷりが発揮されている。
▽神田松之丞 かんだ まつのじょう
24歳で入門、芸歴10年目、2012年5月二つ目昇進。プロレス好き。iPadを使いこなす。話題のドラマ「逃げ恥」を見ているとのこと。いま演芸界で各方面で注目されている。渋谷らくごでは松之丞さんのクリアファイルを発売中、クリアファイルの顔が静かなブームです。
▽桂春蝶 かつら しゅんちょう
19歳で入門、芸歴23年目、2009年8月「春蝶」を襲名する。
関東と関西を行き来される生活をする。お料理もたまにされるとのことで、先日の献立は春蝶師匠特製うどんすき。ツイッターのつぶやきが面白い。
▽春風亭一之輔
しゅんぷうてい いちのすけ
23歳で入門、芸歴16年目、2012年3月真打ち昇進。三児のパパ。WOWOW動画で、一之輔師匠のシブラクインタビューが公開される予定。一之輔師匠の落語との接しかたにドキドキしました。
レビュー
12月9日(月)20時~22時「渋谷らくご」
柳家 わさび(やなぎや わさび) 「粗忽長屋」
神田 松之丞(かんだ まつのじょう) 「畔倉重四郎 金兵衛殺し」
桂 春蝶(かつら しゅんちょう) 「母恋いくらげ」
春風亭 一之輔(しゅんぷうてい いちのすけ) 「夢八」
「薄気味悪さと面白さは共存できる」
ユーロスペースの音は不思議です。映画館だから壁に吸音材がたくさんあって、音が吸い込まれて反響しない。
静かなときは空調の微かな音も気になるほど、パッキリクリアに聴こえます。後ろの席に座っていても、遠くの声をマイクで拾って聴いているという感じがせず、まるですぐ耳元で聴いているようです。聞き取りやすいせいか会場全体の笑い声の反応速度も少し早くて、物語もトントン進んで気持ちが良く、満員の会場はいつも以上に若いお客さんが多い様子。
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柳家わさびさん
粗忽長屋はタイトル通りそそっかしい人たちが出てきますが、わさびさんが演じる登場人物は妙に慌てていたり勢いだけだったり、考えるより口が先に喋っちゃうという目がぐるぐる回ってるような人たちのイメージです。
「熊とは生まれたときは別々、死ぬときも別々って仲だ」っていうセリフありますが、熊と死ぬときも一緒だったら凄いなぁとちょっとドキッとしました。
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神田松之丞さん
松之丞さんは連続物の中から「金兵衛殺し」
クリアファイルがあんまり売れてない話からの殺人事件。ギャップが激しすぎます。
「畔倉重四郎」あぜくらじゅうしろうって読みづらいですが、大悪人は名前までかっこいい。色白の二枚目が躊躇なく人を殺すって妙な怖さと色気があります。死骸の傍に名前入りの扇を落とすって明らかに罠な感じがしますが、余計にハラハラして続きが気になって仕方ありません。
注意して耳を傾けていると細かい部分にも発見があります。印象的な場面は突然小声で話す部分があったり、ゆっくり話していたり、「〜しましたのかー、」の「の」にアクセントがあったり。聴き方も少しずつマニアックになっていきます。
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桂春蝶師匠
春蝶さんは「母恋いくらげ」という柳家喬太郎師匠作の新作落語。
前半は海の生物のインパクトが強いです。タコが喋る落語って初めて見ました。絵本にもなっているようですが、たしかに小さい子も大喜びしそう。バスガイドさんと子供たちのやりとりもたまらなくおもしろい。強めの言葉でなじりあうシーンも出てきますが関西弁のせいか「ツッコミ」という印象で、嫌な感じは一切ありません。
後半は赤ちゃんくらげのくらのすけちゃんのじんわり暖まる物語。春蝶さんて低めの良い声のイメージが強いですが、こんなに高い声出るんだ!という驚きのかわいらしさ。
ザザッザッザッザッザッザーン!というリズミカルな波のシーンや、「たかじん」とか関西版らしさが入っているのもたまりません。この冬はみかんを剥くたびにほっこりできそうです。
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春風亭一之輔師匠
寄席のトリ後に渋谷へ駆けつけてお疲れな様子の一之輔師匠。
テンション低めでぼやいているなぁと思っていたら、いつの間にか大盛り上がり。WOWOWぷらすと配信のニコ生視聴者に対しても、画面上部にコメントが流れていることを想定して喋ったりと普段違う感じがしてワクワクします。
「にんじんアマーイ!」「セェタカイネー!」
カタコトと訛りの中間のような歯切れの良い喋り方で、純朴でハツラツとしてて、なんだかかわいい。薄気味悪いのに大笑いしてしまいます。凄い感覚。
この気持ちをどうしたらいいのかわからないまま渋谷駅へ。遠くまで視界すっきりよく見えて、脚が勝手に急いで、なぜだか疲れません。最寄り駅でなんとなくコンビニに寄ってそんなに食べたくもないデザートなんか買っちゃって。浮かれ浮かれて帰るという余韻も含めてすべて楽しい。大満足の金曜日でした。
「セェタカイネー!」いまだに頭の中で再生されています。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」12/9 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ