渋谷らくごプレビュー&レビュー
2019年 4月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
アーカイブ
- 2025年04月
- 2025年03月
- 2025年02月
- 2025年01月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年04月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年08月
- 2023年07月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年04月
- 2023年03月
- 2023年02月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年02月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
- 2021年02月
- 2021年01月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年09月
- 2020年08月
- 2020年07月
- 2020年06月
- 2020年05月
- 2020年04月
- 2020年03月
- 2020年02月
- 2020年01月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年09月
- 2019年08月
- 2019年07月
- 2019年06月
- 2019年05月
- 2019年04月
- 2019年03月
- 2019年02月
- 2019年01月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年09月
- 2018年08月
- 2018年07月
- 2018年06月
- 2018年05月
- 2018年04月
- 2018年03月
- 2018年02月
- 2018年01月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年09月
- 2017年08月
- 2017年07月
- 2017年06月
- 2017年05月
- 2017年04月
- 2017年03月
- 2017年02月
- 2017年01月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年09月
- 2016年08月
- 2016年07月
- 2016年06月
- 2016年05月
- 2016年04月
- 2016年03月
- 2016年02月
- 2016年01月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年09月
- 2015年08月
- 2015年07月
- 2015年06月
- 2015年05月
- 2015年04月
プレビュー
初心者向け:渋谷らくごの心臓、達人 馬石師匠と、職人小せん師匠の間にはさまって芸歴50年目のブラック師匠が登場! 唄うような気持ち良いリズムの落語のなかに放り込まれる文字通りブラックなくすぐり。実力のある二つ目 緑太さんの落語も楽しい!
アングル:落語協会の面々のなかに快楽亭ブラック師匠が出るという番組自体が非常に珍しい機会です。しかし寄席で育ったブラック師匠の心地よい語り口は意外と違和感がないはず。本寸法の会となるでしょう。そこが聴きどころです。
▽柳家緑太 やなぎや ろくた
25歳で入門、芸歴10年目、2014年11月二つ目昇進。古典落語をラップにしている。Youtubeで公開されていて、おそるべき完成度。和光市に住んでいるが、最近は上野に自転車で行くことにハマっている。先日「ユーモア展」を見に行った。
▽柳家小せん やなぎや こせん
22歳で入門、芸歴22年目、2010年9月真打ち昇進。橘家文蔵師匠と入船亭扇辰師匠と音楽ユニット「三K辰文舎」としても活動中。「いだてん」に、ちょこちょこ出没している。座右の銘は「がんばりすぎない」。
▽快楽亭ブラック かいらくてい ぶらっく
16歳で立川談志に入門、芸歴50年目。2000年、「快楽亭ブラック毒演会」が文化庁の芸術祭賞優秀賞を受賞する。歌舞伎から日本映画まで深い知識があり、東京MXテレビ「激論!サンデーCROSS」では映画評論家として出演している。
▽隅田川馬石 すみだがわ ばせき
24歳で入門、芸歴26年目、2007年3月真打昇進。時間がたくさんあるときのマクラも、オチ優先でなくコラム的な味わいで楽しい。寒い夜に月を見るのが好き。寒い夜に少し小腹が空いた時に食べる肉まんが楽しみ。
レビュー
4月13日(土曜日) 17時~19時 「渋谷らくご」
柳家緑太(やなぎや ろくた) 「崇徳院」
柳家小せん(やなぎや こせん) 「蒟蒻問答」
快楽亭ブラック(かいらくてい ぶらっく) 「権助魚」
隅田川馬石(すみだがわ ばせき) 「花見の仇討ち」
アカデミー賞脚色部門受賞「ブラック・クランズマン」を観てきました。白人至上主義の過激団体に黒人刑事が潜入捜査を行ったという驚きの実話。重いテーマと差別の闇を描きながら、アダム・ドライバー(白人刑事)とジョン・デヴィッド・ワシントン(黒人刑事)の人種を越えた熊さん八っあんコンビが絶妙で面白かったです。さすがスパイク・リー監督、ブラック・パワー全開です。
さて、渋谷らくごのブラック・パワーと言えば芸歴50周年の快楽亭ブラック師匠。そして今日は、落語ラップの緑太さん、若手真打ち小せん師匠、トリは表情がオモシロ可愛いハムスターのような隅田川馬石師匠と楽しみなラインナップです!
柳家緑太さん「崇徳院」
-
柳家緑太さん
市童さんと息の合ったラップ・デュオ、多分お二人はとても仲良しなんでしょう。くれぐれも電気グルーヴみたいにならないで下さいね。。
さて、今日は春らしい恋のお噺。
病気で寝込み衰弱する若旦那。医者も匙を投げますが、出入りの熊さんは原因が恋煩いだと突き止めます。では、その恋の相手を探そう!としますが、手がかりはお嬢様が短冊に書いた「瀬を早み岩にせかるる滝川の」という句だけ。
これは下の句が「われても末に逢はむとぞ思ふ」という崇徳院の歌。「別れても末には添い遂げましょう」という意味で、うーむ素敵、江戸の恋は風流~。
しかし、ネットも電話もない時代の人探しは大変です(今ならSNSで見つかりそう)。熊さんは湯屋や床屋など人が集まる所で手がかりを掴もうとしますが、ひどく難航してしまいます。。
恋する若旦那とお嬢様の為に奔走する熊さんのドタバタぶりを青筋立てて演じる緑太さん、超笑える!結局お互いが見つかったということは、二人は結ばれたと考えて良いでしょう。
「紺屋高尾」もそうですが、恋愛成就して人が幸せになるストーリーは大好きです。それにしても、「恋煩いで寝込んでしまい、死にそうになる」という場面が他のお噺にも良く出てきますが、江戸時代の男女は情熱的だったのですねー。
柳家小せん師匠「蒟蒻問答」
-
柳家小せん師匠
さて、蒟蒻屋の六兵衛さんは、江戸からやって来た八五郎をニセ坊主に仕立てあげ、近所の荒れたお寺の住職に就かせます。ところがある日、旅の禅僧が問答チャレンジにやって来ますが、ニセ坊主に高度な禅問答なんて出来るわけない!このピンチ、どう乗り越えたでしょうか?
無言でのやり取りと勘違いが笑えました。寺男・権助のトボけた演技にも笑いが止まりません。「弔い甚句」をコミカルに調子良く歌い上げる場面もあり最高でした。いい声~。ホッコリ安心の一席でした。
快楽亭ブラック師匠「権助魚」
-
快楽亭ブラック師匠
お子さんの友達には「お父さん凄いね!プロになれるよ」と言われ(←芸歴50年なのに)、お子さんには「お父さん、下ネタなしでもウケるじゃない!」と言われる始末。さすが下町、子供たちもハイレベルですね。
今日のお噺は、途中まで「権助提灯?」と思いましたが、違う展開に。おかみさんとお妾さんの板挟みで頭を悩ます旦那さん。おかみさんは下男の権助をスパイとして送り込みますが、旦那さんは逆にアリバイ工作に協力するよう権助を買収。でもこの権助さん、気の利かない男の極み!魚釣りをしていたというアリバイの証拠品に川魚を買って帰るよう指示されたのに、なんと彼が買ったものは(隅田川で獲れるわけがない)北海道産のニシンにスケソウダラ、そして目刺しにカマボコ!もちろん、おかみさんには即バレです。
星条旗の羽織に真っ赤な着物で「キー!!」と演じる嫉妬深いおかみさんは迫力でした。さすがブラック・パワー、存在感ハンパないです!
隅田川馬石師匠「花見の仇討ち」
-
隅田川馬石師匠
梅を褒めるなんて春らしくて、新元号・令和にもぴったりですね!
お噺の舞台は、春爛漫の上野の山。
長屋の四人組が花見の趣向に、ドッキリを仕掛けます。それは大勢の花見客の前で派手な仇討ちを繰り広げるというもの。しかし、アクシデント続きで筋書き通りにはいかず、最後には本物の武士が助太刀に駆け付けるという怖い結果に!!
自分で仕掛けたイタズラにハマってしまうなんて、映画「グリンチ」やBBC製作のクレイアニメ「ひつじのショーン」みたいで、漫画チック。
馬石師匠は時々、無言の表情で場面を語ることがありますが、その顔での表現が面白くてたまりません!凄く特徴的で、馬石師匠の好きな所でもあります。今日は「桜と梅の開花のモノマネ」が一際シュールでした。。
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」4/13 公演 感想まとめ
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
写真の無断転載・無断利用を禁じます。