「渋谷らくご」軽さの美学 小痴楽師匠を聴く

　「軽さ」というのは芸の世界では美徳のひとつ。聴くものに負担を強いることなく、いつのまにか楽しませてくれる。気づいたら楽しい世界にひきずりこまれ、日常生活の憂いや苦悩も吹っ飛ぶ。
　兼太郎さん、談吉さんもこうした系統のなかにありますが、トリの小痴楽師匠はその道を極めている道中です。
　笑わせる気がないほどに淡々と語ることこそが落語の笑い、とばかりに小里ん師匠という大ベテランが華を添えます。

▽三遊亭兼太郎　さんゆうてい　けんたろう
23歳で入門、芸歴7年目、2017年二ツ目昇進。緊急事態宣言中は、お絵かき川柳をツイッターで公開し続けた。12歳のときにハマったアニメは「カードキャプターさくら」。

▽立川談吉　たてかわ　だんきち
26歳で入門、芸歴12年目、2011年6月二つ目昇進。最近は、YouTubeに「談吉さんの手」というシリーズを発表している。いまは人生ゲームを遊んでいる。先日は、カレーをつくってみた、トッピングはゆで卵とじゃがいも。

▽柳家小里ん　やなぎや　こりん
21歳で入門、芸歴50年目、1983年9月真打昇進。大の映画好き。浅草出身なのでお祭りがとにかく好き。山崎ナオコーラを読む。

▽柳亭小痴楽　りゅうてい　こちらく
16歳で入門、芸歴13年目、2009年11月二つ目昇進。2019年9月に真打昇進。本が好き、本のお供には HOPE。沢木耕太郎さんの『深夜特急』を、もう何十回と読んでいる。