渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2021年 2月12日(金)~16日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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2月14日(日)17:00~19:00 古今亭駒治 立川志ら乃 柳家小八 玉川太福*

「渋谷らくご」若手躍動 浪曲 玉川太福を聴いてェ!

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プレビュー

 落語家のなかでももっともドラマチックなのは真打昇進でしょうか。しかし落語家は真打になってからのほうが長いのです。そして闘いは続くのです。ベテランも多く、成長著しい二つ目も多いなかで、若手真打はわりと地道な活動を強いられますが、そんななかでも我が道を貫く三人の真打、駒治師匠、志ら乃師匠、小八師匠。最後は浪曲の麒麟児 玉川太福さんの唸りをどうぞ!
 渋谷らくごらしい、自慢の番組です。

▽古今亭駒治 ここんてい こまじ
24歳で入門。芸歴18年目、東京都渋谷区出身。鉄道をこよなく愛し、鉄道に関するコラムを執筆するほど、東京新聞にて「鉄道しましょ」を連載中。駅すぱあととコラボしている。駒治師匠が国鉄の制服を着ている動画がYouTubeにアップされる。背が高い。

▽立川志ら乃 たてかわ しらの
24歳で入門、芸歴23年目、2012年12月真打昇進。スーパーマーケットが大好き。先日スーパー「ライフ」にて、黒米と大豆ミートのキーマカレーを買った。初めて大豆ミートを食べて感動した。冷凍庫には、業務スーパーで買った冷凍あさりが入っている。

▽柳家小八 やなぎや こはち
25歳で柳家喜多八に入門、芸歴18年目、2017年3月真打昇進。ツイッターをなかなか更新しない、おかみさんである三遊亭粋歌さんのツイートで小八師匠の様子を知ることができる。アイコスの充電をすぐに忘れる。楽屋入りするとすぐにモンスターを飲む。

▽玉川太福 たまがわ だいふく
1979年8月2日、新潟県新潟市出身、2007年3月入門。JFN系列にて放送中の「ON THE PLANET」のパーソナリティとして、毎週火曜日25時から出演中。サウナが大好きで、今年のお正月もサウナに行き、-1度の外気浴で整ってきた。いま寝台列車に乗って旅に行きたい。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@toyono2010 (シンガポール育ち。落語、漫画、読書、映画が大好き。)

古今亭駒治(ここんてい こまじ)-地下鉄戦国絵巻
立川志ら乃(たてかわ しらの)-黄金餅
柳家小八(やなぎや こはち)-お見立て
玉川太福(たまがわ だいふく)/玉川みね子(たまがわ みねこ) – 男はつらいよ〜第十七作 寅次郎夕焼け小焼け〜

緊急事態宣言延長下での、バレンタインデー。個性派師匠方+太福さんがお届けして下さる笑いが、何よりものプレゼントです!
おうちでカップルでオンライン視聴している人も多いのでは?一緒にたくさん笑えば、もっと仲良くなれそうですよね。

古今亭駒治師匠「地下鉄戦国絵巻」

  • 古今亭駒治師匠

自動車免許を取得した駒治師匠が、とうとうマイカー購入!おめでとうございます。しかし、納車は半年先とのこと。それまでは電車で移動しなければ。。
というわけで、今日は便利な地下鉄のお噺。東京メトロ&都営三田線(←メトロ南北線が乗り入れ)連合vsその他の都営地下鉄の戦争。でも、メトロに比べてオシャレ度が微妙な都営線軍団は負けそうに。そこに東京都交通局の仲間達が助太刀に駆けつけます!
都内交通網は乗り入れに次ぐ乗り入れで、もうどことどこが繋がっているか分からない?という現状を、擬人化した戦争で表現するなんて大笑いです!これは、東急電鉄グループvsJRの戦いを描いた名作・鉄道戦国絵巻の続編ですね。
色々な電車の名前が出てきて東京在住の人以外分かりにくい部分もあるかもしれませんが、都民もよく知らない電車まで登場して勉強になります。東京都交通局所属の電車って、たくさんあるのですねー。関西版や中部版も出来そう、是非聴いてみたい!上方落語の師匠とか、どなたか創作して下さらないかな?

立川志ら乃師匠「黄金餅」

  • 立川志ら乃師匠

今日はバレンタインですが、チョコレートではなくお餅が登場します。
吝嗇家の隣人が、金をあんころ餅にくるんで食べているのを見た金兵衛さん。隣人が亡くなると、遺体からその金を奪って店の開業資金にしてしまうとは、なんてブラックな。。
大きなお目全開で、ちょっと狂気を感じる演技がコワ面白くてクスクス笑いを誘います。死後に火葬したホトケさんのお腹から黄金を掻き集める場面は、とってもダーク。そんなコワくて笑えなさそう?なシーンを爆笑に変えてしまう所に、師匠の力強さを感じました!

柳家小八師匠「お見立て」

  • 柳家小八師匠

まくらでいきなり「夫婦喧嘩してきた!」と告白。。ああ、バレンタインデーなのに喧嘩はいけません。早く仲直りできると良いですねー。 というわけで、今日は男性達の気分を上げるプロの世界・廓のお噺です。
疎ましいお客さんを上手に避ける花魁、しつこく追いかけるお客の攻防戦!客を手玉に取る花魁・喜瀬川、花魁と客の間で右往左往する下男の喜助、田舎者の杢兵衛お大尽という登場人物。このお噺は演者さんによって印象に残るキャラが違います。今回凄かったのは、お大尽を夢中にさせて、喜助を絶対服従させる喜瀬川のズル賢い悪女ぶり!小八師匠演じる花魁はとってもチャーミング、無敵の微笑みです。このバレンタインに彼氏をメロメロにしたい人、必見の演技でした!
ちなみにポーランド語で「愛する」は「コハチ(kochać)」だそうですヨ。

玉川太福さん「男はつらいよ〜第十七作 寅次郎夕焼け小焼け〜」

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    玉川太福さん

玉川みねこ師匠にチョコレートと栄養ドリンクを貰った太福さん。元気が出そうですね!
今日は切ない恋のお話、寅さんの第十七作目。無一文の老人を救った寅次郎。家にまで連れてきて家族に疎まれますが、さてその老人の正体とは?落語の「竹の水仙」みたいなエピソードを経て、兵庫県龍野で芸者・ぼたんに出会います。その後、東京まで寅さんを追いかけて来るぼたん。さて、寅さんとぼたんの恋の行方は!?
今日は、太福さんの色っぽい関西弁が聴けて良かったです。
映画でぼたんを演じるマドンナは、太地貴和子さんだったらしいです。綺麗な方ですよね。「男はつらいよ」といえば、切ない恋と人情噺。昭和っぽいバレンタイン気分が満喫できました!

写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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