渋谷らくごプレビュー&レビュー
2021年 8月13日(金)~18日(水)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
芸歴5年目から52年目が集う8月の最終公演。落語家がどうやってキャリアを重ねていくものか、その地層のようなものも感じられるかもしれません。
とくに本公演での最後に高座にあがる快楽亭ブラック師匠、この渋谷らくごでは、他ではなかなか聴けない演目を正面から堂々と語ってくださいますので注目です。
淡々と、まるで無感情に情報を流し込んでくる談洲さんの落語の気持ち良さはほかでは味わえません。聴き心地の良さでいえば、小せん師匠は自然と想像の世界に誘うことすら悟らせない凄さがあります。小痴楽師匠はまるで落語の世界から飛び出してきたような威勢のいいあんちゃんですが、しっかりと落語から噺に対する愛情が滲み出てきて、聴いていて楽しいです。
どんな演目が飛び出すかわからない闇鍋落語会ですが、味は保証します!
▽立川談洲 たてかわ だんす
2017年1月入門、現在5年目、2019年12月二つ目昇進。ヒップホップ基本技能指導資格を取得している。事あるごとに、「左ききのエレン」を読む。1992年からテレビ放送された「鳥人戦隊ジェットマン」が語れるくらい好き。
▽柳家小せん やなぎや こせん
22歳で入門、芸歴24年目、2010年9月真打ち昇進。橘家文蔵師匠と入船亭扇辰師匠と音楽ユニット「三K辰文舎」としても活動中。YouTubeでは曲の弾き語りを公開している、最新作は中島みゆきの「おまえの家」。
▽柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
16歳で入門、芸歴15年目、2009年11月二つ目昇進。2019年9月に真打昇進。本が好き、本のお供には煙草「HOPE」。灰皿の形状について一家言ある。オリンピックを見ながら電車に乗って、興奮して声を出してしまった。女子バスケットを見ていた。
▽快楽亭ブラック かいらくてい ぶらっく
16歳で立川談志に入門、芸歴52年目。90年、国立演芸場花形演芸会金賞、2000年、「快楽亭ブラック毒演会」が文化庁の芸術祭賞優秀賞を受賞する。2005年、落語立川流を自主退会。歌舞伎から日本映画まで深い知識がある。
レビュー
立川談洲(たてかわ だんす)-あくび指南
柳家小せん(やなぎや こせん)-月見穴
柳亭小痴楽(りゅうてい こちらく)-強情灸
快楽亭ブラック(かいらくてい ぶらっく)-蛙茶番
暑いですねえ。緊急事態宣言もまだ続いています。
ステイホームで、オリンピック期間中はテレビにかじりついて夢中になっておりました。ちなみに、女子柔道観戦中は、林家彦いち師匠の創作落語「青畳の女」が頭から離れませんでした。。
そして、オリンピック閉会してみると何とも寂しー!
というわけで、今日は「オリンピック・ロス」に効く、楽しい落語!
トリのブラック師匠は「(プレビューによると)他ではなかなか聴けない演目を堂々と語って下さる」とのことで楽しみ!怪談など飛び出すと更に涼しくなりますが、さてさて。今日はどんなお噺が聴けるでしょうか?
立川談洲さん「あくび指南」
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立川談洲さん
今日のお噺は、変わったお稽古に江戸っ子が全力でトライする「あくび指南」。普段は春に語られる事が多いのですが、こちらは夏バージョン。隅田川を渡る涼しげな船と、船遊びに飽きてあくびが出る気怠い夏の午後が目に浮かびます。
談洲さんの夏バージョンは所々創作的な要素があり、覚えが悪い八五郎が四苦八苦する場面では、連続的にオモシロ顔芸が炸裂します!端正な談洲さんのヘン顔オンパレードに、妙に感激してしまいました。。
柳家小せん師匠「月見穴」
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柳家小せん師匠
というわけで、今日は一足早く秋のお噺。秋といえば中秋の名月。十五夜の翌日は、十六夜(いざよい)というそうです。
娘と孫に会いに隣村へ行った帰り、近道をしようと林に入って穴に落ちてしまった男。大声で助けを呼ぶと、それに答える声がします。それは誰?穴からは大きなお月様が見えています。。
ちょっと不思議な、初めて聴くお噺でした。怪談でもないし、人情噺でもない?落語には、まだまだ知らないお噺が沢山あるのですねえ。
柳亭小痴楽師匠「強情灸」
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柳亭小痴楽師匠
新種目のスケートボードも楽しんだ、とか。実は小痴楽師匠も10年以上のスケボー経験者。一時は寄席にスケボーで通って、歌丸師匠に叱られたこともあるそうです。
さてお噺は、「お灸なんて、ぜーんぜん熱くなーい!」と強がる男。それがエスカレートして大変なことに!江戸っ子は強情で負け惜しみが強かったようですね。そんな威勢のいい若衆を演じたらピカイチの小痴楽師匠。熱いのに笑顔で我慢するイタ苦しい表情が可笑しくて、もうお腹がよじれるほど笑ってしまいました!
快楽亭ブラック師匠「蛙茶番」
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快楽亭ブラック師匠
今日は、素人芝居で起きるパニックのお噺。目立ちたがり屋の半公の役目は、役者ではなくは舞台番(客席を見張る会場整理係)。ちょっと不満だけれども、好きな女の子が見に来るので張り切っています。しかし、張り切り過ぎて、なんとフンドシを締め忘れて舞台に上がってしまった!
ちょっと下品になりそうな顛末をあっけらかんと笑えるのは、ブラック師匠の演技力のおかげ。お芝居の滑らかな台詞まわしも役者のよう!さすが歌舞伎好きのブラック師匠です。笑えるドタバタ劇、というだけではない、聴きごたえある一席でした。