渋谷らくごプレビュー&レビュー
2019年 5月10日(金)~14日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
初心者向け:落語界のベテランと若手を繋ぐ「要」の位置にいる40代中盤のスター、古今亭菊之丞師匠。超多忙を極める活動のなか、3ヶ月に一度この「渋谷らくご」に出演してくださっています。5月の薫風編。今回は圓太郎師匠もお迎えし、若手では二つ目昇進間もない文吾さん、そして渋谷らくご大賞の市童さんが期待の3番手で登場します。
アングル:市童さん、頼むよ! 市童さん、なにやるんでしょう? 無難には終わらせてほしくないですね!
▽橘家文吾 たちばなや ぶんご
21歳で三代目橘家文蔵師匠に入門、芸歴6年目、2018年11月二つ目昇進。渋谷らくごには前座さんとして出演してくださっていて、今回ついに演者として登場する。本名が「中西翼」とカッコいい。
▽橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
19歳で入門、芸歴38年目、1997年3月真打昇進。怒りん坊なキャラクターで、オヤジの小言マシーンぶりは渋谷らくごでも爆笑を生んでいる。将来PTAの会長になるのではないかと危惧している。普段は優しく、裏表のない気持ち良い人なのです。
▽柳亭市童 りゅうてい いちどう
18歳で入門、芸歴9年目、2015年5月二つ目昇進。2018年渋谷らくご大賞「おもしろい二つ目賞」を受賞。菊之丞師匠率いる落語協会カラオケ同好会「歌まみれ」の会員である。「僕は流しの運転手」を歌う。Youtubeで大学受験の塾の講義を観ている。
▽古今亭菊之丞 ここんてい きくのじょう
18歳で入門、芸歴28年目、2003年9月真打昇進。大河ドラマ「いだてん」の江戸言葉指導と落語監修をおこなっている。ツイッターでは「いだてん」の裏話から、落語ファン必見のみどころ、落語の考察をツイートしている。落語協会カラオケ同好会「歌まみれ」を率いる。
レビュー
5月12日(土)17時~19時「渋谷らくご」
橘家文吾(たちばなや ぶんご)「書家政談」
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)「阿武松」
柳亭市童 (りゅうてい いちどう)「だくだく」
古今亭菊之丞(ここんてい きくのじょう)「片棒」
ゴールデングローブ賞&英国アカデミー賞ノミネートの問題作「ビューティフル・ボーイ」を観ました。ティモシー・シャラメの「何でこんな複雑な表情が出来るの?」という演技が最高でした。美しい男性の美しい演技を観るのは良いものです。眼福、眼福。
美しいと言えば、本日のトリは、ザ・色男・古今亭菊之丞師匠。NHKドラマ「いだてん」でもご活躍中です。そして、ベテラン圓太郎師匠、若手のお二人・二つ目昇進間もない文吾さん&昨年「面白い二つ目賞」を受賞した市童さん。5月薫風編にふさわしいフレッシュ&素敵ラインナップです!
橘家文吾さん「書家政談」
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橘家文吾さん
時々、初めて観る演者さんで「この人イイナ」と思うことがありますが、彼が正にそう。堂々としつつちょっと皮肉っぽい表情は文蔵師匠譲り?今日のお噺は古典のような新作で、文才もありそう。
モノの価値が分からない旦那が始めた骨董屋に、辰五郎は自分でいい加減に書いた(というか、墨をこぼして描いたアクション・ペインティングみたいな)書を持ち込みます。が、なんとこれに十両の値がついて、お殿様のお目にもとまり、価値は上がる一方!さて、その結末は?
このお噺を聴いて、カルティエ財団がビートたけしの冗談のような作品を集めてパリで展覧会を開催したときに、「これはコントか?」と思ったことが思い出されました。何が美しいかは、人それぞれですね。
美術品の価値とは?というテーマは、バンクシーのドキュメンタリー映画「Exit through the gift shop」のようでした。まあ文吾さんは、高額で落札された作品をシュレッダーにかけてしまったバンクシーには、かなり「イラっ」と来たらしいですが。。
橘家圓太郎師匠「阿武松」
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橘家圓太郎師匠
今日は、お相撲のお噺です。大食い過ぎて部屋をクビになった失意の力士。「死んでしまおう」と思ったところに強力なサポーターが現れて、遂には6代目横綱まで登りつめるという、とっても良いストーリー。情の深い板橋のだなはん、彼の才能を見込んで見守る親方にグッと来ました。やはり、才能のある人にはちゃんとした支えが必要ですねえ。私もクラウド・ファンデイングなどに積極的に参加したくなりました。
新作も面白いけど、古典落語ってやっぱり素晴らしい!と思わせて下さった師匠の一席でした。
柳亭市童さん「だくだく」
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柳亭市童さん
お噺には落語ではお馴染み、マヌケな泥棒さんが登場。持ち物全てを売り払って引っ越しした八っあん。寂しいので、絵描き先生に家具などを壁に描いてもらいます(イマジネーションで満足するタイプ?)。
立派な家財道具があるように見える家は泥棒さんに狙われますが、これは全てフェイク!盗みに入って気付いたものの、盗む物がなければ盗んだ「つもり」をしないと泥棒としてのプライドが許さない!(イマジネーションで達成感があるタイプ?)
それにしても、泥棒が騙されるほどの壁絵、オランダの写実主義絵画も真っ青です。
このお話で思い出しましたが、催眠術をかけてもらってどんなタイプの女性とも(AKBでも乃木坂でも誰とでも!)プレイ出来るという「催眠フーゾク」なるものがあるそうです。そんなに上手くいくのかなーと思いましたが、このお噺の登場人物みたいなら催眠術も良くかかって楽しめそうですね。
古今亭菊之丞師匠「片棒」
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古今亭菊之丞師匠
さて今日のお噺は不吉つながり?でお葬式について。アカニシ屋ケチ兵衛さんは名前の通り、大変なケチ。自分の死後、誰が身代を継ぐか悩み中。という訳で、「自分が死んだらどんなお葬式を出してくれる?」という質問をして、三人の息子をテストします。この息子達のキャラ演じ分けが、最高に面白い師匠。派手好きで見栄っ張りな長男、お祭り好きでノー天気な次男。特にこの次男のリズミカルなお囃子付き、ノリノリの妄想葬儀のくだりに大笑いしました。ピーヒャララーという菊之丞師匠、良い声~!
結局、ケチのDNA を受け継いだのは三男だけみたいですが、こんな息子達では親父さんも死にきれないですね。やれやれ。
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」5/12 公演 感想まとめ
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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