渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2019年 6月14日(金)~18日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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6月16日(日)17:00~19:00 立川吉笑 入船亭扇里 快楽亭ブラック 立川寸志

「渋谷らくご」怪物たちの饗宴 ~二つ目 寸志がトリをとる~

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プレビュー

初心者向け:この会は一風変わった落語家さんたちが揃いますが、落語は素晴らしいので安心してください(「落語は」って失礼ですけど)。擬古典の吉笑さん、120歳まで生きると豪語する扇里師匠、毒入り本格古典のブラック師匠、昭和に生まれた令和のスター寸志さん。落語は、普通の人とちがう、怪物がやるから、面白いのです。
アングル:ブラック師匠の圧倒的存在感のあとで、寸志さんはどうでるのか!? 扇里師匠からブラック師匠への急勾配も楽しみ。


▽立川吉笑 たてかわ きっしょう
26歳で入門、現在入門9年目、2012年4月二つ目昇進。小野照崎神社で断ち物をすることで、生活サイクルが変わった。先日も小野照崎神社で第二の断ち物をしてきた。豚肉とナスのトマトクリームパスタをつくっている、何度もつくることでコツをつかむことができた。

▽入船亭扇里 いりふねてい せんり
19歳で入門、芸歴23年目、2010年真打ち昇進。食べられない時期は競馬で稼いでいた。熱狂的なベイスターズファン、今年もベイスターズ中心のツイートになっている。プロ野球チップスのカードを集めている。

▽快楽亭ブラック かいらくてい ぶらっく
16歳で立川談志に入門、芸歴50年目。2000年、「快楽亭ブラック毒演会」が文化庁の芸術祭賞優秀賞を受賞する。歌舞伎から日本映画まで深い知識があり、東京MXテレビ「激論!サンデーCROSS」では映画評論家として出演している。

▽立川寸志 たてかわ すんし
44歳で入門、芸歴8年目、2015年二つ目昇進。緊張を楽しめる性格。落語家になる前は編集マンで神保町で働いていたことから、神保町について深い知識をもっている。小野照崎神社に行ったが、断ち物をせず帰ってきてしまった。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@dejidj2016 (シンガポール育ち。落語、漫画、アニメ、映画が大好き。アベンジャーズで好きなキャラは、ブラック・ウィドウ)

6月15日(日)17時~19時「渋谷らくご」
立川吉笑(たてかわ きっしょう)「一人相撲」
入船亭扇里(いりふねてい せんり)「藁人形」
快楽亭ブラック(かいらくてい ぶらっく)「たがや」
立川寸志(たてかわ すんし)「鰻の幇間」

プレビューによると今日は怪物たちの饗宴。最新作エンドゲームが公開中のアベンジャーズのように、個性の違うスーパーパワーが結集すると最強です。
というわけで、今日はマーベルのキャラで感想文を書いてみました。
ところでトリの寸志さん、ツイッターで事前に「今日は人が死にかけるか、死なないけど酷い目に合うか、のどちらか」と告知しておられましたが、暑くなったからといってイキナリ怖いお噺はやーよ!?

立川吉笑さん

  • 立川吉笑さん

(マーベルのキャラで言うと、ガーディアンズのメンバー・ロケット。癒し系の外見なのに高知能狂暴アライグマ。)
今宵のお噺は「一人相撲」。相撲見物に行かれない旦那さんの代わりに、番頭さんが放った奉公人の好き勝手な相撲中継。ハイテンションで繰り出される弾丸のようなオトボケ話は、正にロケットのキャノン砲のごとし!
ハジけた面白さの吉笑さん、でも禁酒の願掛け(今400日目ぐらい、凄い!)で芸に打ち込む姿は真摯そのもの。次にお酒が解禁されるのは、多分ご自分の真打ち披露パーティーだとか。
早く美味しいお酒が飲めると良いですね!

入船亭扇里師匠

  • 入船亭扇里師匠

(クールなスーパー射手・ホークアイ。古典の魅力を的確に射抜きます。)
お噺はしんみりした雰囲気の、でも怪談でも人情物でもないちょっと不思議な「藁人形」。
扇里師匠ならではの落ち着いた語り口にぴったりでした。落語というより講談みたいな、神田松之丞さんの「宗悦殺し」の様な陰気でムーディーな出だし。妖しい悪女の花魁・おくまさんの演技も艶っぽかったです。
今日は立川流多勢の中、「アウェー感がある!」とぼやきながらも堂々の演技でした!

快楽亭ブラック師匠

  • 快楽亭ブラック師匠

(ブラックつながりでブラックパンサー、国王にしてヒーロー。芸歴50年の風格は王そのものです。というか、毒舌王?)。
今日は風流な花火のお噺。と思いきや、花火の見物客で賑わう両国橋の上で、お侍vsたがやさん(桶や樽のたがをなおす職人さん)のバトルの結末はいかに?もう、なんともブラックなオチでした!
なお、花火の褒め方は、空中に上がる~川面に着地するまでを一息で誉めるのが正しいそうです。勉強になりました。今年の隅田川花火大会が楽しみです!

立川寸志さん

  • 立川寸志さん

(普段は天才科学者なのに、変身して暴れだすと止まらない超人ハルク。)
落語家になる前は、神保町の編集マンだったという寸志さん。お堅いイメージの文系サラリーマンから大変身です。毎回、色気が増してパワーアップしてる感じ?♥️
立て板に水のお調子者、飄々とした幇間ぶりが色っぽい。トロ~リ脂が、という下りで猛烈に鰻が食べたくなりました、いやん。
それにしても、このテンポの良さよ!幇間が騙される前と後の明暗&テンションの上がり方と急降下、ジェットコースターみたいで興奮しました。
さすが寸志さん、昭和生まれの令和スター。これからもハルクのように成長して大ーきくなって下さいね!

怪談チックな噺、花火に鰻と夏を感じさせる今宵の会でした!この夏もシブラク、楽しみです!

【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」6/16 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ
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