渋谷らくごプレビュー&レビュー
2019年 7月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
アーカイブ
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年04月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年08月
- 2023年07月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年04月
- 2023年03月
- 2023年02月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年02月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
- 2021年02月
- 2021年01月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年09月
- 2020年08月
- 2020年07月
- 2020年06月
- 2020年05月
- 2020年04月
- 2020年03月
- 2020年02月
- 2020年01月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年09月
- 2019年08月
- 2019年07月
- 2019年06月
- 2019年05月
- 2019年04月
- 2019年03月
- 2019年02月
- 2019年01月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年09月
- 2018年08月
- 2018年07月
- 2018年06月
- 2018年05月
- 2018年04月
- 2018年03月
- 2018年02月
- 2018年01月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年09月
- 2017年08月
- 2017年07月
- 2017年06月
- 2017年05月
- 2017年04月
- 2017年03月
- 2017年02月
- 2017年01月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年09月
- 2016年08月
- 2016年07月
- 2016年06月
- 2016年05月
- 2016年04月
- 2016年03月
- 2016年02月
- 2016年01月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年09月
- 2015年08月
- 2015年07月
- 2015年06月
- 2015年05月
- 2015年04月
プレビュー
売れてきたぞ玉川太福、売れかけてるのか!?玉川太福。浪曲を知っていても、知らなくても、太福さんは知っておいて損はない! 最高のエンターテイナーが、現れます。どうぞお楽しみに!
マイウェイを突き進む二つ目・小はぜさん、怒りと笑いの伝道師 圓太郎師匠、癒しの古典 志ん五師匠と、いろんな感情のツボを刺激してやまない演芸会。いまの自分がどこの感情に弱いのか、わかります。楽しくなるよこの会は!
▽柳家小はぜ やなぎや こはぜ
29歳で入門、芸歴7年目、2016年11月二つ目昇進。サラリーマンだったが、29歳の時に思い立って落語家になった経歴をもつ。歯を出して笑うタイプ。この時期は、格子柄のワイシャツをきて楽屋入りしがち。物事に動じないタイプ。
▽橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
19歳で入門、芸歴38年目、1997年3月真打昇進。怒りん坊なキャラクターで、オヤジの小言マシーンぶりは渋谷らくごでも爆笑を生んでいる。将来PTAの会長になるのではないかと危惧している。普段は優しく、裏表のない気持ち良い人なのです。
▽古今亭志ん五 ここんてい しんご
28歳で入門、芸歴16年目、2017年9月真打昇進。平成30年度国立演芸場「花形演芸大賞」で銀賞。渋谷らくごの公式読み物どがちゃがでは、志ん五師匠の似顔絵コラムが掲載中。似顔絵コラムは、絵を描くよりも、文章を書く時の方が時間がかかるとのこと。
▽玉川太福 たまがわ だいふく
1979年8月2日、新潟県新潟市出身、2007年3月入門。JFN系列にて放送中の「ON THE PLANET」のパーソナリティとして、毎週火曜日25時から出演中。落語芸術協会所属、寄席にも出ている。のど飴、漢方、はちみつ、黒豆茶で喉のコンディションを整えている。
レビュー
2019.7.15(月祝)17-19「渋谷らくご」
柳家小はぜ(やなぎや こはぜ)-富士詣り
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)-小言念仏
古今亭志ん五(ここんてい しんご)-寄合酒
玉川太福/玉川みね子-天保水滸伝 笹川の花会
最近、実写版アラジンを観ました。さすがディズニー、素晴らしい出来栄え。魔法の絨毯に乗って「A whole new world~(歌)」の所では泣きました。視覚と聴覚の両方で満足できるミュージカルは大好きです!
初めて浪曲を観たとき、カッコいい唸りと渋いお三味線のフレーズに感動して「ミュージカルみたい!」と思いました。今日のトリは玉川太福さん。古典も創作もイケてます。映画評論家・山根貞夫氏によると太福さんの創作浪曲・地べたの二人シリーズはアンチ・ロマン派だとか。
他、つるんとしたお姿と白い歯が印象的な小はぜさん、熱い小言マシーン圓太郎師匠、毎月レビュー号に掲載のイラストが楽しい志ん五師匠です!
今日は「最高のエンターテイナーが、現れます。どうぞお楽しみに!」とのこと、ワクワク。
柳家小はぜさん
-
柳家小はぜさん
長屋の仲間が大家さんを先達にして富士登山、でも五合目で急に悪天候に。先達さんは「グループの中に五戒を犯した者がいて山の神様が怒っているぞー、懺悔して許しを乞わないと天狗に連れ去られるぞー」と脅すと、出るわ出るわ皆の悪事!
湯屋で下駄を盗んだり、炭団を失敬したりの偸盗戒(窃盗)など、身に覚えのある者ばかり。中でも衝撃的なのは熊さんの邪淫戒(色事、それも人のおかみさん)。五戒の中でも一番罪が重い、間男なら天狗による八つ裂きの刑だ!高山病で倒れる者も出てきて大騒ぎです。
熊さんが人妻と仲良くなる様子を、上気して語る小はぜさん。ピンク色に染まったお顔と坊主頭がなかなかセクスィーでした。
来月の山の日にはどんなお噺するのでしょうか?小はぜさん、楽しみです。
橘家圓太郎師匠
-
橘家圓太郎師匠
なお、師匠の作品は句会で見事、特選に!半夏生(夏至から11日目、梅雨の終わり頃)に関西ではタコ(たこ焼きとか)を食べる風習を詠んだとか。恵方巻だけではないのですね、季節によって何かを食べる関西の風習。知らなかった!さすが風流で博学な師匠。
という訳で、今日は長寿にちなんで口うるさい元気なお爺さんが登場。念仏を唱えながら家族に次々と小言を繰り出すお爺さん。念仏→小言→念仏→小言のリズミカルな連続は、まるでラップ!リズム感抜群でないと、こんな噺は出来ないですね。
小言マシーン・圓太郎師匠にピッタリ過ぎて大笑いしました!
古今亭志ん五師匠
-
古今亭志ん五師匠
この夏は川越観光がオススメ、特に丸広百貨店にある昭和な屋上遊園地「わんぱくランド」がイチオシのインスタ栄えスポット。ディズニーランドなんかに行ってる場合ではありませんよ!
さて、お噺は、悪知恵の働く者たちが集まって、お金がないから飲み会を安くあげようと酒や肴をあちこちで調達(いやそれ、犯罪でしょ?)。ローコストな持ち寄りパーティーで盛り上がって、隠し芸&クイズ大会に突入。後半は「ん廻し」?
今も昔もコスパの良いパーティーで盛り上がるのは面白いものです!皆で飲んでワイワイする楽しさが伝わって来るような、志ん五師匠の一席でした!
玉川太福さん・玉川みね子師匠
-
玉川太福さん
舞台は、天保の飢饉で苦しむ人々を救済するため、笹川繁蔵親分が開催したチャリティー賭博(なんか良いことをしてるのか、悪いことをしてるのかよく分かりませんが?)。昔のヤクザは情が厚かったのでしょう。なお、侠客とはただのヤクザ者ではなく、弱きを助け強きをくじくヒーローだったとか。
対立を深める親分同士の義理と人情、親分を立てる子分の忠誠などが見せ所のワクワクストーリーです。お芝居でも有名な国定忠治も登場します。花会の結果も知りたかったけれど、浪曲はいつも良いところで「ちょうど時間となりました~」。いつか長い浪曲や講談シリーズを通しで聴いてみたいです!
浪曲映画は見逃しましたが、同じくユーロスペースで上映されていた「カスリコ」という昭和の博徒についての映画は観ました。当時の様子を知る脚本家が土佐(高知県)の賭場とそこで行われていた手本引きという賭博を忠実に再現して話題となった作品です。今日の太福さんの一席を聴いていて、その映画で描かれた渋ーい博徒の世界が思い出されてなりませんでした。
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」7/15 公演 感想まとめ
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
写真の無断転載・無断利用を禁じます。