渋谷らくごプレビュー&レビュー
2022年 4月8日(金)~13日(水)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
先月まで6日間三題噺に挑戦した吉笑さんは、今回は真打に挟まれて存在感を発揮できるかの挑戦です!
本公演は、芸歴12年から52年という幅の「柳家」系統の演者さんたちが集まる会です。落語を信じて愛してやまない人たちによる、楽しく怪しい2時間。トリは芸歴52年、快楽亭ブラック師匠の本寸法の古典落語です。ほかでは聴けません。絶対に聴いておいたほうがいいです。
▽柳亭市童 りゅうてい いちどう 落語協会
18歳で入門、芸歴12年目、2015年5月二つ目昇進。インスタグラムにラーメンの写真を積極的にアップする。札幌のホテルに宿泊し、朝からイクラ丼をもりもり食べてしまう。先日、ミュージカル「メリー・ポピンズ」をみてミュージカルの良さを再発見した。
▽入船亭扇里 いりふねてい せんり 落語協会
19歳で入門、芸歴26年目、2010年真打昇進。食べられない時期は競馬で稼いでいた。熱狂的なベイスターズファン。今年もベイスターズ観戦ツイートをしている。エイプリルフールになると、意識しすぎてなぜか嘘がつけなくなってしまう。
▽立川吉笑 たてかわ きっしょう 落語立川流
26歳で入門、現在芸歴12年目、2012年4月二つ目昇進。「渋谷らくご大賞2021」&「創作大賞 2021」初のW受賞者。もともとは酒豪だったが、酒断ちをしていまは炭酸水で過ごす。連日の三題噺公演を終えたあと、湯豆腐の美味しさに気づく。
▽快楽亭ブラック かいらくてい ぶらっく フリー
16歳で立川談志に入門、芸歴52年目。90年、国立演芸場花形演芸会金賞、2000年、「快楽亭ブラック毒演会」が文化庁の芸術祭賞優秀賞を受賞する。2005年、落語立川流を自主退会。歌舞伎から日本映画まで深い知識がある。
レビュー
柳亭市童(りゅうてい いちどう)-花見の仇討
入船亭扇里(いりふねてい せんり)-崇徳院
立川吉笑(たてかわ きっしょう)-落語家
快楽亭ブラック(かいらくてい ぶらっく)-お若伊之助 愛の迷宮(ラビリンス)
今日はブラック師匠がトリの「怪しく楽しい会」。プレビューによると「芸歴12〜52年の噺家さん達」の対決らしいです(凄い、親子ぐらいの差が!)
とにかく必見のブラック師匠の他、期待の二つ目・市童さん、若手真打ち・扇里師匠、そして先月の三題噺チャレンジの興奮冷めやらぬうちに、又吉笑さんを観ることが出来る!もうサイコー過ぎます!
柳亭市童さん「花見の仇討ち」
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柳亭市童さん
長屋の四人組が、花見客の前で派手な仇討ちごっこを繰り広げる趣向を仕掛けようとします。が、イベントにアクシデントがつきもの。筋書き通りにはいかず、最後には本物の武士が助太刀に駆け付け、一同真っ青に!
童顔の市童さんが演じると、長屋連中の少年ぽいヤンチャなイメージが増して、クスッとしてしまいます。私は最近上野公園に行ったばかりなので、より情景が鮮明に思い浮かびました。季節のお噺を聴くのは良いものですよね〜。
入船亭扇里師匠「崇徳院」
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入船亭扇里師匠
さて、今日は「瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ」という崇徳院の歌がキーとなる、ロマンチックな恋のお噺。
お茶屋で出会ったお嬢様に会いたくて、恋煩いで死にそうな若旦那(江戸時代の男女は情熱的だったのですね)。気の毒に思った熊さんは、その恋の相手を探そう!と奔走しますが、ヒントは短冊に書かれた崇徳院の歌だけ。湯屋や床屋など人が集まる所で大声で歌を吟じて手がかりを掴もうとしますが、難航。ネットも電話もない時代の人探しは大変そうです。
お互いの手がかりを掴めたところでお噺は終わりますが、二人は結ばれたのでしょうか?ハッピーエンドだと良いな!
立川吉笑さん「落語家」
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立川吉笑さん
さて、今日も、あまりのユニークさに唖然としてしまうようなお噺!
近未来、落語家は皆ロボットになり、「口」担当、「首」担当など分業で操られるマシーンになったとさ(ここまでで、もう爆笑)。そして、何人かの操縦士にコントロールされる吉笑ロボットが登場!慣れない新米操縦士が「手」の担当なので、羽織の紐も解けないし、お蕎麦も上手く食べられない!見かねた先輩が「手」と「首」や「脚」を交代したことによって、最後は動き全体がメチャクチャになってしまいます!
吉笑さんが本当に壊れたロボットに見えて来て、お腹がよじれるほど笑ってしまいました(周りを見ると、会場中の人々も皆悶絶していました)。 凄い、何でこんなお噺を思いつくの!?吉笑さんの頭の中を覗いてみたいです!
快楽亭ブラック師匠「お若伊之助 愛の迷宮(ラビリンス)」
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快楽亭ブラック師匠
お稽古事のイケメン師匠・伊之助さんと恋に落ちた18歳のお若さん。親に反対され、親戚宅に引き離されてしまいます。なんだか可哀想。。
恋しさのあまり鬱になってしまうお若さん。そこになんと伊之助さんが訪ねて来ますが、彼は無表情で何か違和感が。。一体誰なのでしょうか?(幽霊ではありませんでした)。ちなみに、このお噺所縁の塚が、日比谷線入谷駅の近くにあるそうですよ。
あっと言うようなミステリー噺はブラック師匠の創作か?と思ってしましたが、古典なのですね(「愛の迷宮(ラビリンス)」なんて副題が付いてるし。。)。滅多に聴くことが出来ない、とっても珍しいお噺でした!
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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