渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2023年 1月13日(金)~17日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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1月16日(月)20:00~22:00 柳家小八 春風亭百栄 入船亭扇辰 玉川太福

「渋谷らくご」寄席の技師 集結×月刊太福マガジン

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プレビュー

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 一年365日稼働している東京の「寄席」のなかにあって常に第一線で活躍する師匠方、小八師匠、百栄師匠、扇辰師匠。
 どんな季節でも、どんなお客さんでも、その日集まった人たちをもてなす技を熟知している師匠方の落語をたっぷり味わえる公演です。
 トリは今年から、その月にあった身辺雑記を即興浪曲に仕上げる玉川太福さんの「月刊 太福マガジン」が再スタート!
 大人気公演の復活です。

▽柳家小八 やなぎや こはち 落語協会
25歳で柳家喜多八に入門、芸歴20年目、2017年3月真打昇進。ゆっくり考え事をしながらタバコを吸う、最近はアイコスを吸っているが、誰かに喫煙しているところを見られるととっさにアイコスを隠しがち。雑誌「Begin」が運営している「BeginTube」にて最新アイテムを紹介している。

▽春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ 落語協会
年を取らない妖精のような存在。さくらももこ先生とおなじ静岡県清水市(現・静岡市)出身、2008年9月真打昇進。
落語協会の野球チームでは、名ピッチャー。アメリカで寿司職人のバイトをしていた。日常生活の様子はわからないが、猫好き。

▽入船亭扇辰 いりふねてい せんたつ 落語協会
25歳で入船亭扇橋師匠に入門、現在入門34年目、2002年3月真打昇進。iPadを使いこなし、気になったものはすべて写真におさめている。年末年始はたくさん読書をして過ごす。「ドイツ産ジョーク集888」などを読む。iPadの読書アプリも活用した。


▽玉川太福 たまがわ だいふく 日本浪曲協会/落語芸術協会
1979年8月2日、2007年3月入門。サウナが大好きで、日本中に行きたいサウナがある。銭湯に行ってストレスを発散する。娘さんのスマホでの写真の撮り方がみるみる上達していて、驚いている。最近は娘さんがYoutuberごっこをしている様子を微笑ましく見ている。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@toyono2010 (ともちん。シンガポール育ち、帰国子女。映画、海外ドラマ、落語、読書が大好き!映画などの感想レビューもツイートしてます。)

柳家小八-二番煎じ
春風亭百栄-つっこみ根問/道具や
入船亭扇辰-蕎麦の隠居
玉川太福/玉川鈴-名寄に行ってきました物語

あけましておめでとうございます!
お正月は、観たかった映画・海外ドラマ・演芸のDVDなどをイッキ観して過ごしました。映画やドラマは、旧作でも面白い作品が沢山あるのに、新作もドンドン出て来る!演芸は、昭和の名人も素晴らしいけど、新しい才能も次々と登場。
観たい映画やドラマ、演芸、読みたい本etc、一体生きているうちにどれぐらいコンプリートできるのだろう?と思うと怖くなります。。ああ、永遠に生きていたい、永遠に観ていたい!
今日は、個性と才能あふれる師匠方の登場、そして待望の「月刊 太福マガジン」復活祭!メチャクチャ面白そう、もうず〜っと観ていられそう。。

柳家小八師匠「二番煎じ」

落語の良いところは、季節を感じることが出来ること。
今宵、小八師匠が語るお噺は、冬の風物詩「火の用事〜」。町内を見回る当番と、彼らを見張る町役人が登場します。お酒は厳禁なのに寒さに負けてついつい呑んでしまう町人達と、それに便乗する役人。ずるい!さて、町人達の運命はいかに。。
寒い夜回りから帰って来て、暖かい番小屋で仲間がワイワイするところがホッコリして大好きです。そして、小八師匠の熱燗を飲む演技が最高!喉から胃へと熱いお酒が通って行くのが感じられ、体中が暖かくなりました。ハフハフと食べるお鍋も美味しそう!江戸時代の猪鍋の味ってどんなのだろう?と想像しながら楽しみました(「お味噌とネギを」という台詞があるので、味噌味のようですが。。)

春風亭百栄師匠「つっこみ根問/道具や」

お正月は特に何もしなかったけど、年末は文蔵師匠のためにお寿司を握ったという百栄師匠。そう、師匠は元寿司職人@ロサンゼルス。時々、落語仲間達のためにお寿司を握るとのこと。仲良しが多い一方、最近は蝶花楼桃花師匠と落語界の「ももちゃん」争いをしているとか。。
今日は二本立て。一本目は、何気ない会話で構成されるフツーの顛末が逆に面白い「つっこみ根問」。浮世根問と同じく、ふわふわとしたやり取りが続くと思ったら突然怒り出したり、ご隠居さんと八つぁんの微妙な世間話にクスクスしてしまいます。
二本目の「道具や」も、小噺風の軽いお噺。次々とやって来る変な?お客とのやり取りが続きますが、その流れがとても可笑しかったです。何気ない展開が妙に笑えるのは、やっぱり百栄師匠の表情が豊かなせい?CG級の顔の激変が、もう神秘的でした。

入船亭扇辰師匠「蕎麦の隠居」

百栄師匠より年下という扇辰師匠(でも、落語入門では先輩)。
昨年は、ご夫婦でコロナに感染してしまったとのこと(軽症で良かったです)。コロナ禍でずっと寄席は閑散としていたので、今日は沢山のお客さんに会えて嬉しい、と笑顔。素敵です。
今日のお噺は「蕎麦の隠居」。お蕎麦屋さんに来ては同じ話を繰り返し、何かしらケチをつけて帰る、謎のご隠居さん。もしやクレーマー?毎日通って来る度に倍々に注文量が増えていき、ついに64杯を完食!この人は一体何者?さて、最後には何杯食べられたでしょうか。
「つるつる〜、つるつる〜」っと、扇辰師匠のお蕎麦を食べる演技が凄く美味しそう。観ているだけで、お腹が鳴ります。店主を心配する健気な小僧さんも可愛い!扇辰師匠の子供の演技も大好きです!

玉川太福先生「名寄に行ってきました物語」

今日のテーマは「即興」。先ずは、広辞苑でランダムに指した言葉をうなる、「何でも浪曲に出来るよ」というデモンストレーションを披露。お見事!
そして、本編は、北海道の名寄に行ったという旅行記。先一昨日だそうですが、一月の北海道は寒そう〜。ちなみに、名寄の名物は餅米とパウダースノウだそうです。
当地では、お餅つき大会で餅米をテーマにした浪曲披露と、動画撮影で名寄の魅力を発信する役を務めたそう。そのご当地体験とは、なんとテントサウナと雪ダイブ!もう大爆笑の道中記でした。スキー場でバナナボートに乗る場面、水着で雪の中に横たわる場面が目に浮かぶよう。「ととのい過ぎ」に要注意ですね。
どんな物語も節をつけて、劇的にうなることが出来るのですね!浪曲の持つ表現力や可能性って凄い、と思いました。

写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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