渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2023年 6月9日(金)~13日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

イラスト

6月9日(金)18:00~19:00 

「ふたりらくご」魂の叫び ★配信あり

ツイート

今月の見どころを表示

プレビュー

劇場での観覧をご希望の方は前売券をお求めください。
劇場観覧前売券 ご購入はこちらから 

当日券は窓口でお求めください。開演1時間前より販売を開始いたします。
(窓口でご購入いただいた回数券は当日券としてお使いいただけます。)

★本公演はオンライン配信視聴を行います。
オンライン配信チケット ご購入はこちらから

 渋谷らくごは「初心者でも楽しめる」ことをモットーとしています。
今月の渋谷らくごのスタートを飾るこの「ふたりらくご」は、落語初心者も落語ファンも衝撃を受けること間違いなし、「落語」のイメージを覆すふたりです。絶対楽しいよ☆
 一見すると共通点の無いこのふたり。実は、誰しもの心の奥底にひそむ、怒り、喜び、哀しみ…、そんな魂の叫びを高座の上で表現できる、しかもふざけているという共通点。
落語を「浴びに」にきてください。サウナみたいなもんです。配信でもご覧いただける公演です。

▽春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう 落語芸術協会
1984年11月26日、千葉県松戸市出身。2007年に入門、2021年5月真打昇進。「2016年渋谷らくご大賞」受賞、「2020年渋谷らくご創作大賞」受賞。郊外に移住しているので、自然に囲まれて過ごしている。ネタが思いつかないときは、畑で出て野菜を育てる。

▽三遊亭青森 さんゆうてい あおもり 落語協会
23歳で入門、現在入門9年目、2019年2月二つ目昇進。「2022年渋谷らくご優秀賞 たのしみな二つ目賞」受賞。早速に「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」を購入した。Netflixの「あいの里」をみたいが時間がない。渋谷らくごポッドキャストで人気爆発中。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@sowaka2020 (とともちん。シンガポール育ち、帰国子女。映画、海外ドラマ、落語、読書が大好き!映画などの感想レビューもツイートしてます。)

春風亭昇々-千両みかん
三遊亭青森-もう半分

今日は「衝撃を受けること間違いなし」の会。
昇々師匠と青森さん、むむ、なんか危険な香り!ワクワクしますね(怖いもの見たさで?)。最初は驚きますが、面白い!時代が彼らに追いついてくるでしょうか?

春風亭昇々師匠「千両みかん」

千葉テレビの朝番組などで、大活躍の昇々師匠。
最近、落語会で披露した新作「スタバ」を聴いたお客さんに、実際スタバで「こーしー牛乳、一丁!」と言ってみてください!というリクエストを受け、実行。「こーしー牛乳」と書かれたカフェミストが出てきた、とのこと。これはTwitterに写真が上がってましたので、確認済。イタズラでお茶目ですね。
さて、田舎暮らしの昇々師匠。畑仕事にも慣れ、作物や花などに季節感を感じているとのこと。というわけで、今日は古典落語で「果物」のお噺です。
「あるもの」恋しさに寝込んでしまう若旦那。恋の病かと思いきや、思い焦がれる相手は「みかん」だった!早く美味しいみかんを食べさせないと若旦那は死んでしまいます。が、季節は真夏。さて、番頭さんのみかん探しミッションは成功するでしょうか?
みかんー!みかんー!と探し歩く狂気の叫び、番頭さんの大パニックぶりがおかしかったです。昇々師匠は、こういうイカれた演技が面白くて本当に上手!(演技じゃないかモー)。
古典落語も新作のような雰囲気に、アヴァンギャルドにしてしまう師匠のアレンジ力に驚きました!

三遊亭青森さん「もう半分」

青森さんの最近の悩み、それはお噺を沢山覚え過ぎて、ネタおろしが追いつかないこと。「噺が覚えられない」という悩みではありませんから、とっても優秀。
というわけで、今日は初めて演じるお噺、しかも怪談!これは予想していませんでした、怖そうー!
ある居酒屋夫婦は、客の老人から大金を奪い殺してしまいます。その後、老人は驚きの方法で化けて出てきますが、それは一体?!
因果応報というか、「悪い行いは巡る」という真景累ケ淵のようなストーリー。歌舞伎のようにドラマチックで凄惨な殺しのシーンには、震撼としてしまいました。上目遣いでニヤ〜ッと笑う表情も不気味。
青森さんといえば「ユウジとトミ子は今夜も夢中」で、その独創性に衝撃を受けてしまいました。が、今日はハジけた演技や雄叫び封印。お腹の底から絞り出すような凄みのある声で静かに演じる怪談は、迫力ありました。青森さんと怪談噺、似合ってるかも。もっと他の怖いお噺も聴きたくなりました!