ユーロライブ

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2024年の主催・協力公演

2024年7月28日(日)~7月29日(月)

玉川奈々福プロデュース 『浪曲で生きる!映画祭』

玉川奈々福

玉川奈々福

「浪曲師物語〜木馬亭の浪曲師たち」

「浪曲師物語〜木馬亭の浪曲師たち」

登場浪曲師・曲師総勢30人以上!

明治末期から昭和30年代まで全盛を極めた浪曲。一時期は全国に3000人もいた人気芸能でしたが、高度成長期以来人気 は凋落、いまや浪曲師が100人未満になってしまった絶滅危惧芸能です。そんな芸能の、現代から取り残されたがゆえに残る ディープな魅力に、3人の映像作家が、別々のきっかけから魅せられ追いかけ、多大な労力と時間をかけて、舞台と、舞台裏を記 録しました。その作品、なんと!10本以上!公開の予定もなく全部自腹で。記録されたものは、浪曲全盛期に活躍し、今から少し前に死んでしまった「浪曲で生きてきた」者たちと、その化け物みたいな芸にあおられうっかり入門してしまった「浪曲で生きんとする」者たちの、日常と舞台。主たる場は、日本に唯一残った浪曲定席、浅草の「木馬亭」。現代ではないような、深い情が、うっとう しいほどに漂う楽屋と、スゴ声、スゴ節、スゴ存在感あふれる舞台。記録してくれた監督たちへ心底からの感謝を込めて、小 屋代、チラシ製作宣伝費、ぜんぶ浪曲師•玉川奈々福が自腹を切って開催する、まったく個人主催の、無謀な映画祭です。

【玉川奈々福(たまがわ・ななふく)プロフィール】
筑摩書房の編集者として働いていたが、「一生続けられる和の稽古事がしたい」という気持ちから、1994年、日本浪曲協会 主催の三味線教室に参加。それが契機で1995年二代目玉川福太郎に曲師として入門。2001年より浪曲師としても活動。2006年奈々福で名披露目。いつしか会社は退社し、浪曲が生業となり、さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、自作の新作や長編浪曲も手掛け、他ジャンルとの交流も多岐にわたる。平成30年度文化庁文化交流使として、中欧、アジア七か国で公演。第11回伊丹十三賞受賞。著書に『浪花節で生きてみる!』、編著書に『語り芸パースペクティブ』他。
7月28日(日)
11:00 「浪曲師物語〜木馬亭の浪曲師たち」+伊勢哲監督トーク(聞き手:玉川奈々福)
13:35 「噂の玉川奈々福 キネマ更紗」「港家小柳IN-TUNE」+田島空監督トーク(聞き手:玉川奈々福)
16:20 「国本武春の丹波浪曲道中記」
18:40 「浪曲師になってしまった」+若手浪曲師トーク(天中軒すみれ 東家三可子 東家千春 三門綾 沢村まみ
7月29日(月)
12:00 「浪曲師葵わか葉リターンズ」
14:00 「浪曲師物語〜木馬亭の浪曲師たち」+対談:杉江松恋×玉川奈々福
16:40 「噂の玉川奈々福 キネマ更紗」「港家小柳IN-TUNE」
18:50 「絶唱浪曲ストーリー」+対談:都築響一×玉川奈々福

「浪曲師物語〜木馬亭の浪曲師たち」

ー浪曲全盛期を知るおじいちゃんたちの木馬亭 撮影/編集/監督:伊勢哲 2021年 93分
出演者/木村若友,四代目東家三楽,葵わか葉,沢村豊子,富士琴路,国本武春,玉川奈々福,玉川太福他。全盛期に全国的人気の浪曲師や旅回りの浪曲一座で地方の人気者だった浪曲師が、80〜90代後半を過ぎても舞台で唸る姿と証言、楽屋裏のエピソードで綴った記録映画。
  • 「噂の玉川奈々福 キネマ更紗」
    ー奈々ちゃん、死ぬまでのお付き合いだよ! 撮影/編集/監督:田島空 2018年 60分
    出演者/玉川奈々福沢村豊子沢村美舟(現:広沢美舟)東家孝太郎他
    絶滅危惧の浪曲界で気を吐く人気浪曲師玉川奈々福を支えるのは、親子ほど年の違う三味線名人、曲師・沢村豊子。一時 期は一緒に暮らしてしまったほどの、愛情あふれすぎる日々と、浪曲に新しい風を吹き込み続ける奈々福の怒涛の約3年を追う。(ナレーション:玉川太福)
  • 「港家小柳IN-TUNE」
    ー伝説の浪曲師と名曲師、圧巻の一席! 撮影/編集/監督:川上アチカ 2015年 33分
    出演/港家小柳,沢村豊子,玉川奈々福他。旅芸人の浪曲師として40年もの間活動していたため、ほとんどその記録が残されていなかった港家小柳の、芸歴69年で初めて行った独演会の楽屋裏から舞台上の熱演までを追う。名人曲師•沢村豊子との圧巻の掛け合いが観客を圧倒する。
  • 「国本武春の丹波浪曲道中記」
    ——天才•国本武春、旅先で浪曲論を語る 撮影/編集/監督:伊勢哲 2022年 110分
    出演/国本武春,沢村豊子,春野恵子,丹波の人々,ナレーション:玉川奈々福。
    2015年に急逝した浪曲界の風雲児国本武春。その2008年の地方公演に密着した口—ドムービー。1泊2日の旅公演で 出会う丹波の人々との心癒される交流と、浪曲を生業とする武春の浪曲愛が炸裂する。
  • 「浪曲師になってしまった」
    ー大人気浪曲師の、弟子入り直後の貴重映像 撮影/編集/監督:伊勢哲 2020年 100分。出演/玉川太福,大利根勝子,斎藤高次,玉川桃太郎,玉川祐子,国本武春,玉川みね子,玉川奈々福,本村若友,五月一朗,富士琴路,根岸京子他
    入門直後に師匠を亡くした玉川太福。古参浪曲師たちと向き合いながら、閑古鳥泣く客席に向かい唸りを上げ修行する。一方、5歳で失明、11歳で旅回りの浪曲一座に加わって生きて来た波瀾万丈の大利根勝子。このふたりが融合する。
  • 「浪曲師葵わか葉リターンズ」
    ー浪曲全盛期を生きた女流の在り方 撮影/編集/監督:伊勢哲 2022年 91分
    出演/葵わか葉沢村豊子真山隼人国本はる乃他。ナレ-ション:玉川大福
    今年4月、闘病生活の末、亡くなった芸豪•葵わか葉。類い稀な高音美声と所作で浪曲ファンを魅了。熟練した芸を聴かせる口演2篇とインタビュー、写真で昭和30年代から平成を駆け抜けた葵わか葉の浪曲人生を辿るシネマ浪曲。
  • 「絶唱浪曲ストーリー」
    ー泣くんじゃないよ 撮影/編集/監督:川上アチカ 2023年 111分
    出演/港家小そめ,港家小柳,玉川祐子,沢村豊子,港家小ゆき,猫のあんちゃん,玉川奈々福,玉川大福ほか。
    伝説の芸豪・港家小柳に惚れ込み弟子入りした港家小そめが、浪曲定席本馬亭で、晴れて名披露目の日を迎えるまで。その 裏では、さまざまな人生が交錯し、ベテランから若手へと芸が継承されていく。
  • 【監督プロフィール】
    〇伊勢哲 (いせ•てつ)
    80年から映像製作会社で制作修行。MTVや歴史•民俗などの映像作品を演出。96年に企業や商品サービスのPV制作 会社を設立。秦氏の子孫、雅楽師•東儀秀樹と出会いライブ映像やドキュメント「平安」など制作。木馬亭では吉村平吉の「浅草吹き寄せの会」の制作に81年から助つ人参加、浪曲師国本武春と遭遇。07年に修行中の浪曲師•玉川太福と出会い、浪曲定席の迷宮に迷い込み、席亭を拝み倒し撮影させて貰うことに……以来17年間浪曲を撮り続けている。
    〇 田島空(たじま•くう)
    舞台演出家を目指し、1980年代、劇団四季演出部、文学座演劇研究所を経て演劇活動を展開。その後、広告業界に転身。博覧会や大型イベント、企業映像の脚本・演出を数多く手掛ける。また宝塚、東宝など商業演劇でプロジェクションマッ ピングの先駆けとなる舞台映像を制作。東日本大震災を機にドキュメン列ーに傾倒、浪曲に魅せられ、2018年「噂の玉川 奈々福キネマ更紗」(映文連アワード審査員特別賞受賞)を発表。
    〇川上アチカ (かわかみ•あちか)
    初監督作、日系アメリカ人の強制収容経験を題材にした『Pilgrimage』で「キリンアートアワード2001」準優秀賞(※川上 紀子名義)。以来、フリーの映像作家としてドキュメン列ー、音楽家とのコラボレーション等、幅広く制作。一方、プロデューサー としての活動も行い、日台合作映画ワン・イエミン監督『闘茶』(08)、アソシエイトプロデューサーとして篠原哲雄監督『クリアネ ス』(08)に参加。また、2017年と2018年にはフランス人映画監督ヴィンセント・ムーンの日本ツアーをプロデュースしている。

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