渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2016年 8月12日(金)~16日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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8月12日(金)20:00~22:00 柳亭市童、柳亭小痴楽、入船亭扇里、隅田川馬石

「渋谷らくご」平均年齢34.5歳!古典落語の表情

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プレビュー

◎ニコニコ公式生放送「WOWOWぷらすと」中継

「渋谷らくご」出演陣のなかでも、一番若い市童さんと二番目に若い小痴楽さん。
若き才能の輝きを経て、じっくり聴かせる扇里師匠、時間を忘れさせてくれる馬石師匠と、夢の世界へと誘う両師匠の登場です。
この四人は古典落語の名手。さまざまな古典の形を堪能してください。


▽柳亭市童 りゅうてい いちどう
18歳で入門、芸歴6年目、2015年5月二つ目昇進。
「痩せたいなぁ」というのが最近の口癖だが、にっこり笑う市童さんにつられてニコニコしてしまう。渋谷らくご出演メンバー最年少。

▽柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
16歳で入門、芸歴11年目、2009年11月二つ目昇進。落語芸術協会の二つ目からなる人気ユニット「成金」メンバー。
Macのノートブックを買うも上手く使いこなせず。打ち上げではお酒を飲んですぐ寝るらしい。

▽入船亭扇里 いりふねてい せんり
19歳で入門、芸歴21年目、2010年真打ち昇進。
趣味は競馬と野球観戦。横浜DeNAベイスターズの熱狂的なファン。絵本作家。最近巨大なジェットコースターに乗った。

▽隅田川馬石 すみだがわ ばせき
24歳で入門、芸歴23年目、2007年3月真打昇進。
趣味はマラソン。毎日5キロ走っている。以前、落語協会の野球チームのエースだった。兵庫県西脇市出身。駅伝のさかんな土地。

レビュー

文:本村槙一郎 Twitter:@kokakokakolakok 役者 趣味:深夜ラジオ、ロックンロール

8月12日(金)19:00ー21:00
柳亭市童(りゅうてい いちどう)-「ろくろ首」
柳亭小痴楽(りゅうてい いちどう)-「宮戸川」
入船亭扇里(いりふねてい せんり)-「ぞろぞろ」
隅田川馬石(すみだがわ ばせき)-「船徳」

私たちの望むものは

好きな人に微笑んでもらいたい。給料をたくさんもらいたい。二度寝したい。お寿司をたらふく食べたい。セックスしたい。
望みは叶っても叶ってもまた手を伸ばしたくなるものです。僕は望むことが生きることだと思います。昔も今も人の心は変わらないです。それぞれの業を肯定する落語。そんな落語に全てを捧げる落語家さんたちの生き様を今日ものぞいてきました。
さあ!シブラクGO!!(・Д・)ノ

市童さん

  • 柳亭市童さん

    柳亭市童さん

忠実な昔ながらのザ・ラクゴのように感じました。他のシブラクの落語家さんと比べるとすごくしっかりしているなあと。僕はシブラク以外の落語会はあまりしらないのでたぶんこれが本来の落語なんだろうとしっかりした市童さんを見て察しました。調べてみるとこの方はまだ25歳だそうでシブラク最年少の落語家だったそうです。今回の噺は「ろくろ首」バカな松公(たぶん童貞ニート)が結婚相手にろくろ首を紹介される話しなんですが松公のキャラがなぜなんでしょう、なぜか、なぜだか市童さんにぴったりハマっていてとっっても臨場感のある30分でした。遊び人の落語家が演じる「ろくろ首」も聞いて違いを楽しみたいです

小痴楽さん

  • 柳亭小痴楽さん

    柳亭小痴楽さん

僕の中ではロックンローラーな小痴楽さん。WOWOWのカメラが入った今日もいつものような危険な発言は飛び出るのか期待していました。ささーと入ってきて、「今日はTVが入ってるから発言に気をつけなきゃいけない」と一言。あーそうか、さすがにテレビが入ると言えないこともあるのか残念だなと思ったんです。ただ小痴楽さん、この5分後にはお客さんの9割をドン引きさせます。家族のエピソードがエグい!エグすぎる!!園子温監督の映画のようなバイオレンスや狂気を感じます。あるあるネタくらいの感じでさらっと言うからもうほんとやばいです。好きです。そして本編、急に若さを消すんですよ。テンポも良く江戸時代の人たちははこういう喋り方してるんだろうとな感じさせます。

扇里師匠

  • 入船亭扇里師匠

    入船亭扇里師匠

小痴楽さんとは打って変わってかなり落ち着いた印象の扇里師匠。聞いたことある人はわかると思いますが、ほとんど大きな声を出さないんです。淡々とおかしな事を言います。今日はクセが強すぎました。
特に、「三角のハッカのお菓子が古すぎて角が取れて丸くなった」
「ハッカの親はたいそう喜んでいます」という件
さらっと通りましたが皆さん意味わかりますか?僕はわかりません。が意味わからなすぎて爆笑しました。ハッカの親ってなんですか?ナンセンス絵本の長新太さんの世界観のようでした。扇里師匠は絵本作家の一面もあるそうなのでメルヘンと思えば良いのでしょうか。僕が知る限り落語家でこの色を出せるのは扇里師匠だけです。

馬石師匠

  • 隅田川馬石師匠

    隅田川馬石師匠

とんでもないものを見てしましました。先月の馬石師匠をみたときスター性がずるいと書いたんです。が今回は、ばけもん馬石でした。落語モンスターです!正直、寄席でこんなに、笑ったのは初めてです。
たとえるなら「ゴジラ」のようです、、、ちょっとよくわかんないですね。あははははははははははははははは〜σ(^_^;)は〜あ、、、

実はレビューを書くためにメモを取りながらいつも見ているのですが、馬石師匠の芸にメモ忘れていました。なのでレビューはできません。でも、笑いすぎて頬がつりました。(ガチです)会場のみんなで笑って満足して余韻に浸りながら帰りの山手線でたまたまこの曲を聴いたら不思議と涙が出ました。虚無感といいますか、言葉ではうまく言い表せませんが。

私たちの望むものは、生きる苦しみではなく私たちの望むものは生きる喜びなのだ。私たちの望むものは社会のための私ではなく私たちの望むものは私たちのための社会なのだ。
「私たちの望むものは/岡林信康」より

【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」8/12 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ