渋谷らくごプレビュー&レビュー
2017年 9月8日(金)~12日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
◎ニコニコ公式生放送「WOWOWぷらすと」中継あり(http://www.wowow.co.jp/plast/)
立川左談次落語家生活五十周年特別記念興行、その記念すべき初日は、左談次師匠の同期である春風亭一朝師匠。つまり、「もうそろそろ50年」の50年目の師匠です。
かたや立川談志、かたや春風亭柳朝という「落語四天王」と言われた威勢のいい師匠に入門し、ともに前座生活からはじめたお二人。
トップにはこの9月21日から、古今亭志ん五を襲名する志ん八さん。そして落語芸術協会の真打で、この二人の空気を壊さず、けれど確実に印象を残してくれる小助六師匠も登場します。
いろんな昔ばなしが飛び出すかもしれません。
▽古今亭志ん八 ここんてい しんぱち
28歳で入門、芸歴14年目、2006年11月二つ目昇進。渋谷らくごの公式読み物どがちゃがでは、志ん八さん似顔絵コラムが掲載中。9月に真打ち昇進決定。入門した師匠である「志ん五」の名跡を襲名する。ただいま真打昇進の前売りチケットを発売中。前売りチケットを志ん八さんご本人から購入すると、可愛いステッカーがついてくる。
▽雷門小助六 かみなりもん こすけろく
17歳で入門、芸歴18年目、2013年5月真打ち昇進。楽屋入りは必ずスーツで、早めに楽屋入り。お酒が強い。4匹の猫を飼っていて、そして猫アレルギー。インスタグラムでは、猫と戯れる小助六師匠の私生活を垣間見ることができる。
▽立川左談次 たてかわ さだんじ
17 歳で入門、芸歴50年目、1982年12月真打ち昇進。読書好き。
談志師匠とおなじ病気にかかり、病院に出たり入ったり。その様子がツイッターにアップされており、痛々しいというよりは、ほほえましい。今月の渋谷らくごは左談次祭り。公演期間中毎日左談次師匠が登場します。会場では、左談次師匠のグッズが発売中。
▽春風亭一朝 しゅんぷうてい いっちょう
18歳で入門、芸歴50年目、1982年12月真打ち昇進。左談次師匠と、同じ時期に楽屋修行をして、同じ時期に二つ目昇進、同じ時期に真打ち昇進をする。大河ドラマや時代劇の江戸言葉の指導をするほどの、江戸っ子口調。笛の名手であり、歌舞伎座でも演奏した経験をもつ。
レビュー
9月8日20時〜22時 「渋谷らくご」
古今亭志ん八(ここんてい しんぱち)-ん廻し
雷門小助六(かみなりもん こすけろく)-七度狐
立川左談次(たてかわ さだんじ)-反対俥
春風亭一朝(しゅんぷうてい いっちょう)-宿屋の富
「左談次師匠に恋しよう」
朝ドラ「ひよっこ」にハマってます。「ひよっこ」のおかげで毎日余裕を持って出勤できるし、土曜も早起きできるのです。ひよっこの舞台は昭和30年代の赤坂。人との距離の近さや、けっこうな波乱が起こっているのにサザエさん並みの日常感で描かれているあたりが落語の世界に似てるなぁと思います。
今月は左談次師匠噺家50周年特別企画。5日間連続出演の初日です。ワクワクが止まりません。
「ん廻し」古今亭志ん八さん
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古今亭志ん八さん
ひよっこの特徴は、登場人物みんなに背景がついていて誰が主役でもドラマが成立するところです。誰かしら共感できる人はいるし、単なる脇役だと思ってた人にどんどん感情移入してしまいます。キャラ層の濃さは落語の世界も負けてません。「ん廻し」の登場人物は落語町民若手オールスター。全員主役級なので、主人公は進行に徹しないと噺がまとまりません。落語の世界って妙に頭がキレるキャラがいます。タダで肴や酒を集めて飲もうと言えば犯罪スレスレ…いや、ギリアウトな方法で持ってきたり、言葉の中に入れた“ん”の字の数で田楽争奪ゲームをしようと言えばなんとも思考に満ちた回答をしてみたり。そんな中にちゃんと馬鹿丸出しのキャラもいる。もう一度聴くなら、キャラの誰かになりきって噺の中に入ったつもりで聴いてみたいです。
志ん八さんを観るのはこれが最後になりそうです。もうすぐ真打ち昇進と志ん五襲名です。記憶力が無いので日本の改名文化は覚えるのキツいので、いくら好きでも暫く混乱しますが、このおめでたい混乱をいつまでも味わいたいです。志ん五師匠の落語聴くのを楽しみにしてます。
雷門小助六師匠「七度狐」
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雷門小助六師匠
執念深いキツネに化かされた旅人二人。キツネに化かされるって相当な一大事なんですが、ごくありふれた日常の一コマのようです。かなりなホラーな場面なんて聴いてるほうだって今晩怖くて風呂に入れないくらいの緊急事態なのに、化かされてる旅人を見た村人がやたら呑気で、まぁこんなこともあるよね…と思ってしまいます。いやいや、無いから。あったら村人も焦って慌てて然るべしだから。こんなナチュラルに日常として受け入れてしまうのは、小助六師匠のせいでもあります。なんかスッと入ってくるんですよね。多分小助六師匠に怪しい壺とか売られたら大根買うような感覚でカジュアルに買ってしまいそうです。
立川左談次師匠「反対俥」
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立川左談次師匠
出てくるだけで華がある。それが左談次師匠です。なんだか高座の照明がいつもより明るいんじゃないかという感覚です。噺家50年やってれば奥にキラリと光るものがあるはずなのに、自分にはないとの自虐ネタ。師匠の自虐ネタ大好きです。でも、奥にキラリと光るものが無いのではなく、師匠がもうキラキラ輝いてるんですよ。トキメキって度が過ぎると人の語彙力を奪うんですが、とにかく言いたい。もうこのおめでたい興行だから許して下さい。もうね、ただただかっこいいの‼︎あースッキリした。
先々月のレビューでも左談次師匠の反対俥を書かせて頂きました。観てるだけでもジェットコースターに乗っているような疾走感を味わえる、ものすごいパワーの一席です。演芸番組で左談次師匠が反対俥をやる…というバージョンで、サゲをさんざんコキ下ろしてサゲを変えてくるような思わせぶりの演芸番組パート。そこから噺本編が始まります。さんざんコキ下ろしたサゲはそのままストレートにやる。あのサゲ聴いた瞬間、左談次師匠をもっともっと好きになります。初日にこんな疲れる噺、チョイスミスだと仰ってましたが、いや正直私もネタ出しのラインアップ見てびびりましたよ。でも、やな事あった時にあの反対俥を思い返して気晴らししてたのでもう一度観れたのが嬉しくてたまりませんでした。嵐の如くしっちゃかめっちゃかに楽しませて、幸せな気分の余韻を与えてくれるのも最近では宗男おじさんと左談次師匠なのです。
そういえばマイファースト左談次師匠っていつだっけ…と記憶を辿ってみました。ネタは妾馬。高座に上がる瞬間一目惚れノックダウンなのに、噺の主人公のお兄ちゃんが男前すぎて暫く何日か師匠の事ばっか考えてました。その妾馬は9/11の予定っぽいので是非観たいです。あと、ロビーに飾られてる鹿芝居での女形の写真は絶対観て下さい。麗しすぎます。
春風亭一朝師匠「宿屋の富」
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春風亭一朝師匠
この「宿屋の富」も日常のふりをした非日常の噺です。いやいや、宝くじみたいなもんは当たらないでしょ。ひよっこでもクイズ番組で優勝して賞金とハワイ旅行を獲得する回がありましたが、来年あたり自分にも起こりそうなくらい超現実世界です。でも、宝くじに当たるのもファンタジーですが、落語の世界って一文無しで堂々としてる人多いですよね。特にこの主人公、働いているとも思えないのに妙な落ち着きっぷり。一朝師匠の落ち着いて貫禄のある話し方で無一文って、開き直った感じがします。もし自分が無一文になっても大したことないな…と妙な自信がついてしまいます。
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「渋谷らくご」9/8 公演 感想まとめ