渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2017年 9月8日(金)~12日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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9月9日(土)14:00~16:00 立川こしら 橘家圓太郎 橘家文蔵 春風亭昇々

「渋谷らくご」我が道をゆく落語家たち

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プレビュー

 15日にはユーロライブで「渋谷らくご大賞受賞記念 昇々ひとり会」を行う昇々さん。落語に対してこのアプローチをしている人はほかにいません。
 この公演は、そういった落語家さんたちの集まり。
 独自の解釈と笑いの組み立ててで地方でも落語ファンを掘り起こすこしら師匠。古典を教わったままではなく、腹に入れるまで稽古を続ける圓太郎師匠。場所と順番に合わせて自分の存在を最大限に活かせる文蔵師匠。
 みんな登っている山のちがう落語家さんですが、こういうブレない人たちを見ているだけで元気がでてきます。


▽立川こしら たてかわ こしら
21歳で入門、芸歴21年目、2012年12月真打昇進。フットワークがひたすらに軽く、ツイッターで落語会の会場をみつけたりなどと、日本のみならず海外でも独演会を開催している。この夏はメキシコで独演会が開催された。ずっとポケモンGOをつづけ、この夏に出現している伝説のポケモンを、最速で次々と捕まえ続けている。気象予報士の木原さんと落語会をおこなう。

▽橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
19歳で入門、芸歴36年目、1997年3月真打ち昇進。高校までラグビーをやり、現在もトライアスロンをやる熱血男。ライフセーバーの訓練をオーストラリアでおこなう。オヤジの小言マシーンぶりは渋谷らくごでも爆笑を生んでいる。先月は、着物以外の荷物を全て忘れて楽屋入りしてしまった。そんな、可愛らしいおっちょこちょいな一面もある。

▽橘家文蔵 たちばなや ぶんぞう
24歳で入門、芸歴31年目、2001年真打昇進。ツイッターで、朝ご飯や酒の肴など、日々の料理をつぶやいている。疲れがたまるとシャワーを浴びて青汁と梅酢ソーダを飲む。先月のシブラクの楽屋では、ミルキーをぱくぱく召し上がっていた。先日、苺味のキットカットを生まれて初めて食べた。日本で一番顔が怖い三代目。

▽春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
1984年11月26日、千葉県松戸市出身。2007年に入門、2011年二つ目昇進。2016年「渋谷らくご大賞」受賞。ポンキッキーズにレギュラー出演中。最近ハマっているお菓子は、瀬戸内のり天と瀬戸内のり天レモン味。9月15日(金)19時30分よりユーロライブにて、渋谷らくご大賞受賞記念特別興行「昇々ひとり会」が開催決定。ただいまチケット発売中です。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@dejidj2016 シンガポール育ち、趣味: 映画鑑賞、春風亭昇太師匠と同じジャズトロンボーン演奏

9月9日(土)14時~16時「渋谷らくご」

立川こしら(たてかわ こしら)「出来心」
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)「粗忽の釘」
橘家文蔵(たちばなや ぶんぞう)「のめる」
春風亭昇々(しゅんぷうてい しょうしょう)「最終再就職試験」


今日はアウトドア日和の晴天、でもダークなインドアで昇々さんがトリの土曜日。終了時間15:50、さらーっと終わった午後でした。さすが、我が道を行く(ブレない)落語家たち。
夜の部にご出演の立川左談次師匠のお姿は、ロビーの写真展で拝見しました。 お若い頃のお写真の数々、妖艶な女装姿、インド旅行のお写真まで(師匠の背後に蛇使いが) 。写真展の他、俳句やパッチワークの展示も。。今回の渋谷らくごの、もう一つの楽しみですね。今月は左談次通信など、読み物も面白いです!

立川こしら師匠

  • 立川こしら師匠

    立川こしら師匠

この回では唯一の立川流。先日、M8.1の地震があったメキシコに行って来たばかりというススリングな師匠。メキシコでは売り子に「しゃちょーさん、XXXおっきいー!」と最強の褒め言葉をかけられ、そのお店のお土産を全部買っちゃったとのこと。XXXに入る言葉は、う・つ・わ(?じゃないよ)。

お話は「出来心」、でも空き巣狙いの牛乳屋さんという設定。忍び込んだ家のオトーサンが、今年100歳になる提灯屋ブラザエモンって。。。
とってもハジけた「出来心」でした。

ところで、環境問題落語を書いて、気象予報士の木原さんが演じるというお話が出ましたが、シンガーソングライターが他のアーティストに曲を提供するように、根多を書いて他の人が演じるということがあるのですね。

橘家圓太郎師匠

  • 橘家圓太郎師匠

    橘家圓太郎師匠

先月、「火焔太鼓」のマンガちっくな鬼嫁がとっても印象に残った圓太郎師匠。今回もしっかり者のおかみさんのコワいカワイイ演技に一票。お詫びするのを忘れてお隣さんで延々と世間話するでぇくのハッつあん、余裕のオトボケぶりにほっこり。おかみさんとのくっ付き合い(恋愛結婚?)のエピソードは良いなあー。師匠、実は癒し系?

橘家文蔵師匠

  • 橘家文蔵師匠

    橘家文蔵師匠

お住いが池袋の要町とのこと。裏の銭湯で気持ちよく「与作」を歌っていると、お隣の女湯から「へいへいほー」という合いの手が。。私もお風呂で一緒に師匠とデュエットしたいものです(混浴ではないよ)。

お話は、「つまらねえー」が口癖の男と、「いっぺえ、のめる」が口癖の男との罰ゲームバトル。口癖を言ってしまった方が1円払う約束をしてしまう。 ご隠居さんの入れ知恵で、漬け物や詰将棋の話で「詰まるかね?」「つまらねー」と言わせるためにワナをかけるが、逆に自分がワナに。。なんだか中学生の悪ふざけみたいな可愛らしい結末でした(中学生は、お酒のまないけど)。


春風亭昇々さん

  • 春風亭昇々さん

    春風亭昇々さん

三人真打登場でトリが二つ目の昇々さん(この方が真打になると「しょうしょうしっしょう」と早口言葉みたいになるのですね)。

ダブル橘家に緊張して、出番までの待ち時間を非常口で過ごしたという昇々さん。
今回は緊張感Maxの面接のお話、「最終再就職試験」(これも早口言葉みたい)。
求職者は落研出身「ぽんぽこ亭ひょうきん丸」、落語も面接も「受けても受けても落ちるだけ」。そして、無職プー太郎の熊野ジンゴロウ、こと「熊のプーさん」。 面接に臨む緊張のあまり寝転がって虫の息。死にそうな演技に「就活」の話か?「終活」の話か?と私も緊張してしまいました。

今回も昇々ワールドを堪能いたしましたよん。

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マザーテレサは言いました。愛の反対語は憎しみではなく、無関心だと。
好き?苦手?、でも無関心でいられないということは、私は昇々さんの落語を愛しているのでしょうか。。。?

【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」9/9 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ