渋谷らくごプレビュー&レビュー
2018年 2月9日(金)~13日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
渋谷らくご出演者中でもっとも若い演者は柳亭市童さん、現在25歳。とはいえその芸は、すでに多くのお客さんを魅了しています。はじめて落語を聴く人から、何十年も落語を聴く大ベテランまで。いたって標準的な落語を、淡々と演じているのに、おもしろいのです。そして、だからこそ、すごいのです。落語を信頼し、おもしろいと心から思い、敬意を払って演じている姿。
真摯に落語と向き合う鯉津さん、まもなく51年目になろうかというシブラクのオジキ左談次師匠、サービス精神満点の玉川太福さんも、みなさんを楽しませてくれると思います。こんな会は、今後も二度とありません。
▽瀧川鯉津 たきがわ こいつ
36歳で入門、芸歴7年目、2014年二つ目昇進。プロレス好き。中邑真輔が出演するマッスルマニア34の応援のために、アメリカのニューオーリンズに行くかどうか迷っている。グルメ番組で特集されたお店に行きがち。
▽立川左談次 たてかわ さだんじ
17 歳で入門、芸歴50年目、1982年12月真打ち昇進。談志師匠とおなじ病気にかかり、病院に出たり入ったり。その様子がツイッターにアップされており、痛々しいというよりは、ほほえましい。ツイッターによると入院中にネタの稽古をしているらしい。
▽玉川太福 たまがわ だいふく
1979年8月2日、新潟県新潟市出身、2007年3月入門、2012年日本浪曲協会理事に就任。2017年文化庁芸術祭大衆芸能部門の新人賞を受賞。1月3日に訪れた競輪場「オーヴァル京王閣」の雰囲気にときめいた。
▽柳亭市童 りゅうてい いちどう
18歳で入門、芸歴8年目、2015年5月二つ目昇進。悪い誘いをうけてラップをはじめたが、天才的な才能を発揮しているらしい。最近ツイッターをはじめた。妹さんから食品サンプルの「ベーコン」をもらい喜んでいる様子がアップされている
レビュー
2月11日(土)14時-16時「渋谷らくご」
瀧川鯉津(たきがわ こいつ)「真田小僧」
立川左談次(たてかわ さだんじ)「四季の小噺八月まで〜パートⅡ〜」
玉川太福(たまがわ だいふく)・玉川みね子(たまがわ みねこ)「地べたの二人〜骨つきチキン〜」
柳亭市童(りゅうてい いちどう)「紺屋高尾」
「真冬を忘れる熱い時間」
さぁ、待ちに待った平昌オリンピックです。観たい競技多すぎてもう大変。オリンピックの良さって、今まで知らなかった競技が観れることではないでしょうか。元々スノボって興味無かったんですが、スロープスタイルは食い入るように観戦しちゃいました。
落語って、一度好きな噺家さんができてしまうとその人ばかり追っかけてしまうことってありますよね。もちろん寄席も色々な噺家さんが観れますが、しぶらくは協会もジャンルも超えるので、1人を追っかけていても世界がちゃんと広がっていく。気がついたら追っかける噺家さんが増えている。毎日世界のどこかでスポーツをやっているように毎日どこかしらで落語が観られますが、限られた期間のしぶらくはオリンピックのような存在ではないでしょうか。
瀧川鯉津さん
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瀧川鯉津さん
ジュニアの選手が可愛い一方で、落語に出てくる子供って可愛くない。落語だけで江戸の事を考えると、10歳までに全ての知能を使い切ってますね。江戸の子供は可愛げの無いくらいに知恵が回るし、江戸の大人はみんなぼんやりしている。そう言われてみると、私が一番頭が冴えていたのは小5〜6。大人になるとは色々失うことかもしれません。
鯉津さんの子供の演技がまぁ可愛くない。可愛いないんだけど、こうゆう子供案外一番可愛いがっちゃったりするんだよなぁ〜…と思いながら観てました。全然歳上なのに鯉津さんに対し妙な母性が芽生えました。まずいまずい。
立川左談次師匠
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立川左談次師匠
しぶらくのレジェンド左談次師匠。若手の活躍が目立つしぶらくですが、ベテランの技にもしっかり触れられます。左談次師匠、声が出ないとの事でスケッチブックとの合わせ技による小噺でした。身体の調子がどうであれ、左談次師匠は左談次師匠。ジャンプで言うならどんなに追い風でもキッチリK点まで飛んでくる。小噺へのツッコミがいちいち可愛い。落語じゃなくて左談次師匠の魅力が凝縮されている。もう、ね。ニヤニヤしっぱなしですよ。
正直、アホネンは引退撤回してオリンピックに戻ってきてくれただけでありがとうなんです。でも、ラージヒルでは追い風のハンデをもろともせず決勝2回目に進出。飛び方を知り尽くしているようです。左談次師匠も、ほんとは高座でニコっとしてくれるだけで満足なんです。何もしなくたって満足しますよ。それだけ左談次師匠の笑顔は尊い。でも、どんな追い風でもK点まで飛んじゃう。絶対芸で楽しませてくれる。なんでこうも人の笑わせ方を知ってるんだろうか。そりゃレジェンドだもんね。もちろん声が出ないのには悲しくなるし心配もする。でも、次はどんな手で笑わせてくるのか期待するとゾクゾクするんです。高座で芸をするのが大好きなんだろうなって伝わってくるし、師匠の芸を観るのは大好きだから、この空間は両想い。嬉しい。
ちなみに、若い女性客が隣に座っている時に左談次師匠を観ると、大抵その女性客は悶えて「やばい…可愛い…」とうなってます。今回は両隣に若い女性が座っており、両隣とも発作を起こしてました。ちなみに私もなので、女が三人揃ってガタガタしてました。ぜひ左談次師匠を観るときにはそんなところも注目してみてください。
玉川太福さん・玉川みね子師匠
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玉川太福さん・玉川みね子師匠
浪曲だってそう。しぶらくで聴くまでは年寄りが聴くもんだと思ってました。でも、このネタは完全に30代がロックオンされています。太福さんの「地べたの二人」シリーズで浪曲の自由さにびっくりしてたんですが、まさかSHAM SHADEが浪曲で聴けるとは。しかも浪曲の節に滅茶苦茶合う!SHAM SHADEや曲名ががスッと出てこないとこを見ると、金井さんは25〜6歳だなと推測できます。多分30代はスラスラ出てきます。1/3の純情な感情の残りの2/3が何なのか。いや、そんな問題じゃない。しかも金井さんが骨つきチキンで説明するって言い出すし。客席がキョトンとすると、齋藤さんもキョトン。このキョトンの一体感が気持ちいい。
毎日セカオワの「サザンカ」口ずさんでますが、同じくらい1/3も口ずさんでます。サザンカを口ずさむとちょっと目頭が熱くなりますが、1/3は思い出し笑いします。ニヤニヤ。
柳亭市童さん
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柳亭市童さん
「紺屋高尾」がどれだけ感動する噺か。それはオリンピック優勝までの道のりと同じなんです。まずがむしゃらに頑張って出場権を得る(3年真面目に働いて金を貯め吉原に行き、高尾太夫と良い関係になる)。そして見事に優勝(高尾太夫が嫁に来る)。久蔵がどれだけ一途に頑張っていたか知ってるからこそ泣けるのであって、ただのサクセスストーリーではないのです。
でも、知らないからこそ鳥肌立つことだってある。市童さんを観るのは初めてだったのですが、なんか不思議な感覚。なんかすんなりしている。初トリなのに、若手なのに、なんだこの落ち着きは!たまにいますよね、オリンピックなのに妙に落ち着いている選手。宇野選手みたいなね。市童さんはそんな感じでしょうか。良い意味で初トリを見届けた感はありませんでした。
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「渋谷らくご」2/11 公演 感想まとめ
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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