渋谷らくごプレビュー&レビュー
2018年 2月9日(金)~13日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
偶数月に一度のペースで開催している、林家彦いち師匠プレゼンツの創作らくごネタおろし会「しゃべっちゃいなよ」。
昨年12月には2017年の大賞を決める会が行われ、見事古今亭駒次さんが大賞に輝きました。
その駒次さんが、何度今年の第一回から登場です。
しゃべっちゃいなよの常連である三四郎さん、昨年の渋谷らくご大賞の鯉八さんという顔ぶれのなかに、小痴楽さんが創作に挑むという会です。はやくも伝説の予感です。
トリはもちろん、林家彦いち師匠です!
▽桂三四郎 かつら さんしろう
22歳で入門、現在入門14年目。疲れた日はサウナに入ってリフレッシュする。手相では。フェロモン線がすごいらしい。UNIQLOのウルトラライトダウンを信用している。
▽柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
16歳で入門、芸歴12年目、2009年11月二つ目昇進。落語芸術協会の二つ目からなる人気ユニット「成金」メンバー。いま歌舞伎熱が高まっている。原稿は喫茶店で煙草を吸いながら書く。中学生からの愛読書は「破天荒ヤクザ伝・浜本政吉」。
▽古今亭駒次 ここんてい こまじ
24歳で入門。芸歴15年目、東京都渋谷区出身。鉄道をこよなく愛し、鉄道に関するコラムを執筆するほど。歌舞伎座のホールで鉄道落語会を開催してしまう。2017年創作らくご「しゃべっちゃいない」で創作大賞を受賞。
▽瀧川鯉八 たきがわ こいはち
24歳で入門、芸歴11年目、2010年二つ目昇進。2017年第三回渋谷らくご大賞「おもしろい二つ目賞」を受賞。気合いを入れるときは髪を切る。テレビ番組「光浦靖子 大人のリノベーション」のナレーションをつとめる。
▽林家彦いち はやしや ひこいち
1969年7月3日、鹿児島県日置郡出身、1989年12月入門、2002年3月真打昇進。
創作らくごの鬼。キャンプや登山・釣りを趣味とするアウトドア派な一面を持つ。FULLCLIPというバッグメーカーと彦いち師匠がコラボ。彦いち師匠監修のバッグが好評発売中。
レビュー
▼2月13日 20:00~22:00
「しゃべっちゃいなよ」
桂三四郎(かつら さんしろう)-記憶飛
柳亭小痴楽(りゅうてい こちらく)-目配せ
古今亭駒次(ここんてい こまじ)-ヤクルトレディ関根さん
瀧川鯉八(たきがわ こいはち)-ひとでなし
林家彦いち(はやしや ひこいち)-つばさ
自分で作った落語を初めてお客さんの前で披露する「しゃべっちゃいなよ」。2017年渋谷らくご大賞の鯉八さんに、創作大賞の駒次さん。安定度抜群の三四郎さんに、しゃべっちゃいなよは初参戦の小痴楽さん。楽しみな出演者しかいないと思ったら、考えることはみなさん同じで前売完売、当日も多数で大入り満員。今回もバラエティ豊かな創作落語が並び、充実の会になりました。感度の高いシブラクのお客さんからは、いいオーラが出ているようで、みんながハッピーになれる暖かさを感じます。
桂三四郎-記憶飛
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桂三四郎さん
柳亭小痴楽-目配せ
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柳亭小痴楽さん
古今亭駒次-ヤクルトレディ関根さん
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古今亭駒次さん
守護神に相当するのが85歳、伝説のヤクルトレディとして知られた関根さん。ヤクルトスワローズの代打専門の万年2軍選手を夫に持つかわいそうなヤクルトレディを、秘伝の技で救います。極めて落語らしいバカバカしさで、ヤクルトにまつわるマニアックなギャグが湯水のように湧き出てくるので、聞いているほうも休んでいる暇がありません。
駒次さんは印象的なセリフ作りの名手でもあり、「乳酸菌と共にある」「ヤクルトの奴隷」「ボールが乳酸菌」といった名言が巧みなコントロールで配置されています。それらが魔法のように効き、心地よい余韻を残したままエンディングを迎える。余情をしっかり残す駒次マジックにやられてしまいました。
瀧川鯉八-ひとでなし
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瀧川鯉八さん
ある事件の被害者が、まーちゃんに「犯人探しを手伝って欲しい」と相談する。その理由は、まーちゃんだけが事件の日に不在だったから。まーちゃんは周囲の人間(なぜかドリフのメンバーと同じ名前)を片っ端から犯人と断定し、被害者を丸め込もうとします。まーちゃんの洗脳者ぶりに怖くなる一方で、自信たっぷりに嘘を付くまーちゃんに魅力を感じます。そしてまーちゃんへの疑惑が徐々に深まり、自己破滅に向かっていく姿を見るカタルシス。短い創作落語の中でいろいろな一面を見せてくれる鯉八さんは、やはり天才としかいいようがありません。
「俺ほめ」のまーちゃんは鯉八さん本人(本名)を反映しているという見方もあれば、みんなが投影できる人物のひとりという本人のインタビューもある。今回のまーちゃんは、「俺ほめ」と同じなのか違うのか。鯉八さんへの興味がますます深まる創作落語でした。
林家彦いち-つばさ
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林家彦いち師匠
主人公は彦いち師匠。「シブラクが終わって、浅草演芸ホールまでいく」という設定でぐいぐい押してきます。落語の空中モノ(そんな言葉があるのか?)は、「羽団扇」という滅多にやられない古典落語や、文珍師匠の「風来坊」(金語楼の『人間アドバルーン』の改作)くらいしか知りませんが、彦いち師匠は3次元的空間にパラレルワールドという設定を1つ加えて4次元で表現しました。「次元が違う」とはまさにこのことですね。
翼を広げてばっさばっさと飛んでいく仕草や、空中と地上のカミシモの切り分けなど、視覚的な楽しさも満載で、全身を使って表現する彦いち師匠ならではの作品でした。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」2/13 公演 感想まとめ
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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