渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2018年 4月13日(金)~17日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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4月16日(月)20:00~22:00 柳家緑太 玉川奈々福* 春風亭百栄 橘家文蔵

「渋谷らくご」 落語料理人 橘家文蔵を聴いてくれ!

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プレビュー

 料理が好きな文蔵師匠、落語に関しても下ごしらえなど丁寧な仕事が冴えわたり、定番の落語でも最高の味付けで料理してくれます。月曜日の夜、憂鬱な気持ちを吹き飛ばす文蔵師匠の落語は明日への活力です!
 若手ピカ一の端正な落語、緑太さん、聴いただけで元気になる奈々福さんの浪曲、癒しと爆笑で空気を変える百栄師匠。
 贅沢なコース料理となっておりますので、ぜひお友だちを誘っておこしくださいね! 

▽柳家緑太 やなぎや ろくた
25歳で入門、芸歴8年目、2014年11月二つ目昇進。古典落語をラップにしている。Youtubeで公開されていて、おそるべき完成度。最新作「猫の災難」が先週公開された。渋谷のセンター街でラップのPVを撮影している。先日ロードバイクを買う。

▽玉川奈々福 たまがわ ななふく
1995年曲師(三味線)として入門、芸歴23年目。浪曲師としては2001年より活動。2012年日本浪曲協会理事に就任。「シブラクの唸るおねえさん」。朝顔や盆栽の欅を育てていて、日々の成長する様子を愛でている。

▽春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ
年を取らない妖精のような存在。静岡県静岡市出身、2008年9月真打ち昇進。
不思議な風貌で、危ないネタをかけつづている。落語協会の野球チームでは、名ピッチャーとして活躍する。
アメリカで寿司職人のバイトをしたことがある。猫が大変お好きという意外は日常生活の様子を見せない。

▽橘家文蔵 たちばなや ぶんぞう
24歳で入門、芸歴30年目、2001年真打昇進。ツイッターで、朝ご飯や酒の肴など、日々の料理をつぶやいている。最近つくった料理は「豚軟骨と里芋ガンモと椎茸の煮物」。この時期は手作りのおつまみに蕎麦茶割りでプロ野球中継を見ている。

レビュー

文:pem(ペム) Twitter:@shina1220  性別:女 年代:20代 趣味:宝塚・舞台全般観劇、時々ハロプロその他諸々 落語歴:1年4ヶ月
4/16(月) 20:00〜22:00「渋谷らくご」
柳家緑太(やなぎや ろくた)『引越の夢』
玉川奈々福(たまがわ ななふく)/沢村美舟(さわむら みふね)『浪曲熱海殺人事件』
春風亭百栄(しゅんぷうてい ももえ)『船越くん』
橘家文蔵(たちばなや ぶんぞう)『ちりとてちん』

方向性は違えども見る側を楽しませてくれるという点は皆さん一緒…のはずなのに、やはり楽しさも面白さもチャーミングさも狂気さも全てのベクトルが違いすぎて、傍目からは座布団の上に大の大人が座って喋ってるだけなのに実際に体感するとその概念、全てが覆されて毎月渋谷らくごに足を運ぶことへの喜びと楽しさを噛み締めます・・・。

柳家緑太『引越の夢』

  • 柳家緑太さん

    柳家緑太さん

開演前のタツオさんの前説(観劇マナーと本日の出演者の方のご紹介)により無駄にハードルをあげられてしまう緑太さんでそのことに触れつつも動じる感じがしないのは先月トリを取った経験が生かされたのかと思ったのですが、それ以上にまくらでお話しされた結婚式の司会の無茶振りエピソードを聞きながらこれを思えばタツオさんのハードルあげちゃったくらい可愛いものだったのでしょう(笑)たいめいけんに今度初めて食事に行く予定だったので訪れたあかつきには確実に緑太さんのことを私は思い出します。

引越の夢・・・男たちの女中の寝床までを競う家の中で繰り広げられてるとは思えないくらいのRPGのような壮大さがあり男の野望と愚かさが面白おかしく愛おしい・・・(笑)


玉川奈々福/沢村美舟『浪曲熱海殺人事件』

  • 玉川奈々福さん・沢村美舟さん

    玉川奈々福さん・沢村美舟さん

“シブラクの唸るお姉さん”というフレーズが大好きです。PodcastやWOWOWぷらすとでは拝聴したことがあるのですが、生で聴くのは初めてでしたが生だと更に聞いていて心地よく、気持ちがいいです・・・。

つかこうへいさんの戯曲を浪曲に・・・舞台観劇が趣味の人間ですが熱海殺人事件は名前しか知らず・・・やはりこういうのを聞いてしまうと舞台観てみたい!!!!と浪曲も面白いし、観劇意欲も湧いてしまうし、もう芋づる式です。我が身が一つしかないのが惜しい・・・。


春風亭百栄『船越くん』

  • 春風亭百栄師匠

    春風亭百栄師匠

百栄師匠はど頭のあの独特なゆるーーい挨拶をしただけで既に百栄ワールドに聞くものを誘います。あとやはり高座に向かう途中にバックに映し出される自分の名前を見上げる百栄師匠が妙にツボで毎回ときめきます。まくらは奈々福さんの“浪曲熱海殺人事件”に感化されたのかサスペンス繋がりでした。話し方はゆるいのに視点は鋭いところに人間観察の高さが垣間見れます。

とある友人に崖の上に呼び出された男女ーーーその男女は先日別れた元恋人同士。そこに現れる呼び出した張本人の船越くん、彼は何でもない出来事を自らの話術により全て事件に導いていこうとする・・・。なにこれ、面白くないわけがない。そして本当ノンストップでも面白く・・・。もしも私がENGEIグランドスラムの関係者だったら迷わず百栄師匠を推薦します。百栄師匠の高座を聴くたびに『この噺、この人好きそうだなーー』とか『これ家族に聞かせてあげたいなぁーー』とか演芸に触れない人のことも頭によぎるのですが今回も例に漏れず・・・でした。もう本当、笑いと狂気に満ち溢れてでも良識もおり混ざってるこの絶妙なバランスが癖になります、やめられない止まらない。


橘家文蔵『ちりとてちん』

  • 橘家文蔵師匠

    橘家文蔵師匠

百栄師匠と同じくど頭のドスの効いた挨拶で文蔵師匠のペースになります、いやもはや高座に向かう歩き姿を見た時点でペースは既に文蔵師匠に握られている感覚。まくらはお料理のお話をされて普通に役立つ知識を教えてくださる文蔵師匠の優しさにキュンとします。これがギャップ萌え。

文蔵師匠は強面なのに意外とチャーミングでお料理上手で芸は丁寧で細やかというなんか私の好みどストライクついてきて・・・もう・・・大好きです・・・。表情豊かで動きもダイナミックなちりとてちん、シャッターチャンスが多すぎて私の心の中のカメコはシャッターボタン押しまくりでした。

来月のシブラクは5月11日(金)~15日(火)ですので気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか?来月まで待てないよ!・落語に少し興味湧いてきたよ!という方はPodcastや動画が1席丸ごと配信されてますので渋谷らくごHPのトップページにURL貼ってありますのでぜひご覧ください。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」4/16 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ