渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2019年 10月11日(金)~15日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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9月13日(金)14:00~16:00 笑福亭羽光 立川志ら乃 橘家圓太郎 林家きく麿

「渋谷らくご」令和の爆笑王、きく麿師匠がトリをとる!

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プレビュー

 10月は若手真打がトリをとります。なかでもこの回のきく麿師匠は、いま飛ぶ鳥を落とす勢い! 日本を所狭しと飛び回る令和の爆笑王。
 そしてこの会は、立川流から志ら乃師匠、落語芸術協会からは羽光さん、そしてベテランの圓太郎師匠と、各団体の爆笑王が火花を散らします! 爆笑必至、絶対大満足の落語会です。はじめての落語は、笑いたいという方にもオススメです。

▽笑福亭羽光 しょうふくてい うこう
34歳で入門、芸歴13年目。2011年5月二つ目昇進。猫を可愛がる。可愛い猫のツイートにいいね!落語のために筋トレをしようと思っている。自分のお笑い芸人だった頃のエピソードを落語にした「私小説落語」は渋谷らくごのポッドキャストで好評配信中。

▽立川志ら乃 たてかわ しらの
24歳で入門、芸歴21年目、2012年12月真打昇進。スーパーマーケットが好きで、スーパーの批評をツイッターでおこなっている。桃の保護ネットを手に入れると必ずお気に入りのカエルのぬいぐるみにかぶせる。

▽橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
19歳で入門、芸歴38年目、1997年3月真打昇進。怒りん坊なキャラクターで、オヤジの小言マシーンぶりは渋谷らくごでも爆笑を生んでいる。将来PTAの会長になるのではないかと危惧している。普段は優しく、裏表のない気持ち良い人なのです。

▽林家きく麿  はやしや きくまろ
24歳で入門、芸歴23年目。2010年9月真打ち昇進。観光地などにおいてある顔ハメ看板には、必ず顔を入れる。褒められたツイートを積極的にリツイートする。先日「大根と鳥手羽の煮物」を運んでいたら汁が溢れたようで鞄がびしゃびしゃになった。

レビュー

文:とも朕 Twitter:@toyono2010 (シンガポール育ち。落語、漫画、アニメ、映画が大好き。ホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」は今年一番、ぶっちぎりの傑作でした!)

10月14日(月祝)14時-16時 「渋谷らくご」爆笑落語会
笑福亭羽光(しょうふくてい うこう )「手水廻し/失われた◯◯(圓丈作)」
立川志ら乃 (たてかわ しらの)「時そば」
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)「野ざらし」
林家きく麿(はやしや きくまろ)「守護霊」

今日は台風一過に嬉しい爆笑落語会。暗い雨の後は思いっきり笑いたいですよね!
トリは、令和の爆笑王・きく麿師匠(ツイッターの顔はめパネル写真が最高です)。他、上方の創作プリンス・羽光さん、立川流からは志ら乃師匠、そしてベテラン・圓太郎師匠と爆笑王結集!どんなお噺が飛び出すでしょうか!?

笑福亭羽光さん「手水廻し/失われた◯◯(圓丈作)」

  • 笑福亭羽光さん

「ペラペラ王国」で昨年の創作大賞を受賞した羽光さん。今日は開口一番とのことで、上方のオーソドックスなお噺を一席。引き続き、創作落語を一席と、短編映画二本立てみたいな構成。
「手水廻し」は、大阪から来たお客さんが言う「手水(←洗面すること)」が何だか分からない田舎の宿屋の笑い話。上方では有名なお噺だそうです。テレビもネットもない時代、方言はまるで外国語の様なもの。方言の勘違い話としては「百川」、知ったかぶりして失敗してしまう笑い話としては「子ほめ」や「牛ほめ」にも通じるストーリーで楽しかったです。
そして、問題の創作落語の◯◯は「◯玉」(=Golden Balls?)。内容は、うーん何とも言えません。。。羽光さん作ではなく三遊亭圓丈師匠の作品だそうですが、これを真剣に圓丈師匠と差し向かいで練習したというから、それだけで笑えます。「下ネタではありません」とのことでしたが、アレが無くなってしまった男の話で、やっぱりそっち系?でした。圓丈師匠だけにの炎上しそうな作品。詳細は、皆さん、ご自分の耳で聴いてみることをオススメします!

立川志ら乃師匠「時そば」

  • 立川志ら乃師匠

スーパー大好きな、しら乃師匠。台風前にもスーパーに行って物を買い占める人々を観察したというから、さすが。確かにうちの近所のスーパーでも売り切れ続出で、棚が空っぽになってしまいました。台風恐るべし。
そして、飛び出したお噺は、お馴染みの「時そば」!スーパーのお話を散々した後、勘定を誤魔化す話なんて不謹慎で笑えます。
大きなお目めを剥いて「ズルズルー、はふはふー!」と派手にお蕎麦を食べる仕草が、何かシュール。最近涼しくなったので、熱いお蕎麦が食べたくなりました。

橘家圓太郎師匠「野ざらし」

  • 橘家圓太郎師匠

高校時代はラガーマンだったという圓太郎師匠。日本vsスコットランド戦を横浜まで観に行かれたそうです。応援しすぎたせいか、今日はセクシーなハスキーボイス。
お噺は、お馴染みの「サイサイ節」他、素敵な歌、節回し、調子の良い台詞が流れる様に続く、とってもクールな「野ざらし」。今日の師匠のハスキーボイスにぴったりでした!まさか、計画的?
上手く骨を釣り上げて美人幽霊が訪ねて来た時は、あんなことやこんなこともしたい!という妄想劇場も、鼻息荒い興奮の熱演で最高に笑えました!

林家きく麿師匠「守護霊」

  • 林家きく麿師匠

まくらでは、不良だらけの地元・北九州のシンナー事情、林家木久扇一門の兄弟弟子事情など、笑えるけれど(あんまり)ためにならないお話が続出。その流れで、兄弟つながりか?今日はそんな新作落語。
ケンカばかりしているのに本当は仲良しな兄弟。お兄ちゃんは弟の喘息が治るように守護霊を呼び出そうとしますが、なかなか上手くいかず、不思議な行動に。。
前半は、「ブタブタブター!」「死んだ死んだ、はいー!死んだー!」など、(誰にでも覚えがある?)ナンセンスな子供のケンカが超ハイテンションで炸裂。ホテル経営が将来の夢という弟の「ニューさがみの歌」(←将来経営するホテルのコマーシャルソング)は笑えました。
後半は、守護霊を呼び出す怪しい儀式が、何とも不思議おかしい新感覚の笑い?という感じ。最近観た(カメラを止めるな!で有名になった)上田晋一郎監督の最新作「スペシャルアクターズ」をちょっと思い出してしまいました。
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」10/14 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ
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