渋谷らくごプレビュー&レビュー
2021年 7月9日(金)~14日(水)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
笑いだけではなく、喜怒哀楽のすべてが詰まったのが落語。なかでも怒や哀、人間の抱える闇の部分を描いた演目の多い龍玉師匠はネクスト大スターの匂いがプンプン立ち込めています。龍玉師匠の落語を独り占めできるのもいまのうちかもしれません。
創作の貴公子 駒治師匠、おだやかな語り口の癒しの落語 志ん五師匠、いろんな技を持ちながら落語愛をにじませる寸志さん。最高の4人です。間違いない週末の2時間となるでしょう。
▽立川寸志 たてかわ すんし
44歳で入門、芸歴10年目、2015年二つ目昇進。編集マンをやめて、落語家になった。チラシの構成から、文章まで編集マンの能力を遺憾なく発揮する。電車の移動時間は本を読みがち。スマホの画面を拭きがち。先日、「アフリカン・カンフー・ナチス」を見た
▽古今亭志ん五 ここんてい しんご
28歳で入門、芸歴17年目、2017年9月真打昇進。2020年、国立花形演芸会金賞受賞。スケボーの練習動画をYouTubeにアップしている。ベランダで家庭菜園をしている、先日は収穫した大葉をつかってパスタをつくった。いちごの人工授粉にも成功した。
▽古今亭駒治 ここんてい こまじ
24歳で入門。芸歴18年目、東京都渋谷区出身。鉄道をこよなく愛する。楽屋でたびたび丸ノ内線の方南町方面のことを話題にする。今は車に夢中。落語をつくるときは、Macで情報を検索しながら、ポメラで台本をつくっていく。時間があると積極的に歩く。
▽蜃気楼龍玉 しんきろう りゅうぎょく
24歳で入門、芸歴24年目、2010年9月真打ち昇進。身長が181cmと背が高い。ツイッターではプライベートの様子をツイートすることがなく、いまどのように過ごしているか知ることができない。ものを食べずにひたすら呑むとの噂。
レビュー
立川寸志(たてかわ すんし)-ろくろ首
古今亭志ん五(ここんてい しんご)-お菊の皿
古今亭駒治(ここんてい こまじ)-課長の災難
蜃気楼龍玉(しんきろう りゅうぎょく)-もう半分
最近、浪曲師・玉川奈々福さん編著「語り芸パースペクティブ」を読みました。伝統芸能の様々なジャンルと第一線で活躍する演者さん達について知る事が出来て、とても読み応えがありました。実演を観る事が出来るQRコード付きなのもGOOD。
同著に「(日本は)とりわけ語り芸の多い国。視覚優位の現代で、聴く力、想像する力を要する芸が、かほど多様に受け継がれ生き残っている」とありました。
私も映画やアニメなど視覚エンターテイメントが大好きですが、落語を聴いて自分で想像する脳内映像は実に特別なもの。自分だけの熊さんハっつぁん、美しい花魁やカッコいいお侍が動き出します(幽霊も。。)。
それが落語のたまらない魅力!
今日はどんなお噺が飛び出すでしょうか?
立川寸志さん「ろくろ首」
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立川寸志さん
さて夏といえばボーナス、ではなく夏といえば怪談!ホラー映画は苦手な私も、様々な人間模様や心理ドラマが語られる落語の怪談は大好物です。
生活力がないのに結婚したい与太郎さん。そこに、お金持ちで美人のお嬢様に婿入りする良縁が舞い込みます。そんな美味い話はない!と思ったら、そこには恐しい事実が。。与太郎さんの運命はいかに?
「首が伸びるぐらい、いいんじゃない〜?」とお婿に行ってしまう与太郎さん。今は、多様性や個性を重んじて受け入れる時代。ろくろ首も「個性」とリスペクト出来るなんて、案外イマドキな人なのかもしれません。。
古今亭志ん五師匠「お菊の皿」
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古今亭志ん五師匠
寸志さんに続き、今日は幽霊のお噺。といっても、美人幽霊・お菊さんをめぐる男達のドタバタ劇です。お菊さんを一目見ようと殺到する人々は、まるでアイドルに群がるオタクファン。人気が出ると調子に乗って生意気になる幽霊もアイドルっぽい!また、肝試しをする長屋連中のリアクションが男子中学生っぽくて、怪談なのにお腹を抱えて笑ってしまいました。
まくらで「私自身、怖いのは苦手でして。。」という志ん五師匠。可愛くてコワ面白い怪談は師匠ならでは、なのでしょうね。
古今亭駒治師匠「課長の災難」
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古今亭駒治師匠
普段はクールなIT課長が登場しますが、高校時代に書いた詩集・ラブエモーションを家族に見られてしまいます。恥ずかしさのあまり家にノートを置いておいておけず職場に隠しておいたら、何と同僚、部下、取引先にまで見られてしまうことに。。これはある意味、怪談より怖い!
課長が書いた昭和っぽいポエムの内容が本当に爆笑モノでした!こういうロマンチックな詩作、覚えのある人も多いのでは?
実はクールな新作落語の貴公子・駒治師匠も、学生時代の趣味はポエムを書くことだったそう。家族に見られて恥ずかしい思いをしたのは実話だそうです。ああ。シュレッダーは買いましょうね。
蜃気楼龍玉師匠「もう半分」
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蜃気楼龍玉師匠
今日も師匠が「怪談を申し上げます」と言った途端に青い炎のようなオーラに包まれ、会場はシーンと静まりかえります。
「もう半分」は、強欲な者が呪われるという因果応報物語。さすが圓朝作品!酒屋夫妻がお金に目がくらみ極悪人に豹変する場面、行商の老人が驚きの方法で化けて出る場面など、脳内で薄暗い恐怖映像を想像するたびに、背筋が冷たくなりました。
怖いのに、もう龍玉師匠の表情に釘付け!寝る前に、また思い出しそう。
今夜は涼しく過ごせそうです。。