渋谷らくごプレビュー&レビュー
2015年 7月10日(金)~14日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
アーカイブ
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年04月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年08月
- 2023年07月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年04月
- 2023年03月
- 2023年02月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年02月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
- 2021年02月
- 2021年01月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年09月
- 2020年08月
- 2020年07月
- 2020年06月
- 2020年05月
- 2020年04月
- 2020年03月
- 2020年02月
- 2020年01月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年09月
- 2019年08月
- 2019年07月
- 2019年06月
- 2019年05月
- 2019年04月
- 2019年03月
- 2019年02月
- 2019年01月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年09月
- 2018年08月
- 2018年07月
- 2018年06月
- 2018年05月
- 2018年04月
- 2018年03月
- 2018年02月
- 2018年01月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年09月
- 2017年08月
- 2017年07月
- 2017年06月
- 2017年05月
- 2017年04月
- 2017年03月
- 2017年02月
- 2017年01月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年09月
- 2016年08月
- 2016年07月
- 2016年06月
- 2016年05月
- 2016年04月
- 2016年03月
- 2016年02月
- 2016年01月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年09月
- 2015年08月
- 2015年07月
- 2015年06月
- 2015年05月
- 2015年04月
プレビュー
落語がもっとおしゃれなものになる!
この4人の方の共通点。それは着物で座布団の上で正座をしてる姿や立ち居振る舞いがとっても上品でおしゃれということです。愛でたくなるような可愛さと、子供のときに近所にいた「お兄さん感」がむんむんと充満している方々です。
特に注目してほしいのが、舞台に顔を出し登場してから座布団に座るまでの歩き方とか照れくさそうに会場を見渡す様子。それぞれの方がみなさん全然違っているのですが、どなたの様子をみても「この人絶対いい人だ!」と直感できるような最高の空気を感じられるでしょう。
それだけで「うわぁ、なんかいいもの見ちゃったなぁ」と思ってしまうなにかがこの4人の落語家さんにはあります。
渋谷らくごでは「ものすごい完成度!」や「純粋さが滲み出ている」や「うっとりしました」というピュアな感想が寄せられ続けている馬石師匠。
「カット割りをされた映像を見ているようだった」「頭空っぽにして笑えました」という感想が多い、今月のシブラクの要である志ら乃師匠。
このふたりの師匠方に、鬼〆さんとA太郎さんがどのようなハーモニーを奏でるのか、いまからとっても楽しみです。
金曜日の夜、おしゃれに落語を楽しみたい。1週間の疲れをリフレッシュするためにも、穏やかな夜にしたい。週末思いっきり遊ぶために、今晩はゆっくり過ごしたい。なんて思っている方、この回がぴったりだと思います。上質な落語に思う存分浸ってみてください。とっても気持ちが良いものになるでしょう。
レビュー
文:兼桝綾 Twitter:@ganemasu 性別:女 年代:20代 ご職業:会社員 落語歴:薄く10年 ご趣味:小説と演劇
今月の一言:渋谷らくごの胸をかりて、落語勉強中です。
金曜の夜に、得する落語
この日の渋谷らくごは、会場全体があたたかかった。
というのも演者さんが気持ちをほどく達人ばかりで、前の出番でつくった良い空気を次の出番でうま~くふくらませてさらに良い空気をこしらえる、観ているこっちはいいもの観れたなあと得した気持ちになる、そんな会でした。
【台所鬼〆-大工調べ】
-
台所鬼〆
まず最初の台所鬼〆さん、口を開いただけで空気が柔らかくなる。
マクラの、とつとつとこちらへ話しかける感じ、高いところにすわっているのに向かいでお喋りしてくれているようで、客席のクスクス笑いが徐々に大きな笑いになります。
演目は「大工の調べ」。絵に描いたような江戸ッ子の棟梁の早口と、真似をするけど舌の上手くまわらない与太のやりとりが笑わせます。トントントントン気持ちよく流れていく、棟梁の啖呵の言い立てのうまさには拍手がおこりました。
【昔昔亭A太郎-うそほれ】
-
昔昔亭A太郎
次に昔昔亭A太郎氏のライブ感あふれる(笑)「うそほれ」。
なんじゃこりゃ、と思っていうちに絶妙なうさんくささと抜群のセンスにひきこまれ、色んなツボが刺激されてむちゃくちゃ愉快でした。客席からお題を募集しはじめた時には、「よしときゃいいのに…!」からの「がんばれ…!」と、客席が一体になった…ように感じました(笑)。
【立川志ら乃-星野屋】
-
立川志ら乃
そして立川志ら乃師匠の「星野屋」。
個人的にかなり好きな話です。メインからサブまで、星野屋をとりまく女の人が四人でてきます。女中、奥さん、愛人のお花、お花の病気のお母さん。この四人全員、強い、したたか、にくらしい、ふてぶてしい、しかしその様子に観ているこっちは力をもらえる(笑)、元気になる。お花が吾妻橋から身投げした星野屋の後を追わずに、「わたし…死ななくてもいいんじゃナイカナ~ッ」ていうところ、最高でした、あのお花の感じ、志ら乃師匠にしかできないのでは、さすが、ご本人曰く「女の人をたてて」暮らしてきただけある。かなりお花を贔屓しながら観ていたので、二転三転する騙し合いっこの末の、サゲにはニヤリと笑いつつ胸のすくような思いがしました。
【隅田川馬石-唐茄子屋政談】
-
隅田川馬石
トリは馬石師匠の「唐茄子屋政談」。
この方が語ると、情景がサーッと目前にひろがります。一番好きだったのは、若旦那が田んぼの中を天秤担ぎながら遠くに花街を望み、慣れない売り声をくりかえしつつ、合間に花魁との思い出をかたるところ。胸がキューっとしまりました。そして登場人物達の演じ方の丁寧なこと。ディティール(近景)と景色(遠景)を見事に両立させてみせる語りに、すっかりファンになってしまいました。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」7/10 公演 感想まとめ