渋谷らくごプレビュー&レビュー
2016年 4月8日(金)~12日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
扇里師匠とこしら師匠の「ふたりらくご」も、今回で3回目。初回は27名のお客様でした。けれども、扇里師匠とこしら師匠の組み合わせは「落語界のいま」を感じられるベストバディな組み合わせだったので、急遽2回目も開催。渋谷らくごのポッドキャストで扇里師匠の落語をまるまる1本配信する「扇里シリーズ」がスタートして1週間で15万アクセスを超えるほどの人気コンテンツになり、初回に来てくださった方の応援もあって、なんと2回目は倍増の65人のお客様にご来場いただきました。twitterでは、「こしら師匠・扇里師匠の落語凄かった‼︎引き込まれた‼ どちらも中盤から思わぬ展開になる噺なのね。どちらの噺も物に魂が宿るという点で共通項があったかな」といった感想が寄せられました。そうなんです、扇里師匠とこしら師匠、引き込む力が強いお二方なんです。そしてこの2人、私生活から生い立ちまで不思議。
扇里師匠は、横浜生まれ。コーヒーを入れる修行をしたり、空手をやったり、おかしなエピソードに溢れている方です。「笑いのその先を描く」という尖った哲学のもと、訥々と語られ始まる落語は、客席を魅了しています。時間と空間が濃密になっていく扇里師匠の魔法にかかってみてください。こしら師匠は、高校時代に月30万円を荒稼ぎしたり、弟子の命名権をYahoo!オークションに出品したりクラウドファンディングを活用したりと面白いことがあれば飛びついて、経験して、それを笑いに変えてしまう、通りすがりの天才です。
業界コントラスト比最大。若手真打のバトルをその目に焼き付けろ。
レビュー
文:桜もち Twitter@kasiwamoti55
東京在住7年目、小さな「ハコ」で生きた芸を感じる見方が好き。かっこいい(粋)かどうかが最大チェックポイント。芸はないけど芸人気質。
4月 11日18:00より「ふたりらくご」
入船亭扇里(いりふねてい せんり) 「鼓ヶ滝」
立川こしら(たてかわ こしら) 「御神酒徳利」
レビュー用観戦1回目にして大当たり!
【まくら】
今回初レビューですので簡単な自己紹介から。
落語歴は6年ぐらい。とはいえ全然駆け出し。元々は小さな「ハコ」で世間的には売れていないらしい音楽ライブによく行っていた。最初URC系、次はオフノートレーベル。今の音楽の志向は 「穏やかな音楽を集める」がコンセプトの「雨と休日」で紹介されているものが多くなった。
上京して、ネットで眺めて憧れていた方々のライブに行こうと思えばいくらでも行ける環境に狂気乱舞、お金と時間が許せば出かけているうちに、同席になった方からなど、だんだん演芸にご縁ができていく。
人の縁や、お店が好き!とか、好きな演者さんとつながりがある人に行ってみる、などによる広がりのため、好きな芸人さんに脈絡なし。ウンチクにも興味がないので予習なしで出かけて復習も殆どなし。そのうち何となく知識も貯まっていく深まり方。(深まっているのか怪しい。)
最後に落語について少々。
特に落語が大好きというわけではない。(ごめんなさい。)音楽的要素を好むため浪曲や講談の方が好き。「笑い」を求めていないのと、無理やり出てくるように感じてしまうオチの必要性が理解できないためかなぁと自己分析。
好きな噺家さんは柳家喬太郎師匠、春風亭百栄師匠、入船亭扇里師匠、古今亭駿菊師匠。(といってもそれぞれ生でお聞きしたのは1~2回ほどですが…。)
まだまだ全然ひよっこなので、これからもっと増えたり変わっていくのが楽しみです。
こんな人が書くレビュー、よろしくお願いいたします。
【レビュー本編】
今までも経験のある嬉しいサプライズなのですが、自分が好きでその人を目当てに出かけます。対バンの方にはそんなに期待していません。それが思いがけずすごく良くてホクホクになる、今度はそちらを見に出かけるようになる…。これは観劇(ちょっと言葉がおかしいな、演芸見に行くのはどう言えばいいのでしょう?)行脚していて非常に嬉しい出来事のひとつです。で、今回がまさしくそうでした!なので「「レビュー用観戦1回目にして大当たり!」なのです。
すでに安定してファンだった人=扇里師匠、大当たりだった人=こしら師匠です。
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入船亭扇里師匠
扇里師匠とのご縁説明。高円寺に「円盤」という説明のしにくいお店があります。頑張って説明してみると…音楽ものを中心に自主制作したもの、または共同制作したものを扱っている、でも中古レコードもあるし、なんかいろいろある。特筆すべきは顔の見える付き合い、やり取りをする気のある人のものしか置かないという点です。全国の方のものがあるのですが、全部、店主と何かしらの付き合いがある人、どういうことをしようとしているのかとか、どんな思いがあるのかとか分かっている人のものしか置かないというコンセプトがあるのです。
他にもいろいろ素敵な店なのですが、そちらで扇里師匠の落語会が毎月1回行われている。円盤店主から、師匠が真打昇進の時お披露目会に招待いただいた話、店からのお祝いの話などを聞いて、扇里師匠が気になるようなったのはそれがきっかけだったなぁと、今回の真打昇進についてのマクラは聴きながら、じんわり思い出していました。
扇里師匠は、「ダンディー」というのが私の中のイメージ。落語家さんというのがピンとこない。この方どういうことで落語家を目指したんだろう?とちょっと不思議に思ってしまう。(他の落語家さんに失礼になっていたらすみません。)
。
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立川こしら師匠
さて、こしら師匠です!初めて初めて。チラシでお顔拝見したことがあるぐらい。そもそもそういえば立川流を殆ど聞いたことがない!扇里師匠と全く対象的?全然違うぞ。
マクラ楽しい楽しい。落語のマクラが好きなので嬉しくなってしまう。サッカーばっかで初めてキャッチボールしたのが30歳過ぎって言ってるぞ、うん、いかにもサッカー少年、元気なお兄ちゃんの成れの果てって感じだなぁ。こんなにマクラ喋ってて嬉しいけど時間大丈夫なのかなぁ…漫才師みたいなノリだなぁ、でもテンポやリズム、風情いい!これはヒットかも、ワクワク。(マクラ聞いている私の心の中。)
予想的中!話の中身より醸し出される雰囲気を感じることが楽しみの私ですが、こしら師匠素敵です。おかみさんと番頭さんのやり取りのところ、おかみさんと番頭さんがそれそ全然違う風情に演じられる。で、人物像に温かみを感じます。みんな優しい人たちでしたね。うっかり財布盗んじゃった女中?さんに、もらったお金を分けてあげてほしいなぁと思いながら聴いていると、ちゃんとあげてくれる。こういうさりげない人情ものに弱い弱い。ほろっときちゃう。こしら師匠いいよー。
おふたりは全く違う雰囲気ながら、ドーンとその世界に引き込まれてしまいました。時間の厚みがすごく充実していたのでしょうか?1時間だったとは信じがたい、もっと長かったように思えます。飽きたから長く感じたのではないのです。不思議。
鼓ヶ滝はこれで3回目ぐらいで、出だしの一言で「鼓ヶ滝かな?」と思ったのですが、最後にこの歌人が誰であるか、また手直しをしてもらう人は珍しいという下り、全く記憶に残っていませんでした。同じ噺でも誰がどうやるかによって印象に残るところが変わるのでしょうか?古典落語とはいえ、噺家さんによってアレンジされているものなのか?御神酒徳利は現代のように感じました。こういうことをあれこれ思い始めると、他の人のも聴いてみたくなる、もっといろいろ聴いてみたくなる。こうやってだんだんハマっていってしまうのか(笑)
粋度合い高得点に加えサプライズな出会いに充実感いっぱい。幸せ。ありがとうございました!
(出てくると受付付近はもう次公演待ちの人でいっぱいでした。)
【はみだしてしまった、でも書きたいこと】
こしら師匠落語の中で語られた「占い」について。
深い!的をついている!と思わされる内容でした。私自身が占いを勉強しているのと、癒し系職業を頑張っていた時代があるためか、感慨深いものが残りました。
「こっちが何か言えば向こうだって何か反応してくる、それをつなぎ合わせれば答えになる。」
答えはすでに自分の中にあるとか、相談してくる人は実は既に答えは持っているとはよく聞くところです。そうなんだろうと私も思っています。これからはより確信を持って、それを実験してみようと思えたことも師匠の落語からのプレゼントでした。
この占い考察は元からこの落語にあるのか、果たして師匠の創作なのか…お、すみません、また同じこと感想してしまった。
【最後に、桜もち風オススメ楽しみ方】
◯シブラク公式サイトに書かれていることに誇張はなかった、そのままです!安心して、ぜひ!お出かけください。とにかく行ってみよう!
◯「ふたりらくご」オススメです!
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」4/11 公演 感想まとめ