渋谷らくごプレビュー&レビュー
2016年 4月8日(金)~12日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
立川左談次師匠、65歳。この回のトリです。17歳でかの立川談志師匠に入門、寄席で育った談志は、真打になった翌年には談志師匠の意向で一門ごと落語協会を脱退しました。なので、出会っていない落語ファンも、なかにはいるかもしれません。
「立川流の高弟はガラパゴス化していて、円熟したいまこそが聴きどき!」という見方もあります。時代がかわっても、「昔の寄席」の感覚で落語を続けている左談次師匠は、寄席時代の談志師匠のリズムとメロディを継承しているといっていいと思います。落語は笑ったり、感動して泣いたりするものですが、もう一つ「気持ちよさ」があります。その気持ちよさは、落語の音楽的な側面から生まれるもの。落語家さんの喋りのリズム、間合い、呼吸の使い方、声。どれか一つ一ヶ所でも狂ってしまえば、たちまち不協和音になる。左談次師匠は、どれもリズム間合い呼吸の使い方、どれもすべて絶品です。だから聴いていて落語が気持ち良い。落語で知らぬ間に身体が小刻みに揺れていて、会場の空気がスイングしている。もはや「歌」です。渋谷らくごにご来場くださる落語が初めてのお客様でさえも、左談次師匠の落語で共鳴して、気持ちよくなっている方を多く見ています。そして左談次師匠の言葉は、耳に心地よく響きます。耳触りもいい。落語界の最終兵器をご堪能ください。
左談次師匠に挑むのは3人の若手。鯉八さんは、創作らくごの使い手。落語の未知の部分を拡張している真っ最中です。ディストピア感がある落語。ろべえさんは、大学で物理学を専攻した理系の落語家。それでいて王道の古典落語を指向しています。研究者のように古典落語を現代に最適化し続けています。松之丞さんは、熱量で客席を圧倒する講談の方。講談がなにか知らなくても全く問題ありません。松之丞さんから止めどなく溢れてくる言葉の強さと迫力で、講談が好きになることは確実です。左談次師匠をどのように攻略していくのかも、見どころでしょう。
立川左談次
写真:橘蓮二