渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2016年 11月11日(金)~16日(水)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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11月15日(火)20:00~22:00 立川吉笑 神田松之丞** 桂春蝶 ★お楽しみ

「渋谷らくご」感情のジェットコースター

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プレビュー

トークゲスト:木村万里さん 演芸プロデューサー twitter@uzumarishiro

すべての高座を聴き終わったとき、どういう感情になっているのかわかりません。
人の心を動かす芸を繰り出す人々。笑わせたり、泣かせたり、怖がらせたり、驚かせたり。
感情の筋トレになります。それくらい、振り回されることまちがいなしですが、観る前とは世界の見方が変わることは、確かです。


▽立川吉笑 たてかわ きっしょう
26歳で入門、現在入門6年目、2012年4月二つ目昇進。
2015年『現在落語論』を出版。毎週独演会を開くプロジェクトが進行中。音楽番組の司会に抜擢される。酒豪のようで、ツイッターでは毎日お酒を飲まれているよう様子が観察できる。酒癖があまりよくないということもツイッターで観察できる。理系脳。

▽神田松之丞 かんだ まつのじょう
24歳で入門、芸歴9年目、2012年5月二つ目昇進。プロレス好き。今年は12月30日まで目一杯働かれる。いま演芸界で各方面で注目されている。渋谷らくごでは松之丞さんのクリアファイルを発売中。クリアファイル顔が密かなブームになっている。

▽桂春蝶 かつら しゅんちょう
19歳で入門、芸歴23年目、2009年8月「春蝶」を襲名する。
パン屋さんを見つけたら、必ずパンを買うそうで、パン屋さんでパンを見たり選んだりするときがホッとするとのこと。創作も手掛けるマルチプレイヤー。ツイッターのつぶやきが面白い。先日は東京メトロの石原さとみさんのポスターの前で立ち止まってしまった。

▽お楽しみゲスト

レビュー

11月15日(火)20時~ 渋谷らくご
文:桜もち Twitter@kasiwamoti55
事務員に化けている実は怪しい鍼灸師。マイノリティ応援の遺伝子が組み込まれてしまったに違いない志向です。
だんだんハマりつつある趣味は、占星術とタロット。理想の男性像は?と聞かれたら、「山本長五郎」と答えます。


立川吉笑(たてかわ きっしょう)「一人相撲」
神田松之丞(かんだ まつのじょう)「源平盛衰記 扇の的」
桂春蝶(かつら しゅんちょう)「ねずみ」
柳家三三(やなぎや さんざ) 「元犬」
★開演前と終演後にサンキュータツオによるトークあり。トークゲスト「木村万里」(演芸プロデューサー)



【万里さん、タツオさんへのラブレター /場が気になるから行く/感動】



  • トークゲスト:木村万里さんと 

    トークゲスト:木村万里さんと


  •  立川吉笑さん

    立川吉笑さん


  • 神田松之丞さん 

    神田松之丞さん


  • 桂春蝶師匠 

    桂春蝶師匠


  •  柳家三三師匠

    柳家三三師匠



おかげさまでめでたく2周年を迎えた「渋谷らくご」。
今回はお祭り企画盛りだくさん。それを嗅ぎつけたお客様がワンサワンサと、ユーロスペース目指して渋谷の人混みを通り、上り坂をいらっしゃったのかと思うと嬉しくなる。

珍しく時間がたっぷりあったのでたまにはギリギリじゃなく行っておきましょ…と、開演40分ぐらい前に到着したのだが、既に前売りのお客様がお待ちの長蛇の列。当日券の方も多数いらっしゃるご様子。
「わ、すごい会に当たった!やった!」と思う反面、「お客様優先ですから、こんな日はモニターさんは帰った帰った!」と言われちゃうかも…。
と、思いつつ待ち、お聞きしてみると、立ち見で見させていただけるとのこと。
ありがとうございます。

中に入れたのは開演7、8分前。通路にも座るお客様。立ち見もずらり。最後の方に入った私の整理券ナンバーは195!
たつおさんと万里さんがもう喋ってる、喋ってる。我らが渦チームの棟梁「万里さん」です。
「よ!渦産業!」と「大向こうから掛け声」のまねしたくなっちゃう。

「万里さーん。」

「自分は人前で話すのは苦手だから…。」とおっしゃるのですが…
が!舞台からの聞こえるおしゃべりは、テンポや声の調子、話し方、独特の間も素敵。
そして博学とずっと演芸の世界にいた生き字引みたいなことの中に、まりさん独自の美学とか気持ちとか、個性的でもそのベースにある暖かい味がにじんでいるトーク。きっとタツオさんもそうだろう。
人を引き立てるお仕事をしながら今ちょっとの間主役として二人は舞台に立っている。
実は、これが一番の楽しみで今日はやって来たのでした。

常から万里さんの素敵さを知るにつけ(底なし沼のよう。)、
「万里さんとかタツオさんみたいな方がもっと表に出て欲しいなぁ、思いを聞きたいし、新しいお客様を引き込めると思うんだけど。」と思っていた。

みなさん、万里さんのこと知ってましたか?
よく知らない方は是非、「渦」アカウントフォロー@uzumarishiroや、「まりしろ」(サイト)http://uzumarishiro.web.fc2.com/index.html
見てみてください。そして是非是非「渦」の公演を観に来てみてください!

また、タツオさんのブログ読みましたか?まだの方は是非、読んでみてください!

「サンキュータツオ教授の優雅な生活」
渋谷らくご短観 2016年9月、10月
http://39tatsuo.jugem.jp/?eid=1425

インターネット時代の前だったら、みんながもっと絞った情報を共有しやすかったのだけど、今はそれがしにくくなってしまっているので、一緒に盛り上がる話題というのが難しくなっていると思うんです。
『落語かなり好きなんだけど「木村万里」知らない。』人にもお会いします。

「落語好きなのに万里さん知らないの?」って言いたいのではないのです。
万里さんやタツオさんは一つの入り口。
自分以外のガイドさんを通してさらに世界を広げた方が面白い、利用させてもらわない手はないと思うのです。


タツオさんのブログの話に戻りますが、
今回の11月シブラクで企画したことを読ませてもらってから、非常に楽しみにしていましたし、
自分がなぜシブラクには「行ってみないと!」と思ったのかを感じることもできました。
何回も書いているところですが、落語に関しては消極的ファンな私。自分からワシワシと行こうとしない落語にあって、どうしてシブラクは違ったのか?

もともと誰が好きだから行くとかは単にきっかけなだけで、
なんとなく楽しそうだから、とか、それこそ「万里さんが組んだプログラムだから」が動機の私にとっては「お楽しみゲストが不評。」ということが意外でした。
「タツオさんが何をやってくれるのかが楽しみ!」
だからシブラクが気になる。何だか楽しそうなことが出てくる気配がする。見逃したら後悔する。(笑)


あ!忠臣蔵観に行ってますか?絶対行ったほうがいいですよ!(見逃したら後悔するで思い出した。)
特に今11月にやってる第二部は見所いっぱいで面白かったですから、今からでも席取って行きましょう!高い席しかなかったらそれでも行きましょう!(笑)
(実は中途半端な等級なら¥2,800の席で十分です。)


今回のレビューは各演目のは無しにさせていただきました。
これはちょっと勇気が要りましたが…

今回のおひとりおひとりの演目を拝見して、見た方と共有したい部分はもちろんあります。
それがさっと言葉に表現できるものとそうでないものがある。言葉にできるものがない演者さんもいらっしゃる。でもそれは感動がなかったのとは違う。

一人ずつ丁寧にレビューにしようとすると、言葉にできない感動を無理やり宿題のように言葉にすることになる。そうするとそれはつまらないものになってしまう。または本当に心に染み入ったことは他のことなんだけど、言葉にできるやすい方を選ぶ。一番面白いと思ったのではないことを表現しようするので、全然気持ちが盛り上がらない。
ずーっとこれについての葛藤があったんだと思います。なんかモヤモヤしていました。
じゃあ、盛り上がって言葉にできる演者さんのだけ書くということもできるのですが、それはなんとなく気が進まず…
なので、今月はなしにしてみました。

今回のシブラクを観ていて、
段々席があったまってきているのが肌で感じられて、一体感、そこにいるだけで楽しい、わくわく、をみんなで共有している感じがありました。
後ろで立って見てたからよく感じることができたのかも。気持ちよかったです。


感動ってなんでしょう?最近、感動したことありますか?
私は、もともと大好きな演者さんが7年振りにレコ初ライブで、ライブハウスに行ってきました。普段と違うバンド編成の豪華版、すごい感動して帰ってきました。久々の大感動。
なので、感動ってなんだろうとあらためて思って喜んでいるわけなのです。

人生の中でライブだけではありませんが、こういうすごい感動の体験を幾つか思い出せるんですけど、それは必ずしも平和な幸せとイコールでもないんですね。
むしろ気持ちがわさわさしちゃって他のことが手につかない、その唄ばっかり頭でリフレインしたり、空想お化けになっちゃったりして。

でも、やっぱりいいなぁ、それを味わっているの好きだなぁということを思い出した一夜でした。
そんな「感動」は出会おうと狙っても出会えない、不意にやってきたりする。いいもんだなぁと、
世間ではスーパームーンとやらでちよっぴり騒いでいた雨の晩のことでした。


【シブラクが好きな人、こんなのもいかが?】

各演目飛ばしたくせにすみません。手短に。

今回は「(続)深夜食堂」

映画がちょうど公開中です。別に映画の回し者ではありません。原作でも、TSUTAYAで借りられるやつでも何でも。

何が共通項かといいますと、「深夜食堂に集っている人たち。」
私には長屋、お風呂屋さん、床屋さんに集っている落語の世界の住人達と重なって見えます。
めちゃくちゃその時次第、行き当たりばったり人生の登場人物達。
「一緒やんか…。」

今月はこれにておしまいでございます。ありがとうございました。

せっかく見させていただいた演者さん達のこと、本当は何も書かないのもモヤモヤ。
ツイッターでポツポツ…、と思っております。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」11/15 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ