渋谷らくごプレビュー&レビュー
2017年 12月8日(金)~12日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
落語界の心臓 春風亭一之輔が渋谷らくごに久々の出演! 相手は、師匠 一朝と同期の立川左談次!
かつてない、そして今後もたぶんない、1時間。月曜から午後半休とっても観たい組み合わせ。
思い切って、きちゃいなよ!
▽立川左談次 たてかわ さだんじ
17 歳で入門、芸歴50年目、1982年12月真打ち昇進。読書好き。談志師匠とおなじ病気にかかり、病院に出たり入ったり。その様子がツイッターにアップされており、痛々しいというよりは、ほほえましい。先日二ヶ月ぶりに口に食べ物を入れた!!
▽春風亭一之輔 しゅんぷうてい いちのすけ
23歳で入門、芸歴18年目、2012年3月真打ち昇進。三児のパパ。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」での密着ドキュメンタリーが放送される。先日、赤坂の喫茶店で「チョウさんですか?」と話しかけられた。朝ドラの「わろてんか」を見守っている。
レビュー
文:さとーちずる Twitter:@chinnensadak 年代:30代、趣味:ビュッフェに行く。水泳。
12月11日18-19「ふたりらくご」
立川左談次(たてかわ さだんじ)「サイレント饅頭こわい」
春風亭一之輔(しゅんぷうてい いちのすけ)「らくだ」
私にとって、渋谷らくごを訪れるのはこの日が3ヶ月ぶり。落語も実に3ヶ月ぶり。
久々の落語が左談次師匠と一之輔師匠の「ふたりらくご」という、なんとも贅沢な1時間。1秒たりとも無駄にすることなく堪能せねば!と勇んで渋谷駅からユーロライブへと歩を進めました。
開場時刻の少し前に到着すると、ロビーから階段までお客さんが溢れている。人混みを抜けなんとか受付を済ますと、7分ほどで整理番号が呼ばれ、やっと会場の中へ。前方はほとんど埋まっているため、今日は後方の席へ。いつもと変わらない赤い椅子に腰掛ける。客席を見回すと、開演を楽しみにリラックスして待つお客さん達。改めて渋谷らくごって良いなぁと、思う。
この日は超満員札止めとのことで、お客さんでぎっしり。流石の大人気ぶり。ますます期待が高まります。
4月にレビューを書かせていただいて以来、8ヶ月ぶりに拝聴する左談次師匠のお声がだいぶ擦れていることに正直ショックを受けました。まくらの間、時折、左談次師匠の胸元のピンマイクがゴクリという喉の音を拾うため、左談次師匠の存在をいつもより近くに感じました。まくらではスケッチブックを駆使しながら、次々と名言を披露してくださいました。何故ここまでするのか。自分のわがままで高座に上がっているのだ。それはお客さんの「笑顔」のため。ガン患者の噺家の「ドキュメント」としては良いのではないか。ここにいるお客さん一人一人が「薬」。などなど。
そして演目は『サイレント 饅頭こわい』。お声が擦れているので「サイレント」と付くわけです。落語入門のような噺ですが、今時っぽい「ウィキで調べろ」というフレーズや駄洒落が左談次師匠らしい。何よりいたずらっ子のような左談次師匠の笑顔が見られて嬉しかった。
まくらも早々に、この日の演目は『らくだ』。乱暴で嫌われ者、「らくだ」とあだ名の付いた男がフグに当たって死んでしまった。兄弟分だというちんぴらが、らくだの亡き骸を発見する。するとタイミング悪く、屑家がらくだの家の前で声をかけてしまい、ちんぴらに呼び止められる。ちんぴらは、らくだの葬式を出してやろうと屑家を脅して、長屋に遣わせ香典を催促したり、大家に遣わせ酒やら煮しめやらを催促する。どすの利いた脅しより、敬語で丁寧に脅される方が妙に怖い。渋る大家に対しては、嫌がる屑屋にらくだを背負わせ、家に乗り込み「かんかんのう」を踊らせる。膝立ちで立ち上がり、両手を大きく広げて何とも言えない表情でかんかんのうを踊る一之輔師匠に会場からどっと笑いが起きる。らくだの家に戻ると、帰ろうとする屑屋に、ちんぴらが無理やり酒を勧める。初めはさっさと解放されたがっていた屑家も酒が進むにつれ気が大きくなり、あれだけ恐れていたちんぴらにタメ口をきいたり酒を注がせたり、ついには「アニキ」と呼ばれ立場が逆転してしまったよう。一之輔師匠独特のブラックユーモアが光る爆笑の一席でした。
そして印象的だったのは高座を下りる前、正座をしたまま床に額をつけるほど深々とお辞儀をされたこと。真打で実力も人気も揺るぎない大物が、お客さんに丁寧にお辞儀をされる姿にいつも感銘を受けます。
左談次師匠が高座を下り一之輔師匠と交代する袖で「お客さんに謝っといて」と仰ったそうですが、あの会場に集まっていた中に、謝罪してほしいと思ったお客さんなんていたでしょうか。お客さんを愛する左談次師匠。だから、お客さんからもこんなにも愛されるのだと思います。
声を振り絞り、力を振り絞りお客さんを楽しませてくれた左談次師匠の渾身の一席の後だから、一之輔師匠も負けじと力強い一席を見せてくれた、この日の「ふたりらくご」でした。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」12/11 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ
12月11日18-19「ふたりらくご」
立川左談次(たてかわ さだんじ)「サイレント饅頭こわい」
春風亭一之輔(しゅんぷうてい いちのすけ)「らくだ」
私にとって、渋谷らくごを訪れるのはこの日が3ヶ月ぶり。落語も実に3ヶ月ぶり。
久々の落語が左談次師匠と一之輔師匠の「ふたりらくご」という、なんとも贅沢な1時間。1秒たりとも無駄にすることなく堪能せねば!と勇んで渋谷駅からユーロライブへと歩を進めました。
開場時刻の少し前に到着すると、ロビーから階段までお客さんが溢れている。人混みを抜けなんとか受付を済ますと、7分ほどで整理番号が呼ばれ、やっと会場の中へ。前方はほとんど埋まっているため、今日は後方の席へ。いつもと変わらない赤い椅子に腰掛ける。客席を見回すと、開演を楽しみにリラックスして待つお客さん達。改めて渋谷らくごって良いなぁと、思う。
この日は超満員札止めとのことで、お客さんでぎっしり。流石の大人気ぶり。ますます期待が高まります。
立川左談次師匠
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立川左談次師匠
4月にレビューを書かせていただいて以来、8ヶ月ぶりに拝聴する左談次師匠のお声がだいぶ擦れていることに正直ショックを受けました。まくらの間、時折、左談次師匠の胸元のピンマイクがゴクリという喉の音を拾うため、左談次師匠の存在をいつもより近くに感じました。まくらではスケッチブックを駆使しながら、次々と名言を披露してくださいました。何故ここまでするのか。自分のわがままで高座に上がっているのだ。それはお客さんの「笑顔」のため。ガン患者の噺家の「ドキュメント」としては良いのではないか。ここにいるお客さん一人一人が「薬」。などなど。
そして演目は『サイレント 饅頭こわい』。お声が擦れているので「サイレント」と付くわけです。落語入門のような噺ですが、今時っぽい「ウィキで調べろ」というフレーズや駄洒落が左談次師匠らしい。何よりいたずらっ子のような左談次師匠の笑顔が見られて嬉しかった。
春風亭一之輔師匠
まくらも早々に、この日の演目は『らくだ』。乱暴で嫌われ者、「らくだ」とあだ名の付いた男がフグに当たって死んでしまった。兄弟分だというちんぴらが、らくだの亡き骸を発見する。するとタイミング悪く、屑家がらくだの家の前で声をかけてしまい、ちんぴらに呼び止められる。ちんぴらは、らくだの葬式を出してやろうと屑家を脅して、長屋に遣わせ香典を催促したり、大家に遣わせ酒やら煮しめやらを催促する。どすの利いた脅しより、敬語で丁寧に脅される方が妙に怖い。渋る大家に対しては、嫌がる屑屋にらくだを背負わせ、家に乗り込み「かんかんのう」を踊らせる。膝立ちで立ち上がり、両手を大きく広げて何とも言えない表情でかんかんのうを踊る一之輔師匠に会場からどっと笑いが起きる。らくだの家に戻ると、帰ろうとする屑屋に、ちんぴらが無理やり酒を勧める。初めはさっさと解放されたがっていた屑家も酒が進むにつれ気が大きくなり、あれだけ恐れていたちんぴらにタメ口をきいたり酒を注がせたり、ついには「アニキ」と呼ばれ立場が逆転してしまったよう。一之輔師匠独特のブラックユーモアが光る爆笑の一席でした。
そして印象的だったのは高座を下りる前、正座をしたまま床に額をつけるほど深々とお辞儀をされたこと。真打で実力も人気も揺るぎない大物が、お客さんに丁寧にお辞儀をされる姿にいつも感銘を受けます。
左談次師匠が高座を下り一之輔師匠と交代する袖で「お客さんに謝っといて」と仰ったそうですが、あの会場に集まっていた中に、謝罪してほしいと思ったお客さんなんていたでしょうか。お客さんを愛する左談次師匠。だから、お客さんからもこんなにも愛されるのだと思います。
声を振り絞り、力を振り絞りお客さんを楽しませてくれた左談次師匠の渾身の一席の後だから、一之輔師匠も負けじと力強い一席を見せてくれた、この日の「ふたりらくご」でした。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」12/11 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ