渋谷らくごプレビュー&レビュー
2017年 12月8日(金)~12日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
違和感のあるギャグもない、でも工夫がないわけじゃない。想像の邪魔を一切せず、自然に世界へ誘い、自然に笑わせる。
語る人の個性がちがうだけで、落語というのはこれほどにさまざまな表情を見せるのかとハッとさせられもする。
ザ・落語 というものを味わいたい人は必聴です。
▽雷門音助 かみなりもん おとすけ
23歳で入門、芸歴6年目、2016年2月二つ目昇進。私服はチェックシャツを着こなし。レトロで可愛らしい眼鏡をかけている。学生時代は、京都の花街にあるおしゃれな喫茶店でバイトをしていたとのこと。好きな食べ物はそばとすあま。
▽橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
19歳で入門、芸歴36年目、1997年3月真打ち昇進。オヤジの小言マシーンぶりは渋谷らくごでも爆笑を生んでいる。この時期は可愛らしいパーカーを着て楽屋にいらっしゃる。フルマラソンを走りきったあとに、寄席でトリを取るほどの強靭な体力の持ち主。
レビュー
文:月夜乃うさぎTwitter:@tukiusagisann 趣味:茶道 猫のいるカフェ巡り
雷門音助(かみなりもん おとすけ)「小言幸兵衛」
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)「厩火事」
12月ですね。
師走の街を歩く人々の服装にコートやマフラーが増えて行く中、今月も東急本店前を通り、丸山町へのゆるい坂を上って渋谷らくごさんへまいりました。
1階のカフェでカフェオレのホットを頼んで、冬の空をぼんやりながめて待つなどの余裕がある今、そういえば、最初、渋谷らくごさんへは、ガチガチに緊張して、道に迷いながら、初来場したことなどを回想しました。
社会での細かい規制や学校の校則など、自然体でいても厳守された人生を送って来られたような、爽やかで真面目で腰も低そうな音助さん。誰からも愛される落語家さんとして席亭さんからの支持も高く、かつてはスーパー前座と呼ばれ、厚い人望を持つ落語家さん。
そんな、いかにも人格者のような音助さんが今回選んだ演目は「小言幸兵衛」というお噺でした。
現在社会でいえば、この噺は、近隣に暴力団事務所があったり放火され易い「ワケあり物件」やクレーマー住民の話題に例えられるでしょうか。
テレビもインターネットなく、ニュースも全国ネットで見られない江戸時代の長屋にも、ワケあり物件やクレーマーみたいなことは世間が認識できる程はよくあって、それを落語で笑い飛ばしていたのかと想像してみると、今も昔も人は変わらないように感じました。
音助さんが演じているせいか幸兵衛さんは悪い人には見えなくて、きっと小言をいう人には悪意はなく、人と距離を取るのが下手で、優しく言えないのかな。
不器用さで執拗に妄想に走って「、言ってしまう様子が、音助さんの落語を通して表現されていました。
なかなかダイナミックで芸術的な未来予想を盛り込んだ音助さんの小言、おもしろかったです。
落語は一人芝居です。出囃子や上方落語でのハメモノ(効果音や演奏)が、入る以外は、全てご自分であらゆる登場人物にならなければいけません。
そのような、一人芝居を見ていて、かつて涙が止まらなくなったことがありました。
2年前の圓太郎師匠の「芝浜」です。悲しみの涙ではなく感動の涙で、それは、2席目の演者さんが何をしたのかも覚えていない程、しばらく心が次の噺について行けなくなったのです。
その後も圓太郎師匠の落語を拝聴することはありまして、珍しい噺では風景に、時にはやり取りでじわじわとツボに入ったり、何度も聴いている噺でも、圓太郎師匠の時は、感情が噺に持って行かれてしまうことが度々あります。
今回の「厩火事」の圓太郎師匠では、笑いももちろんですが髪結いのおさきさんが動揺するといつの間にか、気持ちを揺すぶられる体験をしました。2年前の「芝浜」の時と似たような感情の波をじわっと感じました。
どちらかというと、物語を、追いかけたがる自分が、圓太郎師匠の時は、演目は関係なく感情面で何かが起きる謎。
この圓太郎師匠の落語に、引き込まれて心が揺れるひとときを、是非!
最高のひとときでした。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」12/12 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ
雷門音助(かみなりもん おとすけ)「小言幸兵衛」
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)「厩火事」
12月ですね。
師走の街を歩く人々の服装にコートやマフラーが増えて行く中、今月も東急本店前を通り、丸山町へのゆるい坂を上って渋谷らくごさんへまいりました。
1階のカフェでカフェオレのホットを頼んで、冬の空をぼんやりながめて待つなどの余裕がある今、そういえば、最初、渋谷らくごさんへは、ガチガチに緊張して、道に迷いながら、初来場したことなどを回想しました。
雷門音助さん「小言幸兵衛」
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雷門音助さん
社会での細かい規制や学校の校則など、自然体でいても厳守された人生を送って来られたような、爽やかで真面目で腰も低そうな音助さん。誰からも愛される落語家さんとして席亭さんからの支持も高く、かつてはスーパー前座と呼ばれ、厚い人望を持つ落語家さん。
そんな、いかにも人格者のような音助さんが今回選んだ演目は「小言幸兵衛」というお噺でした。
現在社会でいえば、この噺は、近隣に暴力団事務所があったり放火され易い「ワケあり物件」やクレーマー住民の話題に例えられるでしょうか。
テレビもインターネットなく、ニュースも全国ネットで見られない江戸時代の長屋にも、ワケあり物件やクレーマーみたいなことは世間が認識できる程はよくあって、それを落語で笑い飛ばしていたのかと想像してみると、今も昔も人は変わらないように感じました。
音助さんが演じているせいか幸兵衛さんは悪い人には見えなくて、きっと小言をいう人には悪意はなく、人と距離を取るのが下手で、優しく言えないのかな。
不器用さで執拗に妄想に走って「、言ってしまう様子が、音助さんの落語を通して表現されていました。
なかなかダイナミックで芸術的な未来予想を盛り込んだ音助さんの小言、おもしろかったです。
橘家圓太郎師匠「厩火事」
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橘家圓太郎師匠
落語は一人芝居です。出囃子や上方落語でのハメモノ(効果音や演奏)が、入る以外は、全てご自分であらゆる登場人物にならなければいけません。
そのような、一人芝居を見ていて、かつて涙が止まらなくなったことがありました。
2年前の圓太郎師匠の「芝浜」です。悲しみの涙ではなく感動の涙で、それは、2席目の演者さんが何をしたのかも覚えていない程、しばらく心が次の噺について行けなくなったのです。
その後も圓太郎師匠の落語を拝聴することはありまして、珍しい噺では風景に、時にはやり取りでじわじわとツボに入ったり、何度も聴いている噺でも、圓太郎師匠の時は、感情が噺に持って行かれてしまうことが度々あります。
今回の「厩火事」の圓太郎師匠では、笑いももちろんですが髪結いのおさきさんが動揺するといつの間にか、気持ちを揺すぶられる体験をしました。2年前の「芝浜」の時と似たような感情の波をじわっと感じました。
どちらかというと、物語を、追いかけたがる自分が、圓太郎師匠の時は、演目は関係なく感情面で何かが起きる謎。
この圓太郎師匠の落語に、引き込まれて心が揺れるひとときを、是非!
最高のひとときでした。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」12/12 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ