渋谷らくごプレビュー&レビュー
2018年 1月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
大学も卒業したりすると、大人の話を2時間黙って聴く機会というのもなくなるものです。
ですが、黙って人の話を聴いて、こんなに楽しめる時間というのがあったのかと、「話を聴く」「想像する」ことの楽しさに、そろそろ目覚めてもいい!
笑二さん、扇里師匠、馬石師匠と、渋谷らくごの心臓といってもいい面々でお送りする落語、そして今年も元気な奈々福さんの唸る浪曲をご堪能あれ。
▽立川笑二 たてかわ しょうじ
20歳で入門、芸歴7年目、2014年6月に二つ目昇進。沖縄出身の落語家。お酒を飲んでいない日、寝る前に現代文の問題を解いている。飲み会に参加することが多いが、気付くと寝てしまっている。2017年9月からツイッターの更新がされていない。
▽入船亭扇里 いりふねてい せんり
19歳で入門、芸歴22年目、2010年真打ち昇進。熱狂的な横浜DeNAベイスターズファン。食べられない時期は競馬で稼いでいた。渋谷らくごのポッドキャストから「扇里ファン」が急増中。基本的に朝たっぷり寝たいタイプ。馬石師匠がいると楽屋で甘える。
▽玉川奈々福 たまがわ ななふく
1995年曲師(三味線)として入門、芸歴22年目。浪曲師としては2001年より活動。2012年日本浪曲協会理事に就任。「シブラクの唸るおねえさん」。浪曲の稽古に熱が入りすぎて足を捻挫するという珍エピソードを持つ。年末に断捨離を決行した。
▽隅田川馬石 すみだがわ ばせき
24歳で入門、芸歴24年目、2007年3月真打昇進。高座を終えて楽屋を出る速度が渋谷らくごの出演者の中で最も早い。扇里師匠がいると、20年前を思い出し叱りたくなってしまう。75歳で落語家のピークを迎えるよういまから調整している。
レビュー
1月13日(土)「渋谷らくご」20:00~22:00
立川笑二(たてかわ しょうじ)「蜘蛛駕籠」
入船亭扇里(いりふねてい せんり)「火事息子」
玉川奈々福(たまがわ ななふく)・沢村豊子(さわむら とよこ)「寛永三馬術 愛宕山梅花の誉れ」
隅田川馬石(すみだがわ ばせき)「松曳き」
「ご馳走落語」
お腹いっぱいです。メイン4品って感じ。こんなに贅沢いいのでしょうか。明日からおかず抜きとかじゃないですか。心配になっちゃいます。
どんなに沢山着込んでも、少ない肌色の部分が痛い。冬ってこんなに寒かったっけ。あれ、毎年言ってる気がする。
そんなことはさておき、早くシブラクに温めてもらおう。
立川笑二-蜘蛛駕籠
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立川笑二さん
笑二さんが出囃子で使われている「てぃんさぐぬ花」、調べたら歌詞が10番まである。まじすか。
その全部が、なんとも染みる歌詞。すぐ出てくるのでこれを最後まで読み終えたら検索してみて下さい。じわっと染みますよ。
客を待ってる駕籠屋の前に現れる、なんとも変わった人達を笑二さんが面白おかしく演じる。私はとにかく「駕籠屋、駕籠屋」と歌って踊る奴の場面が好きだ。まるでコントを見てるかのようだった。
駕籠屋にとっては大変迷惑だが皆強烈で印象深い。
なんだか今日は駕籠に乗って家に帰りたい気分だなあ。「おい駕籠屋、品川までやっておくれ」
入船亭扇里-火事息子
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入船亭扇里師匠
丁寧に江戸の火事、半鐘の鳴らし方を教えてくださり、段々と温まったところで、スゥッと徳之助が見た夢に入る。
母の愛は深い、底がない。時に悲しくなるほどに。
久し振りに立ち寄った実家では母が病に伏している。聞くところによると頑なに薬を飲んでくれないらしい。徳之助が理由を尋ねると、愛する息子との思い出が詰まった家だが、今や息子が居ないこの場所で、苦い薬を飲んでまで長生きする気は無いという。
「お袋、俺が帰ってきたら、薬飲んでくれるのかよ。俺が帰ってきたら、薬、飲んでくれるのかよ。」
……なんだ、夢だったのか。
火事が好きで、身分の低い臥煙になってしまった。実家からは勘当されてしまうが、うなされながらも見てしまうのは母の夢。勘当しても、されても、お互いを思い続けている親と子。番頭の計らいで数年振りに会えた母の姿は、もしかしたら溢れる涙のせいで夢よりぼんやりして居たかもしれない。
玉川奈々福/沢村豊子-寛永三馬術 愛宕山梅花の誉れ
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玉川奈々福さん・沢村豊子師匠
家光公から急勾配な石段上の梅を馬に乗って取ってこいと命じられる。家臣達は本当、冗談じゃないよって感じ。三人挑戦するが三人ともあっけなく命を落とす。死に損だ。冗談であってくれ。そこへ「お待ちください!」と声を上げるのは曲垣平九郎こと奈々福さんと馬の豊子師匠。二人は浪曲と同じようにお互いを思い合いながら石段を一段一段上がっていく…。
奈々福さんの響き渡る声、豊子師匠の力強いお三味線は今年初の浪曲にぴったり、むしろ贅沢過ぎた。
シブラクの唸るおねえさん、本当の意味は観客を唸らせるという意味じゃなかろうか。
隅田川馬石-松曳き
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隅田川馬石師匠
落ち着きのなさとか、そそっかしさって結構うつりませんか。影響うけちゃいますよね。そんな粗忽者の殿様と用人三太夫さんのあわてんぼう噺。二人の会話は漫才の両方ボケのような感じ。ツッコミを加えてトリオ漫才にしたらきっと爆発的に売れるんじゃないでしょうか。はっ、違いました、爆発的は馬石師匠で願います。
手紙やメールを最後まで読まずに勘違いをしてヘマをしてしまうこと、仕事中の私も結構あるので少々反省しながら聴きました。
大事な時こそ落ち着きが必要ですよね、深呼吸深呼吸。
最後に、丁寧な言葉でお礼を申し上げます。
お隅田川馬石師匠、本日もお素敵なお落語、大変ありがとうたてまつりまする。殿のぽかんとした顔が眼に浮かぶ。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」1/13 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ