渋谷らくごプレビュー&レビュー
2018年 1月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
二つ目 柳家わさびがトリをとる!
そろそろ真打が目前に迫ってきた柳家わさびさん。落語家は、真打になる前後がもっとも味わい深い! そんな食べ頃のわさびを味わってみてくださいね。
談吉さん、小痴楽さんという二つ目も負けていられない実力派。百栄師匠がゆったり緊張をやわらげてくださいます。
▽立川談吉 たてかわ だんきち
26歳で入門、芸歴10年目、2011年6月二つ目昇進。昨年はちょっとしたことがきっかけで新興宗教に入りそうになったらしい。コミックマーケットで詩集を販売しているが、驚くほどの早さで完売する。頑張った日は紹興酒を飲む。
▽柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
16歳で入門、芸歴12年目、2009年11月二つ目昇進。落語芸術協会の二つ目からなる人気ユニット「成金」メンバー。いま歌舞伎熱が高まっている。この年末はウィルス性胃腸炎に悩まされる。映画好き。今年最初に見た映画はオリエンタル急行殺人事件。
▽春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ
年を取らない妖精のような存在。静岡県静岡市出身、2008年9月真打ち昇進。
不思議な風貌で、危ないネタをかけつづている。落語協会の野球チームでは、名ピッチャーとして活躍する。
アメリカで寿司職人のバイトをしたことがある。猫が大変お好きという意外は日常生活の様子を見せない。
▽柳家わさび やなぎや わさび
23歳で入門、芸歴14年目、2008年二つ目昇進。痩せ形で現在の体重は52kg。NHK-BSの「our SPORT!」にレギュラー出演中。59分48秒71並んで浅草寺に初詣をした。「純喫茶コレクション」というアカウントをフォローしている。
レビュー
立川談吉(たてかわ だんきち)-蝦蟇の油
柳亭小痴楽(りゅうてい こちらく)-浮世床−将棋・夢−
春風亭百栄(しゅんぷうてい ももえ)-寿司屋水滸伝
柳家わさび(やなぎや わさび)-幇間小僧
■新年からたのしい!
1月は、お寺や神社では初詣が慣例で行われているように、落語の世界では、寄席や落語会の初席が慣例のようです。茶道でも新年には「初釜」というお茶会が慣例で行われます。新年や今年の干支に因んだ和菓子やお茶碗、おめでたい掛け軸が飾られます。渋谷らくごさんでも、新年のおもてなしのように、落語家さんたちの真新しい手拭いなどが、ロビーに彩り鮮やかに飾られていて、スタッフの方や演者さんからのおもてなしを感じて、嬉しかったです。
キュレーターのサンキュータツオさんの前説が、細かくておもしろいのも、今や渋谷らくごへ行く楽しみの一つになっています。
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立川談吉さん
新年の初席らしく、ハレの時に着用する黒紋付で高座へ上がられた談吉さん。
立川談志師匠の最後のお弟子さんで、現在は立川左談次師匠のお弟子さんです。
このお二人の師匠に、社会経験もなく長い年月で関わって来たなんて、とても濃い落語家人生を若くして経験していそうです。どんな芸風の方なのか気になります。
談吉さんは、酔っ払いの破天荒なマクラから「蝦蟇の油」へ。
始まりから終わりまで、よく通る高い声での流暢なセリフ。少し低めに高めに凹凸を付けることもなく会場全体に届く談吉さんの声は、とても聞き取り易いです。
酔った時の酩酊ぶりはお見事で、刀で切ったところから血がドクドク流れて助けを求めるまでの所は、痛みや恐怖がじわじわ伝わって来てました。気まぐれに映画館に入ったら、サイコな映画だった時と似た感覚で、(蝦蟇の油ってこんな血みどろの怖い噺だっけ?)と「蝦蟇の油」を今までとは違う角度から拝聴できました。新鮮ですね。他にはどんな落語をかけているのでしょう。
また談吉さんの落語が拝聴できたら嬉しいです。
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柳亭小痴楽さん
偉大な師匠を二人も持つ談吉さんもプレッシャーがあるでしょうが、お父様が落語家さんでも、プレッシャーがあるのかもと、ご本人をお見かけするまで「勝手な妄想」をしていました。けれど、小痴楽さんの高座を拝聴したところ、全く気にしてなさそうに明るく家庭事情を語られます。小痴楽さんのマクラからは、小さい頃から、ご自分の身に起こるあらゆる状態をすなおに受け入れて、楽しんで来たおおらかさを感じます。そして、軽快な早口の口調とストレートなもの言いは、小痴楽さんの落語が心地良く感じる要素でもあります。「浮世床」も良い意味で無邪気で軽くて楽しかったです。
小痴楽さんには40歳になっても、50歳になっても、60歳になっても、70歳になっても、永遠に今のまま、素直で軽快な落語家さんでいてほしいです。
(2月のシブラクではなんと!「しゃべっちゃいなよ」に小痴楽さん初登場!彦いち師匠から出演依頼の赤紙が?)
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春風亭百栄師匠
百栄師匠のイメージは、ルイス・キャロルの児童小説「不思議の国のアリス」のチェシャ猫や、ジブリ作品のキャラクターでいうと「猫バス」みたいな大きくて可愛い猫ちゃんです。通りすがりに拝見した百栄師匠の私服は、花柄で可愛らしくて、大きな猫ちゃんが飼い主の女の子に花柄のねこ服を着せられているような雰囲気があり、可愛いらしい師匠です。
そんな百栄師匠の師匠もメルヘンの住民かというと、話しかたが江戸っ子風の永井荷風先生を想わせる春風亭栄枝師匠です。実は、私の第2の故郷(?)巣鴨近辺が地元の方で、人懐っこい落語家さんとして地元で親しまれていらっしゃいます。栄枝師匠の人懐っこさを考えてみますと「百栄師匠がアメリカで寿司職人をやっていたときに栄枝師匠と知り合い弟子入りした」というエピソードに納得します。
今回の「寿司屋水滸伝」は寿司職人だった百栄師匠の経験から創作されたのでしょう。こんなにおもしろいお噺の原動力になるなんて。人生に無駄な経験などないのだと改めて考えました。
(2月は百栄師匠がプラストの中継で全国から視聴できる金曜日20時からにご出演です。)
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柳家わさびさん
ベテランの百栄師匠の後でトリを取るわさびさん。古典落語を2つかけられなくなったのを「百栄師匠の新人いびり」と百栄師匠のマクラをいじり返す機転の良さ。師匠は柳家さん生師匠です。
わさびさんはTBS笑点の若手落語家さんのご出演でも「痩せすぎと機転の良さ」で注目されている落語家さんで、渋谷らくごでまで、身長180センチくらいで体重52キロをサンキュータツオさんに言われていましたね。(笑)
ああ!でも、TBS笑点しかご覧になっていないお客様に、落語をするわさびさんも見せてあげたいです。落語の時のわさびさんもおもしろいですから!今回はおもしろい新作落語を作る百栄師匠との競演だったので、たのしみでした。
今回の「幇間小僧」は、わさびさんならではのブラックユーモアがピリリと効いていて、上司から部下へのS(サド)っぽいイジリには大いに笑い転げました。
皆様それぞれマクラから落語まで盛り上がってたのしかったです。渋谷らくご初席、ありがとうございました。
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」1/13 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ