渋谷らくごプレビュー&レビュー
2018年 1月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
ポッドキャストやラジオ(文化放送「渋谷らくごのラジオ」)でも大反響の立川寸志さん。
創作らくご大賞をものにし、真打昇進も間近の創作の鬼、古今亭駒次さん。
昨年一年で渋谷らくごの象徴的な存在であった瀧川鯉八さん。
才能ある3人の演者を、1時間で味わえます。これからこの3人、売れます!
▽立川寸志 たてかわ すんし
44歳で入門、芸歴6年目、2015年二つ目昇進。2017年渋谷らくご賞「たのしみな二つ目賞」受賞。年末に声が出なくなったが響声破笛丸という漢方薬で回復した。家で突然歌いだす癖がある。2017年1年間の立川流一門会の出演料をなくしてしまう。
▽古今亭駒次 ここんてい こまじ
24歳で入門。芸歴15年目、東京都渋谷区出身。鉄道をこよなく愛し、鉄道に関するコラムを執筆するほど。2017年創作らくご「しゃべっちゃいない」で創作大賞を受賞。審査員の長嶋有さんのファンで、受賞式で長嶋さんからサインをもらう。
▽瀧川鯉八 たきがわ こいはち
24歳で入門、芸歴11年目、2010年二つ目昇進。2017年第三回渋谷らくご大賞「おもしろい二つ目賞」を受賞。ダイエットを試みているが朝からお刺身を食べたりピザパンを食べたりと奔放な生活を送っている。3月23日内幸町ホールで独演会「チャオ」を開催。
レビュー
文:さとーちずる Twitter:@chinnensadak 年代:30代、趣味:ビュッフェに行く。水泳。
1月15日18-19「各賞受賞者の会」
立川寸志(たてかわ すんし)「短命」
古今亭駒次(ここんてい こまじ)「ラジオデイズ」
瀧川鯉八(たきがわ こいはち)「おちよさん」
この日は立川寸志さん、古今亭駒次さん、瀧川鯉八さんの「各賞受賞者の会」とのことで、どんな1時間になるのか、とても楽しみにしていました。
「楽しみ」というのは、将来とかこれからに期待という意味だと思うが、二つ目の中でも一番か二番目に年長の自分にはこれからの楽しみは少ないと思う。来年には芸が円熟して、次の年にはタツオさんから「芸が枯れましたね」と言われるのではないか、と自虐でお客さんの笑いを誘います。さらに、このお話を奥様にされたところ「咲け!(=枯れる前に咲け)」と切り返されたとのこと。さすが、噺家の奥様!と感心させられました。
本編は「短命」。ハチとご隠居の会話で始まります。ハチが言うには、伊勢屋の婿養子がまた死んだとか。これで3人目。伊勢屋の先代の主人が亡くなり、超美人のひとり娘が婿を取るのだが、次々に死んでしまう。いったい原因は何なのか…。外に出かける時はいつも仲良く、二人一緒。食事時になると、まるでおままごとのように、娘がご飯をよそいお茶碗に両手を添えて「あなた」と言って差し出す。婿がそれを受け取る。指と指が触れ、見上げると目の前にはかぶりつきたくなるような良い女。家の奥では二人っきり。時間もたっぷりある。となれば、することは一つ…。なるほど、毎日そんな生活を続けていれば短命にもなるというものだ。
色気があって、聞き手の想像を掻き立てるお噺です。私は伊勢屋のひとり娘を想像する時、雪のように色が白くて、鼻筋の通った、目元はパッチリとしつつ涼しげな、すっぴん美人を思い浮かべます。皆さんはどんな美人を思い浮かべますか?
この日の演目は「ラジオデイズ」。学生時代、深夜ラジオに夢中になった経験を基に創作されたのだそうです。
あるラジオ番組にハガキを投稿する少年。人気デュオ「チャコとカフカ」のチャコがパーソナリティを務める深夜ラジオ。小さな田舎町ではチャコのファンだなんて知られたら生きていけない。だから隠れて隣町のポストまでハガキを投函しに行く。そんな地味な少年にある日、事件が起きる。
少年誌のギャグ漫画のような展開が面白い。最後は意外だけどハッピーな結末。是非、実際に生で聴いていただきたい。このチャコのモデルはチャゲさんとのことで、時折フィクションとノンフィクションが入り混じるところがまた面白かったです。
私はこの日、初めて駒次さんの落語を拝聴しましたが、親しみやすくて好きです。他のお噺も是非、また聴いてみたいと思いました。
私が落語に興味を持ち始めた頃、渋谷らくごのポッドキャスト「まくら」で好んで聴いていたのが鯉八さんでした。
この日は、大賞受賞の喜びと共に、渋谷らくごに参加している噺家の中で大賞を狙っているのは、きっと自分だけでしょう。今年も大賞を狙います。と頼もしい宣言をして下さいました。それから、落語史上、空前の落語ブームの今この時に、渋谷らくご大賞をとったのは僕です!との自画自賛が何とも鯉八さんらしくておかしい。
本編は「おちよさん」。演歌の口上に感銘を受けて創作された作品だそうです。身投げをしようとする女。それを止めようとする男。実際身近にいたらイラっとしそうな癖のある二人のやり取りが面白い。そして、最後は力が抜けてしまうようなオチ。この日も独特な鯉八ワールドを楽しませていただきました。
「各賞受賞者の会」。三者三様、それぞれの個性の光る1時間でした。今後ますますのご活躍を期待しております!
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」1/15 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ
1月15日18-19「各賞受賞者の会」
立川寸志(たてかわ すんし)「短命」
古今亭駒次(ここんてい こまじ)「ラジオデイズ」
瀧川鯉八(たきがわ こいはち)「おちよさん」
この日は立川寸志さん、古今亭駒次さん、瀧川鯉八さんの「各賞受賞者の会」とのことで、どんな1時間になるのか、とても楽しみにしていました。
立川寸志さん
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立川寸志さん
「楽しみ」というのは、将来とかこれからに期待という意味だと思うが、二つ目の中でも一番か二番目に年長の自分にはこれからの楽しみは少ないと思う。来年には芸が円熟して、次の年にはタツオさんから「芸が枯れましたね」と言われるのではないか、と自虐でお客さんの笑いを誘います。さらに、このお話を奥様にされたところ「咲け!(=枯れる前に咲け)」と切り返されたとのこと。さすが、噺家の奥様!と感心させられました。
本編は「短命」。ハチとご隠居の会話で始まります。ハチが言うには、伊勢屋の婿養子がまた死んだとか。これで3人目。伊勢屋の先代の主人が亡くなり、超美人のひとり娘が婿を取るのだが、次々に死んでしまう。いったい原因は何なのか…。外に出かける時はいつも仲良く、二人一緒。食事時になると、まるでおままごとのように、娘がご飯をよそいお茶碗に両手を添えて「あなた」と言って差し出す。婿がそれを受け取る。指と指が触れ、見上げると目の前にはかぶりつきたくなるような良い女。家の奥では二人っきり。時間もたっぷりある。となれば、することは一つ…。なるほど、毎日そんな生活を続けていれば短命にもなるというものだ。
色気があって、聞き手の想像を掻き立てるお噺です。私は伊勢屋のひとり娘を想像する時、雪のように色が白くて、鼻筋の通った、目元はパッチリとしつつ涼しげな、すっぴん美人を思い浮かべます。皆さんはどんな美人を思い浮かべますか?
古今亭駒次さん
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古今亭駒次さん
この日の演目は「ラジオデイズ」。学生時代、深夜ラジオに夢中になった経験を基に創作されたのだそうです。
あるラジオ番組にハガキを投稿する少年。人気デュオ「チャコとカフカ」のチャコがパーソナリティを務める深夜ラジオ。小さな田舎町ではチャコのファンだなんて知られたら生きていけない。だから隠れて隣町のポストまでハガキを投函しに行く。そんな地味な少年にある日、事件が起きる。
少年誌のギャグ漫画のような展開が面白い。最後は意外だけどハッピーな結末。是非、実際に生で聴いていただきたい。このチャコのモデルはチャゲさんとのことで、時折フィクションとノンフィクションが入り混じるところがまた面白かったです。
私はこの日、初めて駒次さんの落語を拝聴しましたが、親しみやすくて好きです。他のお噺も是非、また聴いてみたいと思いました。
瀧川鯉八さん
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瀧川鯉八さん
私が落語に興味を持ち始めた頃、渋谷らくごのポッドキャスト「まくら」で好んで聴いていたのが鯉八さんでした。
この日は、大賞受賞の喜びと共に、渋谷らくごに参加している噺家の中で大賞を狙っているのは、きっと自分だけでしょう。今年も大賞を狙います。と頼もしい宣言をして下さいました。それから、落語史上、空前の落語ブームの今この時に、渋谷らくご大賞をとったのは僕です!との自画自賛が何とも鯉八さんらしくておかしい。
本編は「おちよさん」。演歌の口上に感銘を受けて創作された作品だそうです。身投げをしようとする女。それを止めようとする男。実際身近にいたらイラっとしそうな癖のある二人のやり取りが面白い。そして、最後は力が抜けてしまうようなオチ。この日も独特な鯉八ワールドを楽しませていただきました。
「各賞受賞者の会」。三者三様、それぞれの個性の光る1時間でした。今後ますますのご活躍を期待しております!
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」1/15 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ