渋谷らくごプレビュー&レビュー
2018年 7月13日(金)~17日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
なにはともあれ、笑いたい。そういうニーズをお持ちのお客様はぜひこの会にいらしてください。
トリの文菊師匠は、笑わせることも、泣かせることも、怖がらせることも自在の、脅威の若手真打。必ずやシビれる余韻を残してくれることでしょう。乞うご期待!
▽立川こしら たてかわ こしら
21歳で入門、芸歴21年目、2012年12月真打昇進。フットワークが軽く、日本のみならず海外でも独演会を開催。仮想通貨に詳しく、最近は仮想通貨研究家という肩書きでマスコミに出演。先月は、テレビ東京の『美の巨人たち』にも出演する。
▽三遊亭遊雀 さんゆうてい ゆうじゃく
23歳で入門、芸歴31年目、2001年9月真打ち昇進。私服がおしゃれ。この時期は半袖Tシャツに、ジーンズ。背が高い。いわゆるゾーンに入っている遊雀師匠の高座は「ダークサイド遊雀」と呼ばれる、前回の渋谷らくごは完全に「ダークサイド遊雀」だった。
▽桂三四郎 かつら さんしろう
22歳で入門、現在入門14年目。疲れた日はサウナに入ってリフレッシュする。乃木坂46、欅坂46に次いで秋元康がプロデュースする「吉本坂46」に応募、オーディションを勝ち上がり続けて、現在第五次審査を受けている。
▽古今亭文菊 ここんてい ぶんぎく
23歳で入門、芸歴16年目、2012年9月真打ち昇進。渋谷らくごには、スターバックスを片手に楽屋入りされることが多い。まつげが比較的長い。私服がおしゃれで、この時期はVネックのシャツにハットを被って楽屋入りされる。楽屋に入るとまず手を洗う。
レビュー
7月14日(土)14時〜16時「渋谷らくご」
立川こしら(たてかわ こしら)「干物箱」
三遊亭遊雀(さんゆうてい ゆうじゃく)「船徳」
桂三四郎「二転三転」
古今亭文菊「井戸の茶碗」
明朗快活容で実力派の集い!
7月の渋谷らくごは、浅草寺の四万六千日のほおずき市があった週末から始まりました。まさしく灼熱の太陽が照らす、お暑い盛りでございます。それにも関わらず、会場は大入りで、演者さんの明るく賑やかな連携プレイが笑いを呼ぶ贅沢で楽しい回でした。
まさしく神回!
立川こしら師匠「干物箱」
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立川こしら師匠
「やあ、不二子ちゃーん」みたいな軽いノリで人との距離感をすぐ詰めてきて、いつの間にか、その場のムードメーカーになって、みんなの心を盗んで行く泥棒タイプ。実際、こしら師匠は、ナマの高座で見ると、めちゃくちゃ感じが良い演者さんなのです。
「立川流の白鳥師匠はこしら師匠」という印象にシフトしつつあります。こしら師匠は古典落語の演者さんだと理解している人も多いけれど、実は創作90%じゃない?タイトルだけしか合っていない気がするなどの高座に何度か遭遇しているのです。今回は、こしら師匠の高座に、まくらでいじられた遊雀師匠と志ら乃師匠が乱入し、客席が喜びに沸き立ちました。拍手喝采です。渋谷に着いてからカフェを探しているエピソードも臨場感たっぷりで、話術の巧みさに引き込まれたまま「干物箱」へ自然に入るのも心地良いです。
「干物箱」は道楽息子が父親から外出禁止を言い渡されて、貸本屋のモノマネ上手な友人を変わり身に仕立てて置いて行くというあらすじの古典落語ですが、こしら師匠の「干物箱」が、ノーマルに進行する訳がありません。
実際に聴いてほしいです。必ず笑い転げて楽しい時間になること間違いなしです。
三遊亭遊雀師匠「船徳」
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三遊亭遊雀師匠
遊雀師匠の船徳は今まで見たどの「船徳」とも違っていました。まだ半人前の若旦那「徳」の幼さ、役に立って働こうとする徳に、「嫌な予感がする」と言うほど、徳には、日頃「やらかしたエピソード」が多くあると想像できるようなセリフ。子供のように泣く仕草の遊雀師匠から素直で飽きっぽい若旦那が事細かく表現されて、隅田川の大川が見えるようで遊雀師匠の若旦那はリアルで最高でした。
現在は隅田川を、シーバスという電動式の船が、浅草から日の出桟橋、浜離宮、お台場などを往復していて、隅田川にかかる橋や街の観光をしながらの川下りに重宝します。「船徳」体験には、日の出桟橋や浜離宮からシーバスで浅草寺へ参拝するのも、海のような広い川に船を出す怖さや、美しい水面の気持ち良さが分かるので、船徳体験したい方は一度乗ってみるのもお薦めです。渋谷らくごの後に江戸落語めぐり観光の参考になれば幸いです。
桂三四郎さん「二転三転」
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桂三四郎さん
とても実力ありの爆笑系上方落語家さんですね。私、上方落語家さんはあまり存知あげないのですが、上方って皆さんこんなにおもしろい落語家さんばかりなのでしょうか?
「しゃべっちゃいなよ」で聞いたネタおろしの創作落語の質の高さにも驚きましたが、今回の「二転三転」も転勤族の悲哀を見事に描かれていました。大阪の人から東京を独断と偏見で見た場合やその逆が、三四郎ワールドで表現されると、不思議と受け入れてしまいそうになります。日頃、電車の中などで「東京って」と偏見ありありの話が聞こえてくると不穏な気分になるのですが、何故三四郎さんの落語だと笑い飛ばせるのでしょうか。
謎です。三四郎さんは、これからも渋谷らくごで拝聴できたら嬉しい落語家さんの一人です。
古今亭文菊師匠「井戸の茶碗」
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古今亭文菊師匠
【この日のお客様の感想】
「渋谷らくご」7/14 公演 感想まとめ
写真:武藤奈緒美Twitter:@naomucyo
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