渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2018年 9月14日(金)~18日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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9月18日(火)20:00~22:00 立川談吉 玉川奈々福* 春風亭百栄 古今亭文菊

「渋谷らくご」これで30代!? 文菊の世界

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プレビュー

 古今亭文菊師匠、いまだ40歳の手前にいながら、すでに熟練の域に入っているような落語です。あと30年後もこの人が落語をやっていると思うと、どうなっているんだろうという予想することさえ恐ろしいほどです。まずはこの、文菊師匠の魅力に触れてもらいたい公演です。
 そして、北海道帯広出身の談吉さんは、聴きなれた古典落語のなかにサラッと不思議な一言を添えてまるでちがった一席に仕上げる名手、<シブラクの唸るおねえさん>こと奈々福さんは、世界を飛び回る美声の浪曲師、百栄師匠は高い精度で爆笑を作り上げる創作落語の四番打者!
 それぞれにまったくちがう魅力をもった四人。四本の映画を観るような気持ちでぜひいらしてくださいね!

▽立川談吉 たてかわ だんきち
26歳で入門、芸歴11年目、2011年6月二つ目昇進。この夏は、お腹が張ってしまったので、カイロプラクティックに通って身体の調子を整えた。この夏、しゃっくりが止まらなくなって水が飲めなくなった。

▽玉川奈々福 たまがわ ななふく
1995年曲師(三味線)として入門、芸歴23年目。浪曲師としては2001年より活動。2012年日本浪曲協会理事に就任。「シブラクの唸るおねえさん」。これから様々なジャンルの芸術と浪曲を組み合わせる新企画をこの秋からスタートさせる。

▽春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ
年を取らない妖精のような存在。静岡県静岡市出身、2008年9月真打ち昇進。
不思議な風貌で、危ないネタをかけつづている。落語協会の野球チームでは、名ピッチャーとして活躍する。
アメリカで寿司職人のバイトをしたことがある。猫が大変お好きという意外は日常生活の様子を見せない。

▽古今亭文菊 ここんてい ぶんぎく
23歳で入門、芸歴16年目、2012年9月真打ち昇進。私服がおしゃれで、楽屋に入るとまず手を洗う。前座さんからスタッフにまで頭を下げてくださる。まつげが長い。

レビュー

文:pem(ペム) Twitter:@shina1220 性別:女 年代:20代 趣味:宝塚・舞台全般観劇、時々ハロプロその他諸々 落語歴:1年9ヶ月
9/18(火) 20〜22時回「渋谷らくご」
立川談吉(たてかわ だんきち) 「田能久」
玉川奈々福(たまがわ ななふく)/沢村美舟(さわむら みふね) 「清水次郎長伝 お民の度胸」
春風亭百栄(しゅんぷうてい ももえ) 「浮世根問/加賀の千代」
古今亭文菊(ここんてい ぶんぎく) 「抜け雀」

仕事帰りに直行するも20時ちょうどに到着。
受付をしている頃に出番太鼓の音が聞こえている中、チケットを受け取る際も『携帯の電源をお切りになってからお入りください』とのお声がけがあり「あーもう切ってありますー(電源を切ってきて抜かりないですよ!)」と返答し、その後も客席に誘導してくださるスタッフの方からも再度の携帯電話の電源オフの注意喚起。こんなにしてくれるところはないなぁと有難いなぁと考えつつ再度『切ってありますー』と答え、このまま入場できるかと思いきや『(持っていなかったのですが)ビニール袋はカサカサ音がなるのでお気をつけくださいー』ということと、極め付けは私のバッグを見て『チャックを閉める音も響くので今のうちに閉めていただいてよろしいですか?』と初めて受ける言葉にカルチャーショックを受けました(ビニール袋は歌舞伎ではめっちゃ言われます。団体客向けに)私はかなりマナー煩い系のヲタクだと自負してますが私を越えてきましたよ…いや実は「常にバッグのチャックは開けっ放しなんです」なんて恥ずかしくて言えなくて大人しく閉めました…(笑)

今回は20時にギリギリアウトな感じで入場したのですが実は仕事のため20時半になるけどモニター観劇どうしましょう?と問い合わせたところ『むしろそういう間に合わなかった場合の感想を』ということで今月のレビューを担当することになったのですが2人目の方の出番太鼓が鳴り始めてた頃にまた数人来場されていたので20時に間に合わない方でも渋谷らくごはご来場お待ちしておりますので、どうぞお気軽にお越しください。

立川談吉『田能久』

  • 立川談吉さん

    立川談吉さん

まくらの途中で入場してしまって本当すみませんという感じだったのですが、めっちゃ人並みな感想になってしまうのですがすごい面白かったです。この噺はNHKの落語THE MOVIEで知ったんですが最初に映像で見たもので記憶が強いのにも関わらず談吉さんの色でまた違った映像が私の頭の中を駆け巡る30分でございました。

玉川奈々福/沢村美舟『清水次郎長伝 お民の度胸』

  • 玉川奈々福さん

    玉川奈々福さん

まくらでNHKの番組にて画家・藤田嗣治が生前に残した音声の語りが浪曲だったのにも関わらずNHKスタッフが浪曲を知らず歌っているようなという曖昧な説明をされ、浪曲だという補足ツイートをしたところ1000いいねを達したそうで(9/29現在で約1300いいね)昔はメジャーな娯楽だったが今はこんなに知られてい無いのかと嘆く奈々福さんの浪曲広まれ!!という哀しみと浪曲愛に溢れたまくらでした。ちなみに私は終演後にしたことは奈々福さんのそのツイートをRT・いいねを押すお仕事でした。

奈々福さんの浪曲は何度聴いても気持ちがいいですし、宝塚も歌舞伎も大好きなので男の人をやるときはカッコいいし女の人は艶っぽいしトキメキます…。あと関係ない話にはなっちゃいますが声優さんが落語をやる会とかありますけど、それの浪曲バージョンとか凄い聞きたいのは私だけですか…。超個人的には田中真弓さんの浪曲とかめちゃくちゃ聴きたいです。本人もお好きそうじゃないですか…。本当浪曲楽しいんですけど、落語は勧めやすかったりするんですが浪曲と講談はどう口火を切っていいのか悩みどころなのでそういう催し物があってもいいと思います。


春風亭百栄『浮世根問/加賀の千代』

  • 春風亭百栄師匠

    春風亭百栄師匠

私事ではございますが、シブラクは月に5日間ということで大抵伺える日が1日しかないのですが驚異の百栄師匠率を叩き出しております。そしてまくらでは、清水次郎長伝繋がりで、清水について触れその際に百栄師匠もさくらももこさんも清水出身だということを知ったのですが、その瞬間『百栄師匠ってさくらももこの作品出てきそうーー』と謎のハイテンションなりました。いや、なんか似てません??見た目はゆるくて愛らしくてファンシーなのに中身は人の本質見抜いてえぐってくるようなブラックジョーク感。主にコジコジの人間界とかにいそうです。

そして本寸法の“浮世根問”をしますという御言葉で噺が始まりましたが、その御言葉の時点で客席の「(絶対違うだろ…)」という空気と笑いがあったのですが、始まったら私は多分一度聴いたことのある噺くらいの超落語ビギナーですがそんな自分でもわかるくらい本寸法ではない1席で安定の大爆笑なお時間でした。2席目の加賀の千代はゆーーるく面白く、百栄師匠は聞くとき大体は創作落語なんですが古典もすごい面白い方なんだなぁと感じる30分でした。


古今亭文菊『抜け雀』

  • 古今亭文菊師匠

    古今亭文菊師匠

またまた私事ではございますが宝塚、延いては雪組贔屓の人間の身とすると幕末太陽傳を公演するにあたって雪組生に居残り佐平次を含む2席の高座をした文菊師匠の落語を生で聴いてみたいという密かな夢が叶った1日でございました。どがちゃかをみて驚きました…まだ30代とは…いや見た目が老けてるという意味ではなく風格というか芸というか醸し出される雰囲気と一席が素晴らしくとても30代とは思えません…。

来月のシブラクは10月12日(金)~16日(火)ですので気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか?来月まで待てないよ!・落語に少し興味湧いてきたよ!という方はPodcastや動画が1席丸ごと配信されてますので渋谷らくごHPのトップページにURL貼ってありますのでぜひご覧ください。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」9/18 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ
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