渋谷らくごプレビュー&レビュー
2015年 6月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
志ら乃師匠、41歳になりました。
落語会ではまだまだ「若手真打」のカテゴリです。志らく師匠の弟子として、また談志の孫弟子として初の真打、古典落語も創作落語もTPOに合わせてお客さんを楽しませるために操る、楽しい高座の師匠です。アイドル好き、声優好きで、そんな人たちに落語を教えたり、また人気マンガ『落語心中』を落語化したり、太宰治作品を落語化したりと他ジャンルへの落語ファン掘り起しにも余念のない師匠です。みなさんを楽しませる引き出しは無限にありますよ!
昇々さん、今年30歳、一見かっこいい風のマスクと、狂人の目をもった30歳の二つ目さん。
昇太師匠のお弟子さんで、創作らくごが武器。縦横無尽に動き回る高座も楽しい。これほどしゃべるのに、なぜ友だちがいないのか、一回聴けばわかると思います。
瀧川鯉八さん。12日にも出ていただく鹿児島県出身の34歳、落語家7年目。
お笑いファンの心もわしづかみにできる才能と表現力をもった天才です。10年前にはこういう落語家さんはいませんでした。ひとりでも多くの人に知ってもらいたい存在です。「俺ほめ」「暴れ馬奇譚」「ぷかぷか」「都のジロー」「わきまえる男」……タイトルだけでも面白そうでしょ!?
馬石師匠、兵庫県出身の45歳の師匠です。
真打9年目、この師匠の伸びやかで気持ちのいいリズムの落語は、聴いているだけで幸せになっちゃう!あと40年は楽しみな落語家さんです。お楽しみに!
レビュー
文:兼桝綾 Twitter:@ganemasu 20代後半女性、会社員/趣味:読書、観劇、執筆、舞台活動
落語にそんなに詳しくないのに飛び込んでみた渋谷らくご、むしろそんなに詳しくない人こそ楽しめるのではないかと思いました。どれが良いかは分からないけどとにかく美味しいものが食べたいです!というようなわがまま状態で来場したにも関わらず、サンキュータツオさんのキュレーションによる充実の120分間を楽しむことができました。
【立川志ら乃-壺算】
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立川志ら乃
まずは、立川志ら乃師匠の「壺算」。ドジな主人公と買い物上手の兄貴が壺を買いに行き、壺屋の店主を兄貴の口八丁で「算数ができない人」状態に陥れ、グッと安く壺を買う、内容としてはちょっと頭をつかう話ですが、志ら乃師匠の通りのよい声をきき、きびきびとした動きを見ているだけで面白く、兄貴のトリックの鮮やかさ(?)も際立つ入れ子式の玉手箱のような落語でした。風呂敷を広げたはじからまぜっかえすような調子のマクラにも大いに笑いました。
【春風亭昇々-お見立て】
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春風亭昇々
続いて「友達いない」こと春風亭昇々さんの「お見立て」、親御さんが見ている前でのまさかの郭話。昇々さんはイケメン風で、落語も軽快でスマート…と思いきや、花魁喜瀬川のふてぶてしさ、喜瀬川に思いを寄せる杢兵衛大尽の奇妙キテレツ高テンションの面白さ、賢い喜瀬川とおかしな杢兵衛の間をいったりきたり、の牛太郎の苦労性っぽさ!人物達の魅力が後に引いて残り、演じの見事さに舌を巻きました。
【瀧川鯉八-ぷかぷか】
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瀧川鯉八
そして、突然の異端アピールからはじまった瀧川鯉八さんの「ぷかぷか」。なんとなく落語っぽさのあるタイトルですがさて話がはじまると「これは…落語…なのか?」と不安な気持ちになってくる、創作落語とよばれるものは何度か見たことがありますが、こんなにしっぽがつかめないやつははじめてでした、筋があるんだか無いんだか、良い話に落ち着きそうになる度に結局おかしな方向にしか進まず、しかし超おもしろく、最終的にはこういう人のことを知るために渋谷らくごに来た!とまで思いました。このおもしろさ筆舌につくしがたく、何がどう面白いか全くうまく書けず残念です…。ちょいちょいでてくる世間の声代表、のような個性のないモブの活躍が何ともいえない気持ちよさ、いや気持ち悪さです。
【隅田川馬石-船徳】
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隅田川馬石
トリは隅田川馬石師匠の「船徳」、夏にぴったりの話です。鯉八さんの話で完全に道に迷った後で、知っている道に戻ってきたような安心感がすごかった。へっぽこ船頭の若旦那に導かれ、江戸のまちのいきいきとした豊かな広がりを感じ、俯瞰したりぎゅっと寄って見たりするような、わくわく感がありました。舟の若い衆の仕草ひとつひとつの丁寧なこと、ああ、良いものを観た、と満足して会場をでることができました。次回も楽しみです!
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」6/13 日 公演 感想まとめ