渋谷らくごプレビュー&レビュー
2015年 10月9日(金)~13日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
「まくら王」が渋谷らくごに6ヶ月ぶりに帰ってきました!
落語家さんは、落語の本編に入る前、普段考えていることを語ります。これを「まくら」と言います。この回の「まくら王」は落語の本編には入らずに、この身辺雑記=「まくら」だけをお客様に聴いて頂く企画です。
どうしてこんな無謀とも言える企画をするのか、現代と落語のつなぎめとも言える「まくら」、実は「まくら」こそが世の中の落語の印象を一新させる切り札ではないかと考えられています。だから「渋谷らくご」では、あえて「まくら」だけを配信するポッドキャストをつくりました。いまでは1日1万のアクセスを超え、日本国内のポッドキャストのトップ50に入るほどの人気コンテンツになっています。
今回「まくら」を語って頂くのは、5人の精鋭たちです。志ら門さんは、まだ前座という若手ポジションでありながら、もうすでに波瀾万丈な人生を歩んでいる元球児。小学校から大学まで野球漬けだったという、怪我さえなければいまはプロ野球選手というほどの人ですが、わけあって、なぜか落語家をなさっています。真打目前の鬼〆さんの、日常の描き方、ちょっとおかしなところに着眼しているのですが、癖になる「まくら」。吉笑さんは観察力が抜群です、言葉の選び方も研ぎ澄まされています。この方のまくらは常に演目のテーマとリンクしています。鯉斗さんは、元暴走族のリーダー。渋谷らくごに登場するたびに「今年一番笑った」という感想でtwitterを賑わせます。宮治さんの「まくら」には感じたことのないような勢いがあり、またチャーミングな人柄も相俟って観客を熱狂させます。
そしてトリの志ら乃師匠には、前半5人のまくらを元にひとつ落語をやってもらいます。無茶な企画でありながら前回の「まくら王」では、伝説を起こした志ら乃師匠。ぜひグルーブ感も一緒に楽しんでください。
レビュー
文:えり Twitter:@eritasu 20代女性 事務 フラメンコと、落語・講談・浪曲鑑賞の両立に悩むOL
10月12日(月祝)14時~16時「まくら王」
立川志ら門(たてかわ しらもん)「〇九〇七七八一九六九六」
台所鬼〆(だいどころ おにしめ)「生きててよかった」
立川吉笑(たてかわ きっしょう)「現在落語論(げんざいらくごろん)」
瀧川鯉斗(たきがわ こいと) 「お芝居の感想(おしばいのかんそう)」
桂宮治(かつら みやじ) 「新幹線の英雄(しんかんせんのえいゆう)」
立川志ら乃(たてかわ しらの) 「笠碁(かさご)」
「まくらはパセリにあらず」
寄席でもたまに、まくらだけ話す落語家さんをお見かけします。
「●●さんの落語聴きに来たのに、今日はまくらだけかー」という感想を持つ人もいるかもしれません。
その点、シブラクの「まくら王」は「トリの演者さん以外は、まくらしかやりません!」と言い切っているため、お客さん側も「よーし今日はまくら聴くぞー!」という気持ちで来れるので安心です。
落語家さん普段の様子や考えてることを知れますし、6人も見れてしまいます。嬉しい。では、超主観的な感想をダイジェストでお送りします。
~~~ めくるめく、まくらの世界へ ~~~
(1)個人的なイメージ(※あくまでイメージです)
志ら門さん ― 爽やかスポーツマン風なお兄さん。落語家になるまでの経歴が壮絶。でもニコニコ話されるのでつられてニコニコ。
鬼〆さん ― 豪傑そうなお名前と、ご本人の穏やかな雰囲気のギャップが凄い。只者じゃない不安定なオーラも凄い。
吉笑さん ― 頭の回転が速い。よく「お題から即興で落語つくって披露」されている。まくら王のトリも見てみたい。
鯉斗さん ― 性格に裏表がなさそうで常に楽しそう。有名な師匠方と一緒に日本中を飛び回っている。FacebookにBBQの写真とか載せてそう。
宮治さん ― 元気をもらえる。下ネタも嫌味がない。太鼓持ちという噂。若男女幅広い層のファンに愛されている。
(2)印象に残ったセリフ
志ら門さん ― 「志ら門の門は破門の門です。破門の理由を知りたければ090~…!」
鬼〆さん ―「涙が出てくるんです…!」(パチンコで莫大な額のお金を失って切符買うお金もなく歩いて帰る場面)
吉笑さん ― 「今落語聴いてる世代は死んでいきますから」(執筆中の「現在落語論」という本の内容に関して)
鯉斗さん ― 「演劇と違って落語の稽古なんてせいぜい1日1時間」(会場ざわつく)「…かもしれないですけど!」
宮治さん ― 「俺が阻止した!!」(新幹線での悲劇を救った英雄の宮治さん)
(3)わくわくポイント
志ら門さん ― 肘のトミー・ジョン手術の痕。みんなでちからこぶを作る参加型まくら。
鬼〆さん ― 「コレにハマっちゃいましてね…」(右手でパチンコの動きをしながら)
吉笑さん ― 「ぞおん」(吉笑さんの新作落語)の番頭さんのようなスーパー早口。スラスラというよりもズババババという感じ。
鯉斗さん ― 「~ッスよね」という落語家さんのイメージを一新してくれるような語尾。
宮治さん ― ジェスチャーたっぷりで再現していくうちにどんどん盛り上がって立ち上がっちゃうところ。
(4)ドキドキポイント
志ら門さん ― 前座さんで唯一シブラクに出演。(いたずら電話がかかってきちゃうのでは…?)
鬼〆さん ― ホームページを新しく作ったら検索に引っかからなくなってしまったそう。少しさみしそう。探したい。
吉笑さん ― 落語の導入ではなく、執筆本の導入になっているまくら!(内容にも、ゾーン状態の吉笑さんにも圧巻!)
鯉斗さん ― 「お芝居の感想」というタイトルが小学生の作文みたいでキュン。淡いピンク地にチェック柄のお着物も華やかで素敵。
宮治さん ― 落語を詳しく知らなくても「楽しきゃいい!」と言ってくれる潔さと優しさ。おもしろさを追及する芯のブレなさ。
「まくら」は大抵の場合は落語の導入部分。
ですが今回のように前菜やパセリ的ではなく、メインとしてもおいしくいただけるのはやはり料理人の腕が良いからでしょう。5人それぞれ味付け全然違いますし、当然「もっと!もっと聴きたい!」となります。
しかしこれで終わりではありません!
きっと今回も5人のまくらを回収してくれるだろうという観客の期待の視線を浴びながら、志ら乃師匠が登場。
唐突に始まる古典落語「笠碁」 会場全体が妙な緊張感に包まれます。
心の中で(1人目のまくらきた…!わー2人目きた!残るはあと3人!)とカウントしつつ、志ら乃師匠の孤独な戦いを終始じりじりと、セコンドのような気分で見つめていました。
5人のまくらに加え、なんとトークゲスト中井圭さんの「映画を見るときは感情移入しないようにしてます」というお話まで回収!お見事。
アフタートークで、超ストイックに取り組む志ら乃師匠に対してタツオさんが思わず「こんな難しいことしなくて良いんだって!!」と叫んでいたのが印象的でした。(私は毎月、タツオさんのスニーカーが蛍光色かどうかが気になります。オシャレ。)
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立川志ら門さん
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台所鬼〆さん
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立川吉笑さん
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瀧川鯉斗さん
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桂宮治さん
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立川志ら乃師匠
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アフタートーク:中井圭さん
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」10/12 公演 感想まとめ