渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2016年 1月8日(金)~12日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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1月10日(日)17:00~19:00 立川こしら、入船亭小辰、立川左談次、隅田川馬石

「渋谷らくご」

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プレビュー

落語家が出てきて言う「やる気がない」や「二日酔いです」、あるいは「ネタをそんなに持ってない」は、真に受けてはいけません。ホントにそういう状態の人は、口に出しません。「バカバカしいお笑いで」や「お後と交代」も、はじまりは落語家ならではの照れ隠し、「謙遜」であったと思います。しかし、いまはそういった上品な謙遜は通用しなくなってしまったし、前のめりでくるお客さんの肩の力を抜く、ということも減ったかもしれません。ですが、この回に出る立川左談次師匠というオジサマは、そういった上品な照れ隠しをなさる方です。すべての言葉を真に受けてはいけません、そしてたまにホントにウソをつきます。もちろん冗談も言います。ウソかホントか、マジかシャレか、落語家はいつもそれらの間を、ふわふわと柳のように揺れている生き物なのです。

こしら師匠はウソ9、ホント1くらいのバランスの人です。唯一の二つ目である、小辰さんは、ちょうど半々といったところでしょうか。馬石師匠になると、ウソ3、ホント7くらいに思わせてくれるまくらから、自然と落語の世界に誘ってくださいます。

しかし、落語は、語られていることがウソかホントかを見極めるゲームではありません。どっちにせよ、おもしろければいい、くだらなければいい、カッコ良ければいい、品が良ければいい、絵になればいい、という芸能です。  四人の落語を聴いて、この人たちはなにを「良し」としているのか、マジかシャレかを考えながら聴くと楽しいはずです。