渋谷らくごプレビュー&レビュー
2016年 2月12日(金)~16日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
若手・小痴楽さんとベテラン・圓太郎師匠との組み合わせ。この組み合わせの共通点は、「ヤンチャ」感がありながら、骨太古典らくごを思う存分客席にぶつけてくださるお二方です。
小痴楽さんは、シブラク最年少の27歳の落語家。それでいて高校生の時に落語の世界に飛び込んだので芸歴は11年という人生を最初から落語に突っ込んだ方。パーマをかけた髪に、おしゃれな着物の着こなし、ヤンチャ感があります。そのヤンチャ感から繰り出される軽くて親しみやすい落語。そしてなんといっても展開がとっても早い。若手ながら小痴楽さんが落語と格闘しているとわかるのが、怒濤の早さと情報量で落語を組み立てていくにも関わらず、客席を置いていかない絶妙なリズムとメロディーを奏でていくこと。ふと気がつくと、骨太古典らくごが組み上がっているすごさ。
圓太郎師匠は、青春をラグビーに捧げたTHE熱血漢というようなシブラクのお父さん。それでいて若い時に人生の酸いも甘いも経験しているから、その人生の奥行きが落語の中から滲み出てきます。そんな圓太郎師匠が組み立てていく落語の登場人物は、圓太郎師匠のように一生懸命、熱く生きている。その一生懸命さが一瞬空回りした瞬間に観客は感情が揺れ動いて、爆笑とか涙が生み出される。骨太古典らくごを思う存分堪能できることが確定している「ふたりらくご」、ぜひお楽しみください。
レビュー
文:本村槙一郎 Twitter:@kokakokakolakok 22歳 役者 趣味:ロックンロールと深夜ラジオ
2月12日(金)18時~19時「ふたりらくご」
柳亭小痴楽(りゅうてい こちらく)「猫の災難(ねこのさいなん)」
橘家圓太郎(たちばなや えんたろう)「短命(たんめい)」
落語は、噺を聴くだけのとこじゃない。
何か気持ちをもっている男に、会いに行くものなんだ。
落語聴くのが趣味です。と言うとすご〜い!知的だね!とか若いのにえらいね!とかってよく褒められたりするんです。
褒められるために聞いてるわけじゃないんですが、やっぱり褒められるのは嬉しいことです。
そして今日も僕は少し胸を張って落語を聴きに行きました。
ロックを聞きたきゃ小痴楽
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柳亭小痴楽さん
シブラク最年少の小痴楽さんを見るのは初めてだったのでどんな落語を聞かせてくれるのか楽しみでした。出ばやしの和太鼓がポンポンと鳴り三味線がぺントンシャン続いて笛がチーリヒリ。ポンポントンポコテンポン、ペンペンぺぺンチンシャンシャン、チーリヒピーヒャララ。あれあれまだかなどうしたんだろ。いや!出てこないんですよ!出ばやしにしては長すぎるんです。僕の知る限りふつうは出囃子から落語家が出てくるまでたぶん10秒くらいなんです。何かハプニングで中止にでもなりゃせんかなと思いました。そして4,5分くらいですかね。やっと出てきました!だいぶヒヤヒヤさせられました。しかも出てくるのが遅くなった件には特に触れることなく話し始めるんです。「一般常識のできない人がなるのが落語家」と、どうでしょうかこのフーテンスタイル。僕はこの小痴楽さんの言葉を聞いて思いました。落語は品のある趣味なんかではないのではと。常識的に考えれば歴史ある話芸。もちろん品がある。だけれどもそれだけでは収まることはなくもっとアンダーグラウンドで世の中を斜めから見るような最高にふざけた面も持ち合わせている。その後小痴楽さんの父である柳亭痴楽師匠のぶっ飛んだ伝説を話してくれました。ふざけた親父と罵りながらもやはりどこか愛を感じました。僕はロックやなあと思いました。ルールや、し絡みにガチガチで強いものにヘコヘコするような大人なんかよりずっとロックでかっこいい。話を聞いていくうちに小痴楽さんは勝手にロックンローラーなんだと認識してしまい、MC長いなあ〜いつ歌いだすのかな〜と勝手にワクワクしたり。80年代のロックンローラーのような出で立ちで顔もかっこいいのでユーロスペースの受付の綺麗なお姉さんにも手を出してるんじゃないかなと勝手に妄想したり。落語を聴いた後も余韻というか人に語りたくなるような体験でした。お分かりの通り僕はかなり小痴楽さん気になってます。というかファンになってます。こういうエッジの効いた話しもあるんですが落語はもちろんめっちゃ面白かったですし昔の言葉はわかりやすく変えてくれてたので理解度が高く満足できました。また、来月も小痴楽さんのロックを聴きに行きたいです。
妙にエロい圓太郎お姉さん(おじさん)
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橘家圓太郎師匠
圓太郎師匠が高座に上がると開口一番に『小痴楽くんの出囃子長かったですね』とおっしゃいました。そこでやっと僕を含めお客さんはああやっぱりおかしかったんだと少し安心したと思います。圓太郎師匠によると小痴楽さんは体調が悪かったらしく、出ばやしが始まってからトイレに行き、なんどか『オエーッ』とえずいてから楽屋に戻りその後吸いかけだったタバコを吸って楽屋でまた『オエーッ』とやってから舞台に出て行ったそうです。出囃子が鳴ってるのにタバ吸うなんておかしいですよね。とお客さんに投げかけていたので、ああ落語家にもまともな人はいるんだなと少しは安心しました。が違いました。小痴楽さんの行動にドキドキして恋に落ちたかもとおっしゃってました。タバコを吸う姿にときめいてしまったそうです。はい。何しろ表現のプロなので言い方がリアルで妙に女性らしさを感じてしまいました。笑 変なところでプロの技を発揮するクレイジーです。しかし、自分の出番で後輩のことをしっかりフォローするのはやはり師匠の貫禄だと感じました。そして話しは最近の芸能界のニュース某氏の話し。時事ネタを風刺的に面白く話していきます。どこへでも書ける話しではありませんが、もちろん面白くてそして説得力がありました。馬鹿みたいな話から頷けるような話し。ほんとに聞き応えのある枕でした。本編『短命』では声も太く見かけはただのおじさんなんですがいざ美人なおかみさんを演じると妙にエロい!!!なんなんでしょうあの感覚は。 これを見に親や彼女に黙ってこっそり通ってしまいそうです。笑 ほんとに終始表現力に魅了されあっという間の30分でした。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」2/12 公演 感想まとめ