渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2016年 5月13日(金)~17日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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5月13日(金)18:00~19:00 柳亭小痴楽、立川生志

「ふたりらくご」小痴楽、立川生志に挑む!

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プレビュー

4月13日の渋谷らくごで、満員の観客を沸かせた27歳のヤンチャ小僧。ギリギリまで演目に迷い、どれをやってもなにが正解かわからない。その迷いこそが、二つ目らしい。今回はそのヤンチャ小僧こそが、百戦錬磨の実力派 立川生志師匠とふたりらくごです。

小痴楽さんの魅力は、度胸と軽さ。あ、ちなみに「軽さ」というのは落語では褒め言葉なんですよね。疲れなくて楽しい、という。16歳の若さで自分の一生を決め、落語界に飛び込んだ度胸。そして自分を追いつめるように過酷なポジションや緊張する高座を何度も繰り返す事で得た度胸。この度胸と、落語の世界に住む「威勢のいい江戸っ子」の度胸がシンクロしたときが面白いです。天性の明るさで、華やかさ。聴いててつかれない「軽い」落語が繰り広げられます。

生志師匠も並大抵ではありません。サラリーマンとして安定した暮らしをしていたのにも関わらず、落語界に飛び込んだ経歴、しかも飛び込んだ先は立川談志師匠という落語界の革命児。この師匠の下で、苦悩を重ねた生志師匠。「斜に構える」視点で、毒っけたっぷりの「まくら」(落語本編が始まる前のフリートーク部分)で客席に衝撃を与えつつも、二つ目時代の苦悩で身につけた、ごまかさない姿勢、誠実な落語が芯にあって、聴く人の心を動かします。
一生を落語に捧げると飛び込んだ度胸を持った2人の落語家。心を動かされないわけがありません。