渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2016年 6月10日(金)~14日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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6月13日(月)18:00~19:00 立川談吉、立川左談次

「ふたりらくご」<洒落っ気と茶目っ気>の師弟

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プレビュー

左談次師匠の落語の魅力は、大人の魅力とか、ベテランの魅力とか、そういうものではないと思っています。「粋」の魅力!
粋、と言われても人によって解釈がちがうので、私なりに説明してみますと、「照れ」がキレイに変換されたもの、です。
こうしてくれると助かるなぁ、これが好きだなあ、お願いだからアレやって、マジでありがとよ。こういった本心を、そのまま言わずに別の形に変換する、それがキレイなのが「粋」なんだと思ってます。
で、たとえば照れが「洒落っ気」という、ちょっとくだらないものになったり、知性が光ったり、キザでカッコいいものになるときもあるし、「茶目っ気」というかわいいものになったりする。
私は、左談次師匠は立川談志師匠の「粋」を一番色濃く継承し、そして体現した人だと思っています。こういうことを言うこと自体が「野暮」ってことになるのですけれど。こういう方はなかなかいらっしゃいません。そしてもっとも特徴的なのは、その「粋」が、心地よいリズムとメロディに乗っているということ。
談志師匠没後左談次一門となった、談志最後の弟子、談吉さん。やはり知性とハニカミっぷりがチャーミングな二つ目さんです。そんな彼がいま、左談次師匠の後ろ姿からなにを感じているのか。高座を聴いて確認してもらいたいと思います。

▽立川談吉 たてかわ だんきち
26歳で入門、芸歴9年目、2011年6月二つ目昇進。趣味は、ガンダムのプラモデル。落語を聴きながら制作している。
▽立川左談次 たてかわ さだんじ
17 歳で入門、芸歴49年、1973年真打昇進。去年足を骨折した。読書好き。

レビュー

文:本村槙一郎 Twitter:@kokakokakolakok 役者 趣味:深夜ラジオ、ロックンロール

6月13日(月)18時~19時「ふたりらくご」

立川談吉(たてかわ だんきち)  大工調べ
立川左談次(たてかわ さだんじ) 万金丹

落語に僕は粋を学ぶpart2

粋って何ですか?辞書には””さっぱりした気立てで、あか抜けがし、色気もただようこと”と書いてあります。
僕は何となくロックという言葉にも似てると思うんです。ロックだな〜っと粋だな〜って似てると思いませんか?
僕が思うに落語とロックンロールが似てるところは根底に優しさがあることです。落語にもロックにもダメな人間でも歌え笑え大丈夫だ!というようなメッセージがあると思うんです。立川談志家元が言う「業の肯定」から自分なりに解釈しました。
詳しく聞かれてもうまく説明できませんが。笑
似てると思うから似てるんです!!はい!ボキャ貧ですみません。
では、レビュー書きます!!最後までよろしくです!!


立川談吉 大工調べ

  • 立川談吉さん

    立川談吉さん

初めて見る談吉さん、とても若々しく見えました。25歳くらいかなと。今は左談次師匠のお弟子さんなのですが、もともとは立川談志家元の最後の弟子だったそうです。
なんとなく羨ましいというかこんな若い方でもあの立川談志の弟子になれるんだと生で見た事すらないですが立川談志を少し身近に感じました。
語りのテンポが良く聞きやすい。そして、ハニカミながら師匠の事をけなしているのが印象的でした。楽屋で一緒にいづらいとか普段はやる気がないとか。まあけなしているようでほんとは愛している感じがなんだか微笑ましかったです。にゃは
今日の噺は “大工調べ”棟梁が大家さんに文句を言うシーンが圧巻でした。江戸っ子の訛りでまくし立てる長ゼリフがタッタカタッタカ心地よく僕は内心(これこれ〜〜v(^_^v)♪江戸っ子いえーい♪)ってな感じで江戸の風を浴びて物凄くたのしめました。聞いてるうちに畳の匂いがしてくるような気がしました。

立川左談次 万金丹

  • 立川左談次師匠

    立川左談次師匠

談吉さんが言うには、酔うと居酒屋の看板を蹴り倒したり兄弟子を川に突き落としたり?破天荒なところを立川談志家元から引き継いだとおっしゃってた方でどんなヤバイ人が出てくるんだろうと思いきや、乗っけからニコニコしてとてもチャーミングな方でした。でも表情とは裏腹に言ってることはけっこうブラックで先日の不倫騒動で謝罪してた某落語家さんの不倫謎かけにつまんねえんだよ!と叫んでしました。会場は大爆笑。左談次師匠はニヤニヤ。僕はこういう笑いが大好きなので内心(待ってました♪(^ν^)これぞ立川流!!!)ってな感じでニヤニヤが止まりませんでした。会場みんながニヤニヤしてたと思います。ほんとに最高でした。
来年で芸歴50年を迎えるとのことなんですが左談次師匠がおっしゃるに若手は自分を見て安心すると、あんだけ長くやってあのレベルなら大丈夫だと。いやいや、めっちゃ上手くなろうとしてますやん!!!笑 50年もやって自分はまだまだとさらっと言えるのはほんとにかっこいいですよね。自分も極めたい道があるので深く考えさせられました。

この1時間僕はまさしく粋を感じました。ただ説明は難しいです。説明することでもないのかもしれません。僕はこのかっこよさを”粋”を体感しにまたライブに足を運びます。

【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」6/13 公演 感想まとめ

写真:山下ヒデヨ Twitter:@komikifoto