渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2016年 6月10日(金)~14日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

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6月14日(火)18:00~19:00 柳家ろべえ

「ひとりらくご」落語家と生きていく

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プレビュー

 5月17日、柳家喜多八師匠が亡くなりました。66歳でした。喜多八師匠は、渋谷らくごがスタートした2014年11月より毎月お世話になっていました。渋谷らくごにおいては守り神のような、番人のような、お父さんのような存在でした。
 喜多八師匠は7月も、この会に出演する予定でした。この会は「ふたりらくご」として、柳家喜多八師匠とその弟子、柳家ろべえさんの師弟の会となる予定でした。けれども喜多八師匠はいまはいません。
 喜多八師匠に代わりなど存在しません。唯一無二の存在でした。しかし、喜多八師匠の芸を継承しようとしている、たったひとりの弟子がいます。その弟子は、来年の春、真打になるのです。俺には、この人と生きていく幸せがある。
 「今日の高座も、師匠はものすごくかっこよかった」と素直に口にし、「おれが一番喜多八のことが好き」と公言するろべえさんと、おなじ時代に生まれた俺はともに年をとり、そして死んでいきたいと思います。おなじ時代に生まれた落語家とお客さんとは、そういう関係になるのが幸せです。
 柳家ろべえ、一時間。背伸びや気負いもいりません。謙遜もいりません。淡々と、これまで磨いた落語を演じてくださるはずです。ここをスタートにして、落語を追いかけるのもアリです。ただ、この日を一緒に過ごそうじゃないか!
 二席。ほかになにもいりません。

▽柳家ろべえ やなぎや ろべえ
25歳で入門、芸歴14年目、2006年5月二つ目昇進。趣味は、柳家喜多八師匠と同じくサイクリング。東京農工大学工学部卒業。物理学を学ぶ。