渋谷らくごプレビュー&レビュー
2017年 2月10日(金)~14日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
二つ目になってまだ1年~2年、それでもこの二人から感じる「未来」は、落語の「未来」を予見させる。
急ぐこともなく、着実に、一歩一歩前進している二人の姿を見ることができるのも、こうした会の魅力です。
同世代、あるいは自分よりも年下の青年が、落語とどう向き合っているのか。
この落語会から、お客さんが持ち帰ることができるものは、ベテランの落語会よりも多いかもしれません。オススメです!
▽柳亭市童 りゅうてい いちどう
18歳で入門、芸歴6年目、2015年5月二つ目昇進
「痩せたいなぁ」というのが最近の口癖だが、にっこり笑う市童さんにつられてニコニコしてしまう。頬に手をそえて、口を大きく空けるかわいらしい決めポーズをもつ。サインの文字がとても綺麗。
▽雷門音助 かみなりもん おとすけ
23歳で入門、芸歴6年目、2016年2月二つ目昇進
好きな食べ物はそばとすあま。顔の横で、両手を開いて口元をほころばせるかわいらしい決めポーズをもつ。そんな甘い顔立ちにメロメロになる方々続出。
レビュー
文:さとーちずる Twitter:@chinnensadak 趣味:食べ歩き(主にビュッフェ)、特技:外国語を聞いたらだいだい何語か分かること。
2月14日(火)18時-19時「ふたりらくご」
柳亭市童(りゅうてい いちどう)「明烏」
雷門音助(かみなりもん おとすけ)「竹の水仙」
柳亭市童さんと雷門音助さんという昇進してまだ1〜2年目の二つ目さんの「ふたりらくご」。
失礼ながら、落語歴の浅い私は、これまで存在を知らなかったお二人。
「どうせなら、先入観なく真っさらな状態で拝見してみよう」とプロフィール以外、特に予習もせずに公演を観に行きました。
こんな事を言ったらサンキュータツオさんに怒られるかもしれませんが、正直、「若すぎる二つ目ペアのふたりらくごって、チャレンジすぎるのでは?!お客さん来るのかな…」と心配していました。
やはり、17時半開場時点で私を含めてお客さんは10名弱(最終的な来場者は25名とのこと)。がらんとした客席…。ソワソワ…。
しかし、そこは策士の渋谷らくご。
私はこれまでも、まんまとその妙案に乗せられて、落語に魅了されてきたタチなので、今回もサンキュータツオさんを信じて開演を待つことにしました。
お二人の落語を拝見する中で、共通して感心したのが、役を演じる表情や声色の明瞭な使い分けです。私は他に昇進したての二つ目さんを知りませんが、あの芸歴でもうあの表現力が身につくものなのかと驚きました。
また、お二人の落語の聞きやすさも気に入りました。
私は元々、古典落語の古語口調に少々苦手意識があり、噺によっては、また落語家さんによっては、お恥ずかしながら何を言っているか分からない時があるのですが…(これ密かに初心者あるあるじゃないですかね?笑)その点、今回の演目は2席とも(「明烏」、「竹の水仙」)親しみやすく、お二人とも等身大の表現をされているように感じ、ストレスなく楽しむことが出来ました。
柳亭市童さん
まず、丸く可愛らしいお顔に対して落ち着きのある落語口調がギャップ萌えです(笑)。言い澱みや言い間違いも少なく、高座に上がるまでに鍛錬を重ねた成果なのだろうなと思いました。自分を信じて高座に上がっているようにも見えました。
「明烏」は覚えているだけでも6人は登場人物がいたはずですが、市童さんは声の高低だけでなく、厚み、重みも巧みに使い分けて表現されているように見えました。一人の人が座ったままで、よくあんなに演じ分けられるものだと単純に感心しました。
雷門音助さん
まくらが何だか危なっかしくて(笑)大丈夫かな??と思いましたが、本編が始まると、いつの間にかすーっと音助さんの世界に吸い込まれていました。
何よりも魅了されたのは、その豊かな表情と笑顔です。
「竹の水仙」の話が進み、気の強い宿の女将が宿賃を払わないお客にビシッと言ってやろうと意気込んで階段を上って行くのに、お茶目な乙女に一転して戻ってくる頃には、すっかり音助さんに心を掴まれていました。
そして、中盤から音助さんの落語にとてもリラックスしている自分に気付きました。まくらで「お客さんの心を潤したい」とおっしゃっていましたが、その効果なのでしょうか。驚きました。
お客さんを自由に楽しませる落語という意味では、完成度はまだまだ成長の可能性が大きく開けているお二人。
「今のこのお二人」をこの日、ユーロライブの会場でゆったりと拝見することができ、嬉しかったです。
そして、ふと合点がいったのです。
市童さんと音助さんペアの「ふたりらくご」の真意について。
そうか。
集客数云々ではなく、ただ、
今日見に来た人達が
見に来る回が作れれば、
それだけで充分だったのだと。
これは私の勝手な解釈ですが、そのことを理解できた自分に満足しました。
今回のふたりらくごのレビューを書けたことが、私の落語歴の自慢となる日を楽しみに、筆を置くことにします。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」2/14 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ
2月14日(火)18時-19時「ふたりらくご」
柳亭市童(りゅうてい いちどう)「明烏」
雷門音助(かみなりもん おとすけ)「竹の水仙」
柳亭市童さんと雷門音助さんという昇進してまだ1〜2年目の二つ目さんの「ふたりらくご」。
失礼ながら、落語歴の浅い私は、これまで存在を知らなかったお二人。
「どうせなら、先入観なく真っさらな状態で拝見してみよう」とプロフィール以外、特に予習もせずに公演を観に行きました。
こんな事を言ったらサンキュータツオさんに怒られるかもしれませんが、正直、「若すぎる二つ目ペアのふたりらくごって、チャレンジすぎるのでは?!お客さん来るのかな…」と心配していました。
やはり、17時半開場時点で私を含めてお客さんは10名弱(最終的な来場者は25名とのこと)。がらんとした客席…。ソワソワ…。
しかし、そこは策士の渋谷らくご。
私はこれまでも、まんまとその妙案に乗せられて、落語に魅了されてきたタチなので、今回もサンキュータツオさんを信じて開演を待つことにしました。
お二人の落語を拝見する中で、共通して感心したのが、役を演じる表情や声色の明瞭な使い分けです。私は他に昇進したての二つ目さんを知りませんが、あの芸歴でもうあの表現力が身につくものなのかと驚きました。
また、お二人の落語の聞きやすさも気に入りました。
私は元々、古典落語の古語口調に少々苦手意識があり、噺によっては、また落語家さんによっては、お恥ずかしながら何を言っているか分からない時があるのですが…(これ密かに初心者あるあるじゃないですかね?笑)その点、今回の演目は2席とも(「明烏」、「竹の水仙」)親しみやすく、お二人とも等身大の表現をされているように感じ、ストレスなく楽しむことが出来ました。
柳亭市童さん
まず、丸く可愛らしいお顔に対して落ち着きのある落語口調がギャップ萌えです(笑)。言い澱みや言い間違いも少なく、高座に上がるまでに鍛錬を重ねた成果なのだろうなと思いました。自分を信じて高座に上がっているようにも見えました。
「明烏」は覚えているだけでも6人は登場人物がいたはずですが、市童さんは声の高低だけでなく、厚み、重みも巧みに使い分けて表現されているように見えました。一人の人が座ったままで、よくあんなに演じ分けられるものだと単純に感心しました。
雷門音助さん
まくらが何だか危なっかしくて(笑)大丈夫かな??と思いましたが、本編が始まると、いつの間にかすーっと音助さんの世界に吸い込まれていました。
何よりも魅了されたのは、その豊かな表情と笑顔です。
「竹の水仙」の話が進み、気の強い宿の女将が宿賃を払わないお客にビシッと言ってやろうと意気込んで階段を上って行くのに、お茶目な乙女に一転して戻ってくる頃には、すっかり音助さんに心を掴まれていました。
そして、中盤から音助さんの落語にとてもリラックスしている自分に気付きました。まくらで「お客さんの心を潤したい」とおっしゃっていましたが、その効果なのでしょうか。驚きました。
お客さんを自由に楽しませる落語という意味では、完成度はまだまだ成長の可能性が大きく開けているお二人。
「今のこのお二人」をこの日、ユーロライブの会場でゆったりと拝見することができ、嬉しかったです。
そして、ふと合点がいったのです。
市童さんと音助さんペアの「ふたりらくご」の真意について。
そうか。
集客数云々ではなく、ただ、
今日見に来た人達が
見に来る回が作れれば、
それだけで充分だったのだと。
これは私の勝手な解釈ですが、そのことを理解できた自分に満足しました。
今回のふたりらくごのレビューを書けたことが、私の落語歴の自慢となる日を楽しみに、筆を置くことにします。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」2/14 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ