渋谷らくごプレビュー&レビュー
2017年 4月14日(金)~18日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
いま一番勢いのある男を見たい。
そんな人におすすめなのが、神田松之丞。
落語? 講談? なんだかちがいがよくわからない!という人にこそ生で聴いてもらいたい。
二つ目にして東京演芸会の宝、神田松之丞。
お相手は、丁寧な古典落語で異世界へ誘う名手、二つ目になりたててこのレベルはすごい!という音助さんです。
▽雷門音助 かみなりもん おとすけ
23歳で入門、芸歴6年目、2016年2月二つ目昇進
好きな食べ物はそばとすあま。顔の横で、両手を開いて口元をほころばせるかわいらしい決めポーズをもつ。そんな甘い顔立ちにメロメロになる方々続出。落語家になる前まで信用金庫に勤めていたことから、お札をすごい早さで数えることが特技。
▽神田松之丞 かんだ まつのじょう
24歳で入門、芸歴11年目、2012年5月二つ目昇進。プロレス好き。iPadを使いこなす。この4月からTBSラジオで冠番組を持つ。女性フッション雑誌「an・an」から「プレイボーイ」にまでインタビューが掲載される。講談を知らない層にも響き、話題になっている。
レビュー
文:桜もち Twitter:@kasiwamoti55
マイノリティ応援の遺伝子が組み込まれています。だんだんハマりつつある趣味は、占星術とタロット。理想の男性像は「山本長五郎」 年末からねこと暮らすようになって毎朝の別れが辛い、仕事を辞めれないか本気で思っているところ。
4月14日(金)18時~ ふたりらくご
雷門音助(かみなりもん おとすけ)「明烏」
神田松之丞(かんだ まつのじょう)「吉原百人斬り お紺殺し」
一人でしたので終演直後、誰とも共有できず。
終わるやいなや「暗かったね?暗かったね!」と誰かに言って帰りたかったです。(笑)
たった1時間のシンプルな「ふたりらくご」
それがこんなに濃い完成された一つのショーのよう!いつものようにさっぱりした1時間を過ごして帰るつもりが、予想外の重厚さ。吉原話仕立て。
音助さんの、出て来る人みんなが優しさにあふれた(お父さんが吉原行きを応援するなんていいねえ)、軽やかな爽やかさが気持ちいい~と思っているところに
来たね~、講談の暗いところ凝縮版(自分のために殺しちゃう、これがまた悲惨なやり方。で、化けて出てきたり、因果応報になる。)のような、次の松之丞さん。この対比。
そういう暗さを含めて講談好きを明言している私なのですが、「あれ?好みが変わっちゃった?」と思ってしまった。帰り道がちょっと辛かったです。
でも、それって松之丞さんの予告通り。というのは、「同じ吉原話でもすごく嫌な話をします。あまりに気分悪すぎてこのままではおさまらない。20時からの会も聞いて帰っちゃおうと、皆さん思われると思います。」って前振りがあったからです。 その通りにすっかり引き込まれてしまったというわけです。
舞台とお座布団、ちょっとした小道具、講談なら釈台。それがあるだけ。あとは演者さん。背景もない。
でもお二人の話からありありと、光景や様子、人物像や表情などが目の前に広がるよう。
音助さんからは吉原のきれいな面、今は想像するしかない私たちが憧れを持って思い浮かべる華やかな吉原の世界。出てくる人たちも平和で、暖かい。ワクワク、気持ちいい。
松之丞さんからは寒い大雪の中、寂しい戸田の河原。悲惨な女乞食。悪党な佐野次郎兵衛。八つ橋の間夫栄之丞の嫌な感じ。
ちょっと話それますが、この栄之丞な奴じゃないですか?こんなのと一緒になったら苦労しそう。
「八つ橋、やめときなよー。佐野のお大尽の方がいいよー。」と舞台に向かって言いたくなる。
この頃は義理人情の時代、もっときちんと話をすればいいのに礼儀知らずじゃんかー。だめだよー、そんな奴!
歌舞伎では「籠釣瓶花街酔醒」。これはそもそも講釈を演出したものとのこと。
一度見ていますが演出・解釈は違いました、もっとソフトでした。また話の布石となる「お紺殺し」のところは知らなかったので、ふぉー!でした。
歌舞伎演目にしては見終わった後、珍しく後味の悪さが残る作品だなぁと感じていたのも納得でした。
いやいや、面白かったですよ!
奥が深いぞ!シブラク!!
【シブラクが好きな人、こんなのもいかが?】
今回はいっぱいあるので箇条書きです。
◯まずは「渦」!!です。
以前、シブラクで開演前にタツオさんとのトークがありました「木村万理」さん主催。
どの日に来ても楽しめることを保証します。「木村万里セレクト」寄席のようなものです。
聞いたことない演者さんもいっぱいかもしれませんが、どうぞ勇気を持って(笑)お出掛けになってみてください。
我らが「サンキュータツオさん」も登場です!(30日昼の部、米粒写経)
「渦」39 39(サンキュー)会にサンキュータツオさん(笑)
4月28日~5月2日 http://uzumarishiro.web.fc2.com/2013/page/uzu.html
シブラクが好きな人なら、「渦産業木村万里」アカウント、フォローしてるよね?
◯最近、私が見てよかったもの。
1.歌舞伎「助六」
ついに見ました~!念願の「助六」これも華やかな吉原話ですね!
なかなか上演がない演目。たまたまご飯食べてたお店で隣の女の子に教えてもらえて滑り込みセーフ。
もう安い席残ってなかったし、助六は花道がしっかり見える席で見たかったので奮発して(といっても最上級の席じゃないけど)1階で初めて見ました。
なぜか助六登場のいいところで眠くなってしまった私。アホか!
でも、かっこよかったですよ~。
そして安い席の良さをまた見直しました。
安い方の1階席は天井が2階席なので狭い感じ、上からの圧迫感があること。
そして何となくですが安い席の方が本当に歌舞伎が好きで来ている人の割合が多い、お芝居への集中度合いが高い感じがしました。
一番安いと花道が見えなかったりするのですが、全体を眺められる良さもありますし…。
1等以上の席じゃなくて全然O.Kです。
2.上野茂都 パワーポイント講談(映像付き講釈)「ギリシャ神話の神々」「近代(?)女流彫刻家列伝」@アゲイン「余一会」にて。
★演題は内容から私が勝手につけたものです。
普段は三味線音曲師と(※新アルバムは別境地です。)現代彫刻家の上野さん。美大の先生でもあります。
で、講釈のようなことも時々。
(ご自分ではプロの講談師さんに敵うべくもないと「よみ語り」と称されること多い。)
これが!とても良いのです。予告してやることは少ないので聴けたら本当にラッキー!です。
ほとんど一度しかやらないそのために全部オリジナル。古典的なものに題材を取ることもあれど全部オリジナル脚色。
古典あり、歌舞伎・浪曲・講談でよく出てきそうなやつあり、童話あり海外話あり。
この特異な創作物を音源に残さなくていいの?と思いますが、上野さんは飄々とされているのかもしれません。
今回は教鞭を取っておられる美大での授業用に作成されたもの。
こんな風に教えてもらえれば座学も楽しいよな~と思ってしまうものでした。
や~、語り方が粋でいいんですよ。
余談ですが、実技を指導しておられるイメージが強かったので、
「上野さん、ちゃんと大学の先生なんだなぁ。」と認識を新たにした次第でした。
★上野さんも「渦」に出ますよ!29日昼の部です。
今回のレビューは以上です。
お読みいただきましてありがとうございました。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」4/14 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ
マイノリティ応援の遺伝子が組み込まれています。だんだんハマりつつある趣味は、占星術とタロット。理想の男性像は「山本長五郎」 年末からねこと暮らすようになって毎朝の別れが辛い、仕事を辞めれないか本気で思っているところ。
4月14日(金)18時~ ふたりらくご
雷門音助(かみなりもん おとすけ)「明烏」
神田松之丞(かんだ まつのじょう)「吉原百人斬り お紺殺し」
「カッコいい1時間」
暗ーい!!!!
一人でしたので終演直後、誰とも共有できず。
終わるやいなや「暗かったね?暗かったね!」と誰かに言って帰りたかったです。(笑)
たった1時間のシンプルな「ふたりらくご」
それがこんなに濃い完成された一つのショーのよう!いつものようにさっぱりした1時間を過ごして帰るつもりが、予想外の重厚さ。吉原話仕立て。
音助さんの、出て来る人みんなが優しさにあふれた(お父さんが吉原行きを応援するなんていいねえ)、軽やかな爽やかさが気持ちいい~と思っているところに
来たね~、講談の暗いところ凝縮版(自分のために殺しちゃう、これがまた悲惨なやり方。で、化けて出てきたり、因果応報になる。)のような、次の松之丞さん。この対比。
そういう暗さを含めて講談好きを明言している私なのですが、「あれ?好みが変わっちゃった?」と思ってしまった。帰り道がちょっと辛かったです。
でも、それって松之丞さんの予告通り。というのは、「同じ吉原話でもすごく嫌な話をします。あまりに気分悪すぎてこのままではおさまらない。20時からの会も聞いて帰っちゃおうと、皆さん思われると思います。」って前振りがあったからです。 その通りにすっかり引き込まれてしまったというわけです。
舞台とお座布団、ちょっとした小道具、講談なら釈台。それがあるだけ。あとは演者さん。背景もない。
でもお二人の話からありありと、光景や様子、人物像や表情などが目の前に広がるよう。
音助さんからは吉原のきれいな面、今は想像するしかない私たちが憧れを持って思い浮かべる華やかな吉原の世界。出てくる人たちも平和で、暖かい。ワクワク、気持ちいい。
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雷門音助さん
松之丞さんからは寒い大雪の中、寂しい戸田の河原。悲惨な女乞食。悪党な佐野次郎兵衛。八つ橋の間夫栄之丞の嫌な感じ。
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神田松之丞さん
ちょっと話それますが、この栄之丞な奴じゃないですか?こんなのと一緒になったら苦労しそう。
「八つ橋、やめときなよー。佐野のお大尽の方がいいよー。」と舞台に向かって言いたくなる。
この頃は義理人情の時代、もっときちんと話をすればいいのに礼儀知らずじゃんかー。だめだよー、そんな奴!
歌舞伎では「籠釣瓶花街酔醒」。これはそもそも講釈を演出したものとのこと。
一度見ていますが演出・解釈は違いました、もっとソフトでした。また話の布石となる「お紺殺し」のところは知らなかったので、ふぉー!でした。
歌舞伎演目にしては見終わった後、珍しく後味の悪さが残る作品だなぁと感じていたのも納得でした。
いやいや、面白かったですよ!
奥が深いぞ!シブラク!!
【シブラクが好きな人、こんなのもいかが?】
今回はいっぱいあるので箇条書きです。
◯まずは「渦」!!です。
以前、シブラクで開演前にタツオさんとのトークがありました「木村万理」さん主催。
どの日に来ても楽しめることを保証します。「木村万里セレクト」寄席のようなものです。
聞いたことない演者さんもいっぱいかもしれませんが、どうぞ勇気を持って(笑)お出掛けになってみてください。
我らが「サンキュータツオさん」も登場です!(30日昼の部、米粒写経)
「渦」39 39(サンキュー)会にサンキュータツオさん(笑)
4月28日~5月2日 http://uzumarishiro.web.fc2.com/2013/page/uzu.html
シブラクが好きな人なら、「渦産業木村万里」アカウント、フォローしてるよね?
◯最近、私が見てよかったもの。
1.歌舞伎「助六」
ついに見ました~!念願の「助六」これも華やかな吉原話ですね!
なかなか上演がない演目。たまたまご飯食べてたお店で隣の女の子に教えてもらえて滑り込みセーフ。
もう安い席残ってなかったし、助六は花道がしっかり見える席で見たかったので奮発して(といっても最上級の席じゃないけど)1階で初めて見ました。
なぜか助六登場のいいところで眠くなってしまった私。アホか!
でも、かっこよかったですよ~。
そして安い席の良さをまた見直しました。
安い方の1階席は天井が2階席なので狭い感じ、上からの圧迫感があること。
そして何となくですが安い席の方が本当に歌舞伎が好きで来ている人の割合が多い、お芝居への集中度合いが高い感じがしました。
一番安いと花道が見えなかったりするのですが、全体を眺められる良さもありますし…。
1等以上の席じゃなくて全然O.Kです。
2.上野茂都 パワーポイント講談(映像付き講釈)「ギリシャ神話の神々」「近代(?)女流彫刻家列伝」@アゲイン「余一会」にて。
★演題は内容から私が勝手につけたものです。
普段は三味線音曲師と(※新アルバムは別境地です。)現代彫刻家の上野さん。美大の先生でもあります。
で、講釈のようなことも時々。
(ご自分ではプロの講談師さんに敵うべくもないと「よみ語り」と称されること多い。)
これが!とても良いのです。予告してやることは少ないので聴けたら本当にラッキー!です。
ほとんど一度しかやらないそのために全部オリジナル。古典的なものに題材を取ることもあれど全部オリジナル脚色。
古典あり、歌舞伎・浪曲・講談でよく出てきそうなやつあり、童話あり海外話あり。
この特異な創作物を音源に残さなくていいの?と思いますが、上野さんは飄々とされているのかもしれません。
今回は教鞭を取っておられる美大での授業用に作成されたもの。
こんな風に教えてもらえれば座学も楽しいよな~と思ってしまうものでした。
や~、語り方が粋でいいんですよ。
余談ですが、実技を指導しておられるイメージが強かったので、
「上野さん、ちゃんと大学の先生なんだなぁ。」と認識を新たにした次第でした。
★上野さんも「渦」に出ますよ!29日昼の部です。
今回のレビューは以上です。
お読みいただきましてありがとうございました。
【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」4/14 公演 感想まとめ
写真:渋谷らくごスタッフ