渋谷らくご

渋谷らくごプレビュー&レビュー

2017年 4月14日(金)~18日(火)

開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。

イラスト

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4月17日(月)20:00~22:00 柳家わさび 柳亭小痴楽 雷門小助六 春風亭百栄

「渋谷らくご」新作×古典:爆笑落語会

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プレビュー

自作の落語を披露し続け人がいますが、それを高い精度で爆笑巨編にし続ける人はなかなかいません。春風亭百栄(ももえ)師匠は特別な人です。老若男女、時と場合を選ばず、また落語の知識の有無にかかわらず、常にお客さんを満足させてくれます。
そして、新作を作る人にとって、「お客さんを満足させる」とは、笑わせ続けることなのです。
古典・新作の両輪で活躍するわさびさん、古典を自由闊達に演じる小痴楽さん、どの位置で出ても前後の演者とお客さんを気持ちよくさせる、リレーの名手の小助六師匠。
 四人全員を見て、落語という芸能の奥深さに触れてほしいと思います。


▽柳家わさび やなぎや わさび
23歳で入門、芸歴14年目、2008年二つ目昇進。古典落語だけでなく、創作落語という隠し刀をもつ実力派。イラストが可愛い。NHKBSの「our SPORTS!」にご出演中、ライフル射撃からアーチェリー、ボッチャの基礎知識を解説している。

▽柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
16歳で入門、芸歴12年目、2009年11月二つ目昇進。落語芸術協会の二つ目からなる人気ユニット「成金」メンバー。
ご本人は、「大きいかなぁ?」とおっしゃっているが、ものすごい大きなキャリーバッグで楽屋入りされる。最近お引っ越しされたとのこと。靴下が毎回可愛い。ただいまWOWOW動画では、小痴楽さんのシブラクインタビュー公開中。

▽雷門小助六 かみなりもん こすけろく
17歳で入門、芸歴18年目、2013年5月真打ち昇進。じんわり」と良さが波及していく芸と戦慄を覚える芸の両面を持つ。楽屋入りは必ずズーツ。猫を飼っていて「ハッピー」とハッピーの姉の「茶々」と「チョコ」と「小判」の4匹と生活している。最近新しい爪研ぎを買ったとのこと。

▽春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ
年を取らない妖精のような存在。静岡県静岡市出身、2008年9月真打ち昇進。
不思議な風貌で、危ないネタをかけつづている。次郎長とさくらももこ先生と昇太師匠とおなじ地元。
アメリカで寿司職人のバイトをしたことがある。猫が大変お好きという意外は日常生活の様子を見せない。

レビュー

文:pem(ペム) Twitter:@shina1220  性別:女 年代:20代 趣味:宝塚・舞台全般観劇、時々ハロプロその他諸々

4月17日(月)20:00~22:00
柳家わさび(やなぎや わさび)「三人無筆」
柳亭小痴楽(りゅうてい こちらく)「花見の仇討」
雷門小助六(かみなりもん こすけろく)「百年目」
春風亭百栄(しゅんぷうてい ももえ)「マザコン調べ」

この回は友人に3月「いま落語ハマってて渋谷らくごっていうところでレビュー書いてるですよー」という会話からレビューを斜め読みしながら興味が湧いてきたらしくその後勧誘し続けた結果、その友人を一人生の落語デビューさせることに成功いたしました!モニターやってよかった!そしてその友人「この人(小痴楽さん)地元の近くでやる落語会に出てるんですよね。面白かったら買って行ってみようかな」と開演前話していたのですが終演後に帰路の時間にその落語会のチケット買ったそうです。来月は親をシブラクで落語デビューさせる約束をしまして、いや貢献してるー私貢献してるー!!(自画自賛)

今月は開演10分前にサンキュータツオさんが壇上に上がり4月から新発売の手ぬぐい・扇子そして目玉は入船亭扇里USBメモリー!20席+インタビューや解説もがっつり入って10000円!先月のふたりらくご(入船亭兄弟会)のレビューを務めた際「“『父ちゃんの仇ーー!!父ちゃんの仇ー!!』の猪がめっちゃ可愛かったところです。もう一度聴きたいのであそこの音源ください…。”」と書いていたら本当に音源出ちゃいました…!50本限定で次の日の18日には残り27本だったそうなのでみなさまお早めに…!!他の商品も売り切れ終了だそうなので!

柳家わさび『三人無筆』



  • 柳家わさびさん

    柳家わさびさん

冒頭から私たちの温かい拍手を無下にするという嘘エピソードからスタートするわさびさん。まくらから嘘繋がりなんでしょうか「三人無筆」読み書きのできない2人が葬式の記帳係をすることになり参列者にバレないように奮闘するお噺。記帳係を頼まれた経緯からしてダメな2人なのになんとも憎めない、うまくいけばいいななんて応援したくなるような、でもやっぱり面白おかしい時間でございました。

柳亭小痴楽『花見の仇討』



  • 柳亭小痴楽さん

    柳亭小痴楽さん

わさびさんがまくらの際「本人は男前じゃないって言ってるけど男前だよ!」っておっしゃっていましたが、動画や写真で見てても別段男前だと思ったことがなかったのですが(失礼)生で拝見すると目元アイライン引いてます?ってくらい目ヂカラがあり華を感じる美男でした。でも本人がそこをアピールポイントにしないあたりが素敵です。落語めっちゃ面白かったです。でもまくらは超毒舌で若干ビビりました。「花見の仇討」もうコンタクトレンズ外れちゃうレベルで熱演してくださいました小痴楽さん。動きや表情が豊かで音声だけでは伝わらない笑いどころが豊富で生で落語を堪能する良さを全面で感じることができました。

雷門小助六『百年目』



  • 雷門小助六師匠

    雷門小助六師匠

タツオさんが開演前におっしゃられていたようにトリへ絶妙なパスをする小助六師匠。過去のシブラクの公演を調べて見ても3人目の高座が多くタツオさんの信頼度が非常に感じられます。落語は本当に初心者なので上手い下手などまだよくわかりませんが小助六師匠の落語はスッとその世界が目の前に広がり体を委ねるような感覚に陥ります。桜が満開で絶景なのとは裏腹に大旦那に芸者遊びをしているのがバレた番頭の心境の対比がなんとも物悲しい。さっきまで芸者遊びしてあんなに楽しそうだったのに…そういえば屋形船のくだりのときにナチュラルに小痴楽さんがかけた「花見の敵討」のネタを織り込んでてそこがとても素敵でした…

春風亭百栄『マザコン調べ』



  • 春風亭百栄師匠

    春風亭百栄師匠

百年目は滅多にかからない噺なので聴けるなんて良かったですねと初心者にやさしい百栄師匠。
私にとって百栄師匠は2月の渋谷らくごぶり2回目。面白い落語家さんはまくらで今日あった面白エピソード話しますけどあれは嘘ですよ、そんな面白いこと起こりませんよ。でも私の話は本当です。でもその代わりそんなに面白くないんですけどと言いつつ笑いを掻っ攫ってしまう百栄師匠。ネタをみてるとちょっと変わったお方なのかなと思っていたのですがそれだけではない。きちんと良識があるからあるからこそあれだけの狂気を狂気として書けるのだと「マザコン調べ」を聴いて感じました。どちらかだけ持っていてもこんな大作つくれない!笑
「マザコン調べ」
大工調べをモチーフにした百栄師匠の創作落語。
すみません、もはや爆笑の渦すぎて啖呵を切るくだりから客席の笑いで一部聞き取れなかったというね、いやもう本当それくらいみんな腹よじれるんじゃないかってレベルで大爆笑でしてね。それにしてもこんな公共の場で大爆笑してもいいっていう空間づくり素晴らしいですね、こんな空間滅多にないですよ。

可哀想に見える(?)わさびさん、華のある小痴楽さん、いぶし銀な小助六師匠、年齢不詳な妖精百栄師匠…個性が全然違うのになぜか統一感を感じる不思議でそしてプレビューどうり期待を裏切らない百栄師匠トリの爆笑回、いや空前絶後の大爆笑回でございました…!!

来月のシブラクは5月12日(金)~16日(火)ですので気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか?来月まで待てないよ!・落語に少し興味湧いてきたよ!という方はPodcastや動画が1席丸ごと配信されてますので渋谷らくごHPのトップページにURL貼ってありますのでぜひご覧ください。

【この日のほかのお客様の感想】
「渋谷らくご」4/17 公演 感想まとめ

写真:渋谷らくごスタッフ