渋谷らくごプレビュー&レビュー
2021年 5月14日(金)~18日(火)
開場=開演30分前 / *浪曲 **講談 / 出演者は予告なく変わることがあります。
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プレビュー
この公演、二つ目の立川吉笑さんがトリをとります。そしてご本人からの提案で、なんと三題噺に挑戦することになりました!
開演前のキーワードのご提案、どうぞご協力お願いしますね!
さて、そんなどう転がるかわからないドキドキの公演ですが、落語の妖精 百栄師匠、浪曲の風雲児 太福さん、そして二つ目の快男子 文吾さんと楽しい顔触れです。はじめて演芸に触れる人ももちろん楽しめる公演です。
落語界のトリックスター吉笑さんが、今年も渋谷らくごで仕掛けてくれています。
▽橘家文吾 たちばなや ぶんご
21歳で三代目橘家文蔵師匠に入門、芸歴8年目、2018年11月二つ目昇進。本名が「中西翼」とカッコいい。毎日訝しがりながら通過していた建物が、庵野監督のカラーの建物だった。さっそく今年初冷やし中華を食べた。シブラクに行く前には、カレー食べがち。
▽春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ
年を取らない妖精のような存在。さくらももことおなじ静岡県清水市(現・静岡市)出身、2008年9月真打ち昇進。
落語協会の野球チームでは、名ピッチャー。アメリカで寿司職人のバイトをしていた。日常生活の様子はわからないが、猫好き。
▽玉川太福 たまがわ だいふく
1979年8月2日、2007年3月入門。JFN系列にて放送中の「ON THE PLANET」のパーソナリティとして、毎週火曜日25時から出演中。サウナが大好きで、オフピークを狙いサウナに通い続ける。先日、すごく綺麗なチーズバーガーを食べた。
▽立川吉笑 たてかわ きっしょう
26歳で入門、現在芸歴11年目、2012年4月二つ目昇進。もともとは酒豪だったが、酒断ちをしていまは炭酸水で過ごす。三題噺特訓の様子を配信している、先輩方と同じお題で挑戦している。テクテクライフのレベルが順調にアップしている。
レビュー
橘家文吾(たちばなや ぶんご)-麻のれん
春風亭百栄(しゅんぷうてい ももえ)-ジャム浜
玉川太福(たまがわ だいふく)/玉川みね子(たまがわ みねこ)-がらけぇ兄弟ぇ
立川吉笑(たてかわ きっしょう)-三題噺「ババロア」「ノック」「文庫本」
最近、「平家物語の“扇の的”は可能か?」という番組(←N●Kの「偉人にチャレンジ」)を観ました。
文献から当時の船・弓矢のサイズや形、時刻や天候、距離などを計算し、同じ条件下で現代の弓道家が挑戦!何日も練習を重ねた後、収録では11発目にやっと成功させました。こんな難しい事を一発で成功させるなんて、那須与一やっぱり凄い!
さて、今日は吉笑さんが三題噺に挑戦!「開演前にお題を集めて90分くらいで作ってトリで一席披露する」とのこと。なんというチャレンジャー。
他、期待の二つ目・文吾さん、悪魔的に面白い笑い百栄師匠、マイ・オールタイム・フェイバリットの太福さんが、笑いと癒しをお届け!
もう期待しかありませんね。
橘家文吾さん「麻のれん」
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橘家文吾さん
前座時代に、柳家喬太郎師匠による三題噺会のお題記録係を務めたことがあるとのこと。難しい漢字も出てきて、記録するのもなかなか大変だったそうです。
さて、今日は夏のお噺。
目の不自由な按摩さんが仕事の後、お酒をご馳走になり泊まっていくことに。ところが蚊帳が何処にあるのか分からず、蚊とのバトルに悩まされます。按摩さんの運命はいかに?最後はちょっと気の毒な結末に。。
文吾さんの冷た〜いお酒を「クックック、プハー」と飲む仕草が本当に美味しそうで、喉が鳴ります。枝豆を食べる場面では、口の中に青々とした匂いが広がる様な気がしました。文吾さんには、美味しそうな演技が良く似合う!自粛中で飲み会などがない今、見るだけでウットリしてしまいました。
春風亭百栄師匠「ジャム浜」
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春風亭百栄師匠
と、百栄師匠も「この場で三題噺をやります!」といきなり宣言!ざわつく会場。。「ではお題をお願いします!え?魚河岸、財布、お酒、ですね!」と勝手に決める師匠。これってあの、有名な●浜?
というわけで、スーパー「ヨトーイーカドー」の鮮魚買い付け係&その健気な妻が主人公。やっぱり現代版●浜じゃない!?
しかし、一捻りもニ捻りもあるのが百栄師匠らしい!ちなみに、夢になっちゃ〜いけねえ〜、は、出てきません。
会場を何度もザワつかせる師匠は、本当に不思議ちゃん。さすが落語の妖精ですね。
玉川太福さん「がらけぇ兄弟ぇ」
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玉川太福さん
ただ浪曲には、オチがつかなくても「ちょうど時間となりました〜」と強制終了する必殺技がありますね、笑。
今年は古典をメインに、と決めていたけれど、今日ばかりは吉笑さんがやり易くなる様に、太福さんも新作を披露。内容は現代版の任侠物語?
携帯ショップにガラケーの機種変更にやって来たジャージの二人。彼らは、ヤクザの兄貴分と弟分らしい。スマホに詳しい弟分に教えられて、色々試してみる兄貴分。「地べたの二人」と同じく、何気ない男同士のやり取りが可笑しくてたまりません!
「ヘ〜イ〜〜、Siri〜」と浪曲風に節をつけてスマホに話かける場面では、お腹が捻れるほど笑ってしまいました。もう、AIもビックリですね。
立川吉笑さん 三題噺「ババロア」「ノック」「文庫本」
そして、なんとなんと出来上がったお噺は、スイーツ達の栄枯盛衰物語。
スイパラ(スイーツパラダイス)ランキングをかけたお菓子バトルが繰り広げられます。
人気者のタピオカ、ティラミスやパンナコッタなどのオシャレスイーツに対抗して、甘納豆、サトウキビ、ババロアばーちゃん、ウィスキーボンボン親分&チロルチョコ子分(親分子分=文庫本?)まで参戦。みんな努力の末(ノックにノックを重ね)、果たして一位を勝ち取ったのは?
わりとスッキリ、キレイなオチで終わると、会場から「わー」という笑いと「ほー」という安堵の声が漏れました(←観ている方も実は緊張している!でも、この緊張によって、吉笑さんを応援する一体感が会場に生まれた感じ)。
途中、ちょっと苦しい部分もありましたが、吉笑さんの困った顔を見るのもまた楽し、ひひひ。
Serendipityというか、思わぬ宝物を発見!みたいなものを、今日の吉笑さんに感じました。
古典・創作・小噺etc、落語という芸には色々なスタイルがあり、噺家さんは色々なことが出来るのですね。吉笑さんの頭の回転の良さに改めて驚き。
一つの題を掘り下げるのが得意だという吉笑さん。それに対して三題噺はバラバラのお題を軽やかに繋げる真逆のもの。
作風が変わってしまって自分の良い所がなくなってしまうのが怖い、という吉笑さん。いえいえ、映画監督やミュージシャンでも、あるキッカケで雰囲気が変わって大成功する例もありますよね。是非、また聴きたいです。
渋谷らくごでも初の試みだったそうですが、三題噺大会をまた観てみたいです!
(余談ですが、なかなか見つからなかったという、吉笑さんが練習の参考にした三遊亭白鳥師匠の三題噺DVDは、国立国会図書館の映像資料館にあった!私も観てみたくなりました。)
写真:渋谷らくごスタッフ
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