「渋谷らくご」　40代にして大名人！隅田川馬石を見よ！

放送禁止用語がバンバン飛び交う下ネタ満載の「まくら」をしたり、映画CMの手法をつかって落語を編集し直したり、まさかの正当派上方古典落語をやったりと、出てくるまでなにをなさるか予測不能な落語家、羽光さん。悲鳴に近い笑い声が客席で響いたり、落語ファンを唸らせたりと、毎回客席もざわついております。

談吉落語の特徴はなんといっても、談吉さん本人がとても楽しそうに落語をなさっているところでしょう。ニコニコしながら、一生懸命に落語をしている姿は、客席が自然と笑っています。それでいて、ところどころにハッとするようなイリュージョンのある落語。

浪曲の太福さんも絶品です。大柄で強い太福さんのお声は、客席を誰一人として置いてきぼりにしない安心感と安定感があります。浪曲の古典ナンバーをやっても良し、太福さんが経験した些細な日常を唸る新作も良し。小さな客席の変化を見逃さない太福さんが、浪曲ファンを着実に増やしています。

最後に登場するのが、馬石師匠。この師匠、将来落語という芸能を根底から変えてしまうのではないかと密かに感じています。無駄なく、無理なく、古典を大幅に書き換えること無くひそかにひそかに書き換えてく。間をとって心の機微を表現する。気付いたら革命を起こしてしまっているのではないかと思う、ナチュラルな落語を味わってください。40代にして大名人！